訪問看護と介護 10巻1号 (2005年1月)

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訪問看護師になった理由

まずは実習で「楽しそうだな」と

村松 まずは,皆さんがなぜ訪問看護師になったのかをお聞きしようと思います。枡井さんは,訪問看護経験が2年半と,この中ではいちばん長いですね。

枡井 私は,学生時代の在宅看護実習がきっかけです。2日間だけですが,学生という立場でもあり,単純に「楽しそうだな」というイメージをもったんですね。それで,いずれ在宅看護の道に行きたいなという気持ちが生まれました。

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山田 僕と佐々木さんとのそもそもの出会いは,フジテレビの「金曜エンタテイメント」という2時間ドラマの枠で,市原悦子さん主演でドラマを作らないか,という話が来たところから始まります。以前にもその枠で市原さん主演のドラマを2本書いているのですが,今回は局から,訪問看護師のドラマはどうだろうという提案があったんです。訪問看護についてはほとんど無知でしたが,明日にも世話になるかもしれない歳ですし,これは知っておくにこしたことはないと思いました。

 ただ,事実をベースにしたものというか,ノンフィクションでも撮れるものをドラマにするのは,自分としては嫌だと思っていたんですね。やはりドラマになっていなければ書く意味がない,と。その一方で,訪問看護についてよく知らない視聴者もいますから,訪問看護についての基本的な知識や事実は押さえなければいけない。しかし,それをいろいろ説明しているうちに,時間を半分くらい使ってしまうのでは困ります。

連載 マンスリーダイジェスト

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厚労省03年介護サービス

施設・事業所調査

特養ホームの個室

18%の大幅増に

2004/10/22

 厚生労働省の2003年介護サービス施設・事業所調査結果が13日公表された。この調査は,前年10月時点の全国の介護保険施設および居宅サービス事業所を対象に毎年行なわれている。この中で特別養護老人ホームの個室数が前の年より18.3%増加して4万7145室になったことが分かった。また,老健における個室の割合は16.1%増の3万360室,介護療養型医療施設では6.3%増の9310室と,3施設全体でみてもまだ4人以上の居室が4~5割を占めているが,いずれの施設でも個室の割合が増加している。一方,訪問看護ステーションは,9月中の1事業所当たり利用者数が2.5人増の52人,利用者1人当たり利用回数は0.3回増の5.5回であった。

連載 訪問看護 時事刻々

介護予防 石田 昌宏
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筋肉いっぱいの老男性が,鉄棒の大車輪をするコマーシャルがあった。あんな高齢者が増える社会を目的にしているわけではないが,「パワーリハビリ」という言葉を最近よく耳にするようになった。

 介護保険制度5年目の見直しのための議論がいよいよ終盤を迎えている。新聞では,保険料負担の増加や,被保険者(現在は40歳以上)を若年者に拡大すること,サービス利用者を若い障害者へも拡大することなどについて書かれている。しかしよく内容をみると,今回の改正は,「介護予防」改正とも言われるように,介護を必要としない状態が長く続くよう,予防に積極的に取り組む体制の整備をめざしたものに見受けられる。

連載 人工呼吸器とともに生きる・1

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日本ALS協会福井支部(以下,「福井支部」)は,全国で6番目の支部として,1990年11月11日に設立され,2004年6月に15回目の総会を実施しました。私は支部の事務局長として,この15年間で100名を超えるALS患者,人工呼吸器使用患者会員と関わってきました。

 今日に至るまでの15年間に,日本の医療・福祉・保健等の公的制度充実に伴い,ALS患者の在宅療養をとりまく支援環境は,大きく進展しました。まず,医療保険制度では,在宅人工呼吸器管理料の医療保険点数の制度化とともに,人工呼吸器のレンタルが普及したことがあげられます。さらに,在宅医療の要となる訪問看護態勢の充実も重要でした。また,社会福祉制度の面では,意志伝達装置や吸引器の給付制度導入等があげられます。そして,2000年に開始された介護保険制度では,ALS患者もサービス利用の対象となりました。その結果,ケアマネジャーの支援のもとで,訪問看護や訪問リハビリ,訪問介護,訪問入浴をはじめとした多様なサービス利用が可能となりました。

 また,2003年からは,支援費制度が導入されています。これにより,全国各地で在宅人工呼吸器使用者への介護者の長時間派遣を実施できる可能性が広がりました(それまでは全身性障害者の介護人派遣制度が利用できる一部の先進地域に限られていた)。これらのサービスを知り,上手に使いこなすことができれば,呼吸器を使用した重度障害のあるALS患者の自己実現は大きく期待できるはずです。

連載 リフレッシュのすすめ・1

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 昨年本誌に,管理者日誌というコーナーをいただき,小生が主宰する医療法人アスムスの訪問看護ステーションの看護師たちが,訪問看護師の日常を連載した。たわいもない話から,ちょっと辛口の世の中批判,さらには理事長(これは小生であるが)の秘密の暴露まで歯に衣着せぬ内容に,大いに反響があったようだ。そこで当法人の訪問看護師たちの力強い生の声を再び連載に,との原稿依頼を受けたのは,昨年7月の終わりごろだった。「24時間・365日のサービスを継続させることは,並大抵の覚悟ではできない。いったいどのような方法でリフレッシュしているのか,その秘訣を教えてほしい」これが,編集者の意図するところらしい。

