特別企画 中と外から見た訪問看護の魅力
物語としての訪問看護―ドラマづくりを通して見えたもの
山田 太一
,
佐々木 静枝
1,2
1訪問看護ステーション北沢
2世田谷区社会福祉事業団訪問看護統括係
pp.15-21
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100042
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今年3月,訪問看護をテーマにした特別ドラマが放送される。脚本は,これまで多くの話題作を手がけてきた山田太一氏。単に主人公が訪問看護師であるというだけではなく,訪問看護そのものが主題となる今回のドラマの制作にあたって,佐々木静枝氏は約1年にわたる取材に協力したという。対談では,山田氏から見た訪問看護の現場や,シナリオで描かれる世界,訪問看護がドラマになることへの思いについて,語り合ってもらった。
理解してもらう絶好の機会だと
山田 僕と佐々木さんとのそもそもの出会いは,フジテレビの「金曜エンタテイメント」という2時間ドラマの枠で,市原悦子さん主演でドラマを作らないか,という話が来たところから始まります。以前にもその枠で市原さん主演のドラマを2本書いているのですが,今回は局から,訪問看護師のドラマはどうだろうという提案があったんです。訪問看護についてはほとんど無知でしたが,明日にも世話になるかもしれない歳ですし,これは知っておくにこしたことはないと思いました。
ただ,事実をベースにしたものというか,ノンフィクションでも撮れるものをドラマにするのは,自分としては嫌だと思っていたんですね。やはりドラマになっていなければ書く意味がない,と。その一方で,訪問看護についてよく知らない視聴者もいますから,訪問看護についての基本的な知識や事実は押さえなければいけない。しかし,それをいろいろ説明しているうちに,時間を半分くらい使ってしまうのでは困ります。
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