LiSA 26巻2号 (2019年2月)

異国臨床レクチャー

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長坂 本日は,ピッツバーグ大学メディカルセンター(UPMC)麻酔科の酒井哲郎先生に日常の疑問をぶつけます。酒井先生,よろしくお願いいたします。

酒井 怖いな〜。お手柔らかに。

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週末に向けて整形外科医より「先生,もう1件(大腿骨)転子部骨折の患者さんが入りました! 週明け早くに枠入りますか?」と連絡が入る。日本の多くの病院で,もはや珍しくない光景である。骨粗鬆症性の大腿骨近位部骨折は,可及的早期の手術介入が推奨される。読者の施設でも手術予定表の合間を縫って,何とか手術をねじ込んでいることだろう。本症例も同じような状況で申し込まれたが,術前に重症大動脈弁狭窄症が判明した。

 この困難な条件のなか,麻酔科医は周術期コーディネーター役を担う必要がある。整形外科・心臓血管外科・循環器内科と連携を図り,大腿骨,大動脈弁それぞれに対し介入の是非を協議し,介入するのであればそのタイミングや方法にまで踏み込んで麻酔計画を立てねばならない。

 今回PLANを提示していただいた3施設にはそれぞれ特徴があり,筆者の施設も含め,すべてで異なるPLANが提示された。読者にはどの管理が正解かという視点ではなく,特徴の近い施設のPLANを参考に,自施設ならではのPLANをぜひ考えてほしい。

予告編
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次号の症例カンファレンスの提示症例を,一足先に紹介する。

自施設にこの症例が来たら,どのような麻酔計画を立てるか,事前に考えてほしい。

次回,各施設のPLANをお楽しみに!

徹底分析シリーズ AIMS

巻頭言 讃岐 美智義
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自動麻酔記録から進化したAIMS(anesthesia information management system)は,時代とともにその守備範囲,機能,役割が大きく変化し,周術期の麻酔科医サポートシステムとして定着した。

 AIMSの進化に伴い,守備範囲や機能の多様化が起きている。そこで,最低限必要なAIMSの機能を語るうえで,フライトレコーダー機能,機器連携,JSA PIMS連携について詳述した。次に,メーカーの意見として,AIMSの立ち位置(医療機器か部門システムか)について,導入・維持コストの問題を取り上げた。さらに,メーカーと麻酔科医の双方の考えを対比するため,それぞれにとって必要と考える機能を盛り込んだ機種選定仕様書を取り上げた。

 理想から現実までを漏れなく視野におさめたAIMSの徹底分析ができたと自負している。麻酔科医がAIMSを正しく理解することで,麻酔管理のサポートとしてだけでなく,AIMS加算のような診療報酬上の利点を生み出すことにつなげたい思いもある。本徹底分析が,AIMSに関する熱い議論を引き起こす起爆剤になることを願っている。

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AIMSは,自動麻酔記録から派生した麻酔科医用の情報ツール1)であるが,麻酔科医の間でも活用のしかたが異なり,AIMSに求める機能について認識に大きな隔たりがある。十分な機能を備えた製品と不十分な機能の製品を同じ土俵の上で論じている可能性もある。

 本徹底分析のイントロダクションとして,自動麻酔記録とAIMSの定義および機能の変遷について紹介する。

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麻酔中のさまざまなデータを収集・記録するAIMSは麻酔管理におけるフライトレコーダーである。AIMSは麻酔記録を作成するだけでなく,そのデータは麻酔終了後も診療や研究に利用される。AIMSがフライトレコーダーとして機能するためには,バイタルサインをはじめとするデータが適正な条件で記録されることが必要である。また,コンピュータ画面に適したフォーマットで麻酔記録を作成することもAIMSに期待する性能である。

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電子カルテ導入に伴い,麻酔記録の電子化のためAIMSを導入する施設が増えている。AIMSをはじめとする自動麻酔記録システムは,われわれ麻酔科医を煩雑な記録業務から解放し,本来の麻酔業務に専念させてくれる。経時記録されたバイタルサインデータは,単なる麻酔記録にとどまらず,麻酔中の全身状態の把握にもきわめて有用である。シリンジポンプの薬剤投与情報が得られれば,麻酔薬の血中濃度シミュレーションを行うことも可能となる。AIMSと外部機器との連携およびHISとの連携について,現状と今後の課題について考える。