 小生に言わせれば医療や福祉サービスは,365日切れ目なく提供されないと役に立たない。それは病気や障害が時間を選ばないからで,医療や介護にかかわる以上,そこを抑えておくことは最低限の義務だと思っている。ただ,それを1人でこなすことは大変だ。そこでシステムを作ることや,グループで取り組む工夫で,14年近くその哲学を貫いてきた。

平澤家の日常 平澤 由美子
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リフレッシュのすすめ……と言われても,仕事と家事と育児に追われている私には,そんなものは見あたらない。仕事から離れてみれば当然行き着くところは家しかないのだが,ふと見渡してみると,パソコンの前には長男がドカンと居座り,次男は寝そべりながらテレビを見ている。夫は,これまたテレビを見ながらビールを飲んでくつろいでいるではないか!私はといえば,帰って玄関をあけたとたん,投げられっぱなしの学生かばん2つと,汚れたユニホームを見てため息をつき,帰ってからしばらくはコアラのごとく離れようとしない幼い娘を片手に抱きかかえたまま洗濯物を取り込み,夕食の支度に追われている。仕事を離れて,という意味では,確かにその日の仕事の内容も,「これは大事なことだから明日連絡しなくちゃ」なんて考えていたことも,すべて吹き飛んでしまう慌ただしさである。こんな家庭は私にとって癒しの空間になっているのだろうか?

連載 診療所日誌・1

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ぼくの働く診療所は,高知県中村市の四万十川のすぐほとりにある。高知県の西南部は幡多地方と呼ばれ,人口3万5千人の中村市は,その中心の町。四万十川は日本最後の清流といわれ,たくさんの沈下橋があり,蛇行を繰り返す。海水と真水が混じる,その汽水域の豊かな生き物が有名な川である。

 四国に台風接近というと,四万十川の赤い鉄橋がニュースで映る。地元の人が赤鉄橋と呼ぶその橋のたもとに,ぼくの診療所がある。診療が終わった夕方,たまに犬を連れて妻と一緒に堤防を歩く。「都会の人にはよだれが出そうな光景だねえ」と,夕焼けのなかの川を見ながら2人で悦に入ったりするのだ。

連載 ドキュメント―介護アドバイザーが行く(13)

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 施設評価を行なうことはそれほど難しいことではない。重要なのは,その評価結果を職員自身が共感とリアリティをもって,「これは,自分の問題だ」と受け止められるかどうかである。そして,施設のあるべきイメージを共有すること,つまり「自分たちはこの施設でこんな仕事をしたい」というのが,思いとして,事実として,より具体的な場面や体験として,持てるかどうかが重要となる。

 前回(2004年12月号),介護老人保健施設ききょうの郷の施設評価の結果を報告したが,内容を見てわかるように,介護状況も,物的環境も,支えるシステムも,専門職,役職者も,かなり低いレベルに留まっていることがわかる。

連載 花凪の人々─なりたい自分になる介護・7

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Sさんが3人目の下宿人となってからの半年は,家全体がざわざわとして落ち着かない状況が続きました。目に触れるものはすべてSさんのもので,それは花凪下宿も例外ではありません。棚に飾ってある人形を手に取った瞬間,「私のものに触らないでください!」の声が飛び,テレビをつけると「勝手につけないでください!」と消しにきます。

 ある日のこと,Sさんが急に「勝手に人の庭に棒を立てて!注意してきます!」と怒り始めました。窓の外を見ると,向かいのお宅の庭に紅白のポールが立っています。とうとう,向かいの家までSさんの家ということになっていました。収集癖もあって,食後はテーブルの上をすぐに片付けなくては,食器,箸,ランチョンマット,食べ残しのおかずまでがSさんのバックにしまいこまれていました。

連載 口腔ケアを待つ人々・9

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お年寄りにとって,正月やそれに連なるいくつかの行事は,1年の中でも最大の楽しみのようです。それぞれの地域ごとに特色のあるお雑煮を,毎年食べる幸せもその1つです。しかしこの幸せをずっと味わい続けることは意外と難しいのです。その大きな要因が口の健康問題です。

 8020,つまり80歳で20本の歯を残したとしても,その後に病気や障害でセルフケア能力が低下したときに歯磨き習慣を継続できないと,悲劇が待っているということを,以前この連載で書きました(2004年6月号)。特に寝たきりの痴呆高齢者の場合には,どのような口腔の健康問題が起こり,またどのようなケアや支援が必要なのでしょうか。ある1人暮らしの女性と,その家族の軌跡をたどります。

連載 介護者を地域でサポートするしくみを探して・3

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なぜ私が介護者サポート活動に携わるようになったのか,そのきっかけと現在の思いを少し整理してみたいと思います。

