看護管理 29巻6号 (2019年6月)

特集 看護組織におけるサーバント・リーダーシップ 信頼とビジョンで組織を成長させる奉仕型のリーダーシップとは

  • 文献概要を表示

スタッフを支え,それぞれが力を発揮できるようにすることで目標達成に向け進んでいく「サーバント・リーダーシップ」への関心が高まっています。

サーバント・リーダーシップの提唱者であるロバート・K・グリーンリーフは著書の中で,「真のリーダーはフォロワーに信頼されており,まず人々に奉仕することが先決である」と提言しています。目標を共有し,奉仕や支援を通じてフォロワーから,主体的に協力してもらえる状況を作り出す。その根底には互いの信頼関係が必要になります。

本特集では,サーバント・リーダーシップの特徴を詳しく解説し,いかに看護組織で発揮していくかを考察します。

  • 文献概要を表示

サーバント・リーダーシップとは,リーダーがフォロワー(スタッフ)を支えることにより,目標に向かって進んでいくというリーダーシップ哲学である。本稿では,サーバント・リーダーシップについて詳しく解説する。その上で看護組織を成長させていくために,看護現場でどのようにサーバント・リーダーシップを実践できるのかを考察する。

  • 文献概要を表示

筆者は,人材の組織への定着に関する研究や,リーダーシップ行動に関する調査を行った経験などから,看護師長に対する支援が必要と感じ,「中小規模病院の看護師長がサーバント・リーダーシップを獲得するための支援モデル」を開発した。本稿では,支援モデル構築に至った背景となった研究を踏まえ,具体的な支援モデルの内容と,支援モデルを実施した施設での成果を紹介する。

  • 文献概要を表示

袋井市立聖隷袋井市民病院は,前身の市民病院閉鎖後に袋井市内の2つの急性期病院の退院患者の後継医療を担うために新規病院として開院。看護部では,順次病棟を開設し,スタッフの人数も増える中で出てきた看護管理における課題に対して,サーバント・リーダーシップを導入することで,目標の達成を目指した。本稿ではその取り組みについて紹介する。

  • 文献概要を表示

多根総合病院では,緊急入院の増加や患者の高齢化の進展により,看護管理者の業務が増加していた。そのため看護管理者の業務負担の軽減を図る方策の1つとして,看護部組織の再編成を行ったが,それにより経験年数の浅い看護管理者が増え,育成が課題となっている。本稿では,これからの看護部組織に期待される変革と,そのために看護管理者に求められるサーバント・リーダーシップの発揮について,展望を述べる。

巻頭 あしたのマネジメントを考えるヒント, このひとに聞く・6

金井壽宏氏 金井 壽宏
  • 文献概要を表示

「サーバント・リーダーシップ」について教えてください

リーダーには「ぐいぐいとチームをまとめ引っ張っていく強力な指導者」といったイメージが根強くありますが,「私は前に出るタイプではないから」とリーダーになることに苦手意識を持っている人も多くいます。新たなリーダーシップの形として,リーダーがチームメンバーを支え奉仕する「サーバント・リーダーシップ」という考え方があります。「サーバント・リーダー」とはいったいどんなリーダーなのでしょうか。書籍『サーバント・リーダーシップ入門』の著者である金井壽宏氏にお話を伺いました。

  • 文献概要を表示

 ヘルスケアワーカーキャリア学会は,ヘルスケアに従事する人たちのキャリア支援を目的に2018年秋に発足しました。勝原裕美子氏(オフィスKATSUHARA)が設立発起人を務め,同年10月8日(月・祝)にはキックオフ・フォーラムが開催されました(会場:大阪府看護協会レモンホール)。

 本稿では,会長となった勝原氏の学会発足への思いを紹介するとともに,キックオフ・ミーティングに参加した2人の看護管理者の参加レポートを掲載します。

  • 文献概要を表示

背景・ねらい

 部署の責任者としての看護師長(以下,師長)は変化する社会背景に対応し,対象者によりよいケアを提供するために現場の多くの課題に取り組む役割がある。しかし日々の繁忙さにより,有効な情報交換の方法を持たず,自己について内省(リフレクション,自分の言動や行動を客観的に深く省みること)する機会が少ない。また師長の仕事の評価については,多角的で客観的な評価ツールは存在するが,形式的な評価だけでは十分な内省へとつながらず,自己満足な状態へと陥る可能性がある。

 そこで,他者からの評価を受け入れることや,他者にアサーティブに(相手を尊重しながら,自分の気持ちを素直に表現する)評価を伝えることによって看護管理者である自己のあり方について内省する機会を意図的に設定することとした。

連載 看護の可視化 量と質の両面から適切な評価を考える・17

DPCと看護必要度・1 秋山 智弥
  • 文献概要を表示

第11回から第16回では,2006年から2016年までの2年ごとの診療報酬改定に合わせ,京都大学医学部附属病院において看護師算定ルールをどのように改変してきたかについて解説してきました。