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AIMSの最低限の機能を定義し,守備範囲とグレードを分類することは,ユーザーの意識合わせになるだけでなく,メーカーにも改善すべき箇所を示すことができるようになる,と考えている。

 そこで本稿では,これまでメーカーも触れたがらなかったAIMSの機能を定義し,AIMSの守備範囲とグレード分類に関して論じたい。

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1980年代後半から90年代にかけて日本で産声をあげたAIMSも四半世紀が経過し,相応数の施設で活用されるようになりました。当初は大学病院の運用に則した大掛かりなシステムでしたが,普及が進むにつれてダウンサイズされてAIMSの守備範囲も術前・術後・看護,それに伴う二次マイニングと広範囲となってきました。また製品の中には電子カルテメーカーが提供するものやフリーの麻酔記録(paperChartなど)とレパートリーも増えていき,ユーザーの選択肢も広がったと思われます。

 本稿では,そのAIMS導入・維持コストの感覚(提供側と使用者側でのギャップ)について僭越ながら提供ベンダー2社の担当者が論じます。課題共有の一助となれば幸いです。

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LiSA編集部を通じて讃岐先生から執筆依頼が届いた。「テーマはユーザーからの不満にメーカーとしてどのように対応したか,思う存分述べてください」とのこと。社内を見渡すとユーザーの不満が集まっている(?),集めているのは私,ということになり本稿を執筆することになった。

 これまでいろいろな不満を受けてしまっていることを恥ずかしく思う一方で,メーカー側も頑張っていることを読者に少しでも理解してもらう機会になればと考えている。

 不満を抱かれる場面は,新たなシステムを導入するときや障害発生時などさまざまあるが,今回は導入済みシステムに変更を加える場合について取り上げる。

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昨今のAIMSは施設ごとの要望や接続先の上位ベンダーにより,仕様が多様化している。麻酔記録+αの機能として,手術予約,その調整,進捗管理などに加え,患者の診断や判断などに関与するプログラム医療機器に相当する機能の提供が求められることがある。そのうえで,AIMSを提供する側として,部門システムとして提供するのか,医療プログラムとして提供するのか,検討してみよう。

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「グローバル」「第三者」「標準規格」,いずれも,中立的で,普遍的で,最終的な解決策のような印象を与えてきた。しかし,平成も最終年の今日,すでに「グローバル」と「第三者」の中立性や普遍性は疑問視され,各人がそれぞれの文脈に応じて価値判断をしているのではないだろうか。「標準規格」についても同様であり,妄信的な採用や標準化と画一化(多様性を排除し一種類にすることを目的とする考え方)の混同はシステムの利便性を大きく損ねる可能性がある。

 AIMSをはじめとした周術期医療システムに関する標準規格の整備は進んでいるとはいえない。これは日本だけではなく世界中が抱えている課題である。

 本稿ではJSA PIMS(麻酔台帳)について概説し,医療における標準規格の現状を解説しつつ周術期医療関連のシステムの標準規格の策定の方略について議論する。

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ここまでの記事で,読者はAIMSが21世紀の麻酔管理にすでに必須の道具になっていることを理解されたと思われる。しかし,決して安くないAIMSを病院に導入する際に,どのように機種を選定し,仕様を決めていくべきであろうか。また,導入後に後悔しないためにどのような契約をメーカーと取り交わしておくべきだろうか? これからAIMSを導入するユーザーに向けて仕様書の作成について解説する。

 AIMSは,麻酔科医だけでなく,外科医,手術室看護師,病棟看護師,臨床工学技士,薬剤師,医事課職員など手術室に関係するすべての関係者が,必要な情報を提供,共有し,ひいては病院経営部門に経営戦略情報を提供できるものでなければならない。

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AIMSは術中の麻酔記録・看護記録・人工心肺記録の業務にとどまらず,手術申し込み・調整業務,術前・術後診察業務と周術期データの一元管理を行っている。さらには日本麻酔科学会認定のJSA PIMS(麻酔台帳)における手入力も自動リンクするので,麻酔科医の業務負担が軽減されることも間違いない。