 そもそも現在の活動は,阪神大震災の仮設住宅支援活動がベースだということは先に述べました。西宮市に引越したのは,1994年の秋。震災の起こる半年前のことでした。大学卒業後,都内で教職についていた私は,結婚したパートナーの転勤により退職し,その後14年あまり,子育ての時代を四国・名古屋・福岡といわゆる転勤族として過ごしてきました。その間,転勤先では地域の子ども会や,社会教育活動に取り組み,常に地域とのかかわりを持ってきました。

連載 ケアの方舟・7

老いとユーモア 石原 雅彦
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パーキンソン病の義父と同居するにあたり,その病気に関する本を何冊か読んでみた。なるほど,義父の一挙手一投足を思い浮かべると,そこに書かれている症状の実例と一致するので理解しやすい。

 感心したり,驚いたり,落胆したりする中で,「おやっ?」と思う記述があった。「パーキンソン病の患者にはえも言われないユーモアを感じることがある」というのだ。

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日本の高齢化率は,総務省の調べによると1950年には5%であったのに対し,2003年には19%と,総人口のおよそ5人に1人の割合になっている。これは今後も上昇を続け,2015年には総人口の26%と,およそ4人に1人が65歳以上になると見込まれている。国際的に見ても急速な高齢化である。

 これを背景に,高齢患者が増加している。そして,2000年6月の厚生労働省の調査で,入院外の投薬における薬剤種類数別件数の構成割合を見ると,一般医療では薬剤数が「7種類以上」の割合は4.8%となっているのに対し,老人医療では11.1%となっている(図1)。

 このことから,高齢患者の多くはその治療に多数の薬剤を服用している「多剤併用療法」を受けていることがわかる。

 これまで私は,薬剤師として,また看護師として,多くの患者の服薬管理や服薬支援を行なってきた。そのなかで,前述のように,高齢患者の増加や,個々の患者の服用する薬剤数が多くなっていることを日々感じている。しかし,それにもかかわらず,高齢患者への服薬に対する配慮が不十分ではないかと思うことがある。特に,薬剤の使用方法,剤型,包装などに関しては,「高齢患者が使用することを考慮に入れた開発がされていないのでは?」と思うことが多々ある。

 本稿では,これまで私自身が遭遇してきた高齢患者への服薬の問題点と,服薬の特徴をあげながら,看護師が知っておくべき注意点・対処方法について述べる。

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今から11年前,どこにでもある美容室の一経営者だった私は,あるビジネスを発案した。それが,寝たきりの高齢者や障害のある人たちを対象とする出張美容である。

 そのきっかけは,常連客の「寝たきりの人たちは,髪の手入れをどうしているんだろう?」という何気ない問いかけからだった。

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「時間」以外の評価の必要性

 現状では,訪問看護ステーション(以下,ステーション)による訪問看護サービスは,その内容にかかわらず,診療報酬上は訪問回数,また介護報酬上は滞在時間単位で支払いがなされている。しかし,たとえ同じ時間を要したとしても,看護サービスの種類により,その難易度やケアの複雑性,技術的要素などが異なる場合も多い。

 今後,ステーションが,提供するケアの質を確保しながら,在宅ケアにおける役割を十分に発揮し続けていくためには,時間には現われないこうした要素も含めて訪問看護サービスが総合的に評価され,その結果がステーションへの支払いにも反映されることが望まれる。

 適正な支払い額を設定するには,看護サービスの提供時間のみならず,難易度やケアの複雑性,技術的要素などを含めて測定し,数値として客観的に示せる必要がある。

仕事量=「時間」×「密度」

 しかし,過去において,看護労働や看護資源を測定した研究では,測定対象として時間に注目したものが多い1,2)。たとえば,米国において病棟での看護人員の適正配置のために用いられた患者分類システム(patient classification system:PCS)は,主に「時間」に注目した評価であった。日本でも同様の方法で病棟の看護人員配置を行なっている場合が多い。

 これらのような時間中心の評価に対しては,時間の長さに現われない思考過程やケアの複雑性などの視点が欠落しているという指摘がなされている3,4)。にもかかわらず,これまでは,時間に現われないこれらの要素についてはほとんど検討されておらず,「時間」以外の要素は測定が難しいという指摘もあった。

 これに対して,「時間」以外の要素に注目した研究として,米国において医師の労働を測定した,Resource Based Relative Value Scale(RBRVS)研究5)がある。RBRVS研究は,医師の主観的判断により「仕事」を測定したもので,医師の「仕事」は,以下のように「時間」と,「単位時間あたりの強度」すなわち「密度」の積で表わせると考えた。

 医師の「仕事」=(時間)×(密度)……①*1

 この研究では,医師の「仕事」の値が,「時間」と「密度」によって99%説明されることが示された。「密度」を規定する要素としては,精神的努力・判断,専門的技術と身体的努力,ストレス*2が設定されていた。

基本情報

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訪問看護と介護
10巻1号 (2005年1月)
電子版ISSN:1882-143X 印刷版ISSN:1341-7045 医学書院

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