看護管理 25巻4号 (2015年4月)

特集 新任看護師長必読! 実践チーム・ビルディング スタッフとともに,成長し続ける病棟・組織をつくる

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昨年初めて企画して好評を得た“新任看護師長必読!”特集の第2弾。今年は「チーム・ビルディング」を取り上げる。本特集では,変革期にある病院看護部が,自立した学習型組織を目指し,成長し続ける病棟・チームをつくるための