 本稿ではメーカーの立場から,業務改善,リスク管理,経営効率の3項目にフォーカスして提案する。

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はじめに

バーコードは現在,日本の生活用品のほとんどに表示されている。買い物をする際,レジでバーコードを読み取るのは当たり前の光景である。現在,医療用医薬品にもバーコードの活用が進んでいる。当院でもバーコードはさまざまな場面で使用されており,患者安全の向上に貢献していると考えている。日常生活だけでなく,臨床現場でも活用されているバーコード。本稿では,どのようにバーコードが発展し,現在どのように活用されているのかを紹介する。

AYBのresidencyブログ

ISO 80369は,もうきていた! 坂野 彩
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9月23日(日)

そう遠くない将来に規格が変わるというのに,日本でも世界でも,ISO 80369を知る人は本当に少ないようです。

diary

北海道北見市 荒川 穣二
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「そだねー」で一躍,時の人となったカーリングチーム『Loco Solare』の地元が我が北見市です。北海道の東部に位置する人口約12万人の街です。玉ねぎの生産量とホタテの水揚げ量は日本一で,それらを使用した『オホーツク北見塩焼きそば』(写真1)はB級グルメとしてマニアの間では知られています。また地ビールとして日本で最初にビール製造内免許を取得したオホーツクビール(北見市山下町2丁目,TEL 0157-23-6300)も美味しいと評判です。新鮮な野菜・海産物に加えて“焼肉の街”としても有名(日本テレビ系列「秘密のケンミンSHOW」で取り上げられました)。人口当たりの焼肉店舗数が全国2位といわれており,約60店舗あるどの店でも新鮮で美味しい焼肉(写真2)が低料金で楽しめます。

連載

THE Editorials
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Anesthesia & Analgesia

Editorial:

Nelson AM, Wu CL. “Randomization at the expense of relevance.” L. J. Cronbach and intravenous acetaminophen as an opioid-sparing adjuvant. Anesth Analg 2018;127:1099-100.

Article:

Mörwald EE, Poeran J, Zubizarreta N, et al. Intravenous acetaminophen does not reduce inpatient opioid prescription or opioid-related adverse events among patients undergoing spine surgery. Anesth Analg 2018;127:1221-8.

■術後鎮痛法:十分な鎮痛効果と少ない副作用を求めて

多くの術後鎮痛法があり,術式に関係した術後痛の程度や,患者の年齢や状況,術中の麻酔法などにより,さまざまなものが組み合わせて用いられている。術後の経過により,鎮痛法も経静脈的投与から経口投与へ,といった移行が行われる。術後鎮痛には,硬膜外鎮痛や持続神経ブロックでは局所麻酔薬が主となるが,そのほか,オピオイド,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),アセトアミノフェン,デクスメデトミジン,ケタミンなどが用いられる。術後の強い痛みに対しては,作用機序が異なる鎮痛薬を組み合わせることにより,鎮痛効果を高めるとともに,副作用発現を少なくしようとする多角的疼痛管理multimodal analgesiaが用いられる。

 欧米では,オピオイド乱用による死亡や重大な副作用発現など,opioid crisisが起きている。術中からオピオイド投与を最小限とし,術後のオピオイド使用も制限するという動きが強まっている。そのような中で,使用が増えてきたのがアセトアミノフェンである。古くからある薬物であるが,日本でも2013年から静注液の販売が開始され,術中から術後の使用頻度も増加してきている。アセトアミノフェンとNSAIDsの併用で,オピオイド使用量が20%減少したという報告もある。

Enjoy! ワイン

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こんにちは!ワイン安部です。

1月号で紹介した,ワインを購入できるQRコードから,多くのオーダーをありがとうございました。

さて今回は,意外にもまだ取り上げていなかったレストランでの「好みの味わいの伝え方」についてです。

Tomochen風独記

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今回は,ドイツ時代の同僚アレックスに誘われて訪れたスウェーデンのVäxjö市立中央病院の様子を紹介します。

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基本情報

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LiSA
26巻2号 (2019年2月)
電子版ISSN:1883-5511 印刷版ISSN:1340-8836 メディカル・サイエンス・インターナショナル

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