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Anesthesia & Analgesia
Editorial:
Nelson AM, Wu CL. “Randomization at the expense of relevance.” L. J. Cronbach and intravenous acetaminophen as an opioid-sparing adjuvant. Anesth Analg 2018;127:1099-100.
Article:
Mörwald EE, Poeran J, Zubizarreta N, et al. Intravenous acetaminophen does not reduce inpatient opioid prescription or opioid-related adverse events among patients undergoing spine surgery. Anesth Analg 2018;127:1221-8.
■術後鎮痛法:十分な鎮痛効果と少ない副作用を求めて
多くの術後鎮痛法があり,術式に関係した術後痛の程度や,患者の年齢や状況,術中の麻酔法などにより,さまざまなものが組み合わせて用いられている。術後の経過により,鎮痛法も経静脈的投与から経口投与へ,といった移行が行われる。術後鎮痛には,硬膜外鎮痛や持続神経ブロックでは局所麻酔薬が主となるが,そのほか,オピオイド,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),アセトアミノフェン,デクスメデトミジン,ケタミンなどが用いられる。術後の強い痛みに対しては,作用機序が異なる鎮痛薬を組み合わせることにより,鎮痛効果を高めるとともに,副作用発現を少なくしようとする多角的疼痛管理multimodal analgesiaが用いられる。
欧米では,オピオイド乱用による死亡や重大な副作用発現など,opioid crisisが起きている。術中からオピオイド投与を最小限とし,術後のオピオイド使用も制限するという動きが強まっている。そのような中で,使用が増えてきたのがアセトアミノフェンである。古くからある薬物であるが,日本でも2013年から静注液の販売が開始され,術中から術後の使用頻度も増加してきている。アセトアミノフェンとNSAIDsの併用で,オピオイド使用量が20%減少したという報告もある。
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