第17回からは2018年診療報酬改定で導入されたDPCデータによる看護必要度データの置き換え問題をはじめ,DPCと看護必要度の関係について考えていきたいと思います。

連載 看護×経済学 経済学で読み解く看護サービスと医療政策・6

  • 文献概要を表示

本連載は経済学の視点から,看護サービスの特性や取引の規模,看護師の生産性や雇用環境,診療報酬や介護報酬が及ぼす影響などさまざまなデータを活用しながら解説します。

第6回では,給与を中心に訪問看護ステーションや介護保険施設などの労働条件について比較し,看護師の職場について考察していきます。

連載 「看護」の意味を見つめる 訪問看護の実践から・2

  • 文献概要を表示

 今ならもう少しましに,それがどういう意味なのかを問いかけるか,一緒に探すことができる。でも訪問看護師として駆け出しだったあの時は,何が助けになるのか分からなくてただ必死だった。

連載 マグネットジャーニー 聖路加国際病院のチャレンジ・5

  • 文献概要を表示

本連載では,聖路加国際病院看護部が「マグネットホスピタル認証」を取得するまでの道のりをマグネット・ジャーニー(マグネット認証への旅)として紹介していきます。「CNSと管理の会」伴走のもと走り続けるこの過程はチャレンジに満ちています。

第5回では,自分たちで改善できそうな事柄について実践していくナースの代表者会議の活動について紹介し,スタッフの意見を取り入れた意思決定プロセス=シェアド・ガバナンスについて考察します。

連載 個人の進化と組織の活性化をもたらす ナラティヴプラクティス・2

  • 文献概要を表示

はじめに

 前回は,「看護実践を語り合う時空間の創造」と題し,ナラティヴプラクティスの内容について述べました。

 安心・安全が保障された自由な時空間で看護実践について語り合ったことが,看護職者にどのような成果をもたらしたのでしょうか。ナラティヴプラクティスに参加した看護職者の「個人の進化」さらには「組織の活性化」とは“具体的にはどのようなことか”—この内容は次号以降に述べるとして,今回は,ナラティヴプラクティスに参加した看護職者たちの成果をどのように捉えていけばよいかをお伝えしていきます。ナラティヴに「評価」はなじまないということをここでお伝えできければと思います。

連載 進化するチーム医療への旅 今求められるレジリエンスとは?・14

  • 文献概要を表示

この連載では,これからの医療現場に必要な「進化するチーム医療」「理想のチーム・組織」のありようについて,主にシステム思考や対話・ダイアログを軸にしながら,読者の皆さんとともに追い求めていきます。

4月号からの「対話を巡る冒険」の3回目となる今回は,ディベート(討論)とダイアローグ(対話)の違いについて掘り下げていきます。

連載 看護師長のための介護保険の基礎知識・6

  • 文献概要を表示

 介護保険制度では,在宅サービス(訪問・通所・短期入所サービス)の大部分を対象として「区分支給限度基準額」(限度額)が定められています。これは介護保険制度の大きな特徴の1つであり,制度の理解に不可欠なポイントです。

連載 人生の終わりの日々のケアを訪ねて・17

  • 文献概要を表示

前回に続き郁代さんのお話です。病院では「自宅退院は無理」と言われ転院したものの,翌日には自宅へ戻り,認知症のある夫との老々二人暮らしを何が支えたのでしょうか。在宅ケアや病院や施設などのサポートの種類や頻度を,家族とケアマネジャーが相談しながら2人の状況変化に応じて柔軟に変えていった様子を,詳しく見ていきます。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・155

  • 文献概要を表示

 人はだれでも,こころのなかに他者に知られたくない“ひみつ”を持っている。“ひみつ”と言うと,ちょっと大袈裟に響くかもしれない。たとえば,私が10歳の頃だったか,いたずらごころで大きなアンズの木の枝に群がる小鳥たちに小石を投げたら,1羽に命中してしまった。小鳥は羽根をバタつかせながら墜落し,すぐ横の田植えが済んだばかりの水田にじゃぼんと落ちてしまった。田んぼは水が張ってあるので,中に入って助けてやることはできない。私は可哀そうなことをしてしまったと胸が痛んだが,そんなことをした自分が恥ずかしくて,家族にも友だちにも話せなかった。今にして思えば,そのことをこころのなかに“ひみつ”としてしまいこんだのだ。

 絵本『ひみつのビクビク』は,主人公の少女「わたし」のこころの“ひみつ”をテーマにした,こころの成長の物語だ。

--------------------

目次

INFORMATION

今月の新刊紹介

バックナンバーのご案内

次号予告・編集後記 石塚 小齋

基本情報

09171355.29.6.jpg
看護管理
29巻6号 (2019年6月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

文献閲覧数ランキング(
7月8日~7月14日
)