症例カンファレンス
重症大動脈弁狭窄症患者の人工骨頭置換術
西迫 良
1
,
篠塚 翔
2
,
吉野 淳
2
,
湯本 正寿
3
,
森岡 宣伊
3
,
山田 徳洪
4
,
西川 精宣
4
,
坂下 実香子
1
Syou SHINOZUKA
2
,
Jun YOSHINO
2
,
Masatoshi YUMOTO
3
,
Nobutada MORIOKA
3
,
Tokuhiro YAMADA
4
,
Kiyonobu NISHIKAWA
4
1手稲渓仁会病院 麻酔科・集中治療室
2雪の聖母会聖マリア病院 麻酔科
3東京女子医科大学八千代医療センター 麻酔科
4大阪市立大学大学院医学研究科 麻酔科学講座
pp.107-124
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201304
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
週末に向けて整形外科医より「先生,もう1件(大腿骨)転子部骨折の患者さんが入りました! 週明け早くに枠入りますか?」と連絡が入る。日本の多くの病院で,もはや珍しくない光景である。骨粗鬆症性の大腿骨近位部骨折は,可及的早期の手術介入が推奨される。読者の施設でも手術予定表の合間を縫って,何とか手術をねじ込んでいることだろう。本症例も同じような状況で申し込まれたが,術前に重症大動脈弁狭窄症が判明した。
この困難な条件のなか,麻酔科医は周術期コーディネーター役を担う必要がある。整形外科・心臓血管外科・循環器内科と連携を図り,大腿骨,大動脈弁それぞれに対し介入の是非を協議し,介入するのであればそのタイミングや方法にまで踏み込んで麻酔計画を立てねばならない。
今回PLANを提示していただいた3施設にはそれぞれ特徴があり,筆者の施設も含め,すべてで異なるPLANが提示された。読者にはどの管理が正解かという視点ではなく,特徴の近い施設のPLANを参考に,自施設ならではのPLANをぜひ考えてほしい。
Copyright © 2019, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.