活動報告
看護学生が「地域を捉える目を養う」ための演習への提案—看護学生への地域看護学基礎実習の試みと振り返り
大宮 朋子
1
,
丸山 美知子
2
1筑波大学医学医療系・公衆衛生看護学
2淑徳大学大学院看護学研究科
pp.598-605
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200731
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はじめに
看護学生の過密なスケジュールの中で,全ての学生の「地域を捉える目を養う」ためにどのような実践が考えられるだろうか。また,限られた時間の中で最大限の効果を得るための工夫はなにか。
このような着眼のもと,筆者らはA大学の看護学部において本稿で紹介する演習科目(以下,本科目)を展開した。試行錯誤の末,教育効果が非常に高いと思われる結果を得た。この方法は,全ての看護学生に対し短期間で実践可能で,看護系大学に向けて提案できるだけでなく,保健所・保健センターで保健師教育課程の実習に携わる実習担当保健師にとっても,指導上の具体的なヒントを提供できると思われる。
保健師教育課程の実習では,地域診断から地域の課題を見いだすプロセスとともに,地域で暮らす生活者としての住民をいかに捉えるかが実習での学びの深さに関わってくる。本稿では科目の企画意図を基に,実践,評価までの具体的なプロセスとともに,実習指導への生かし方についても紹介する。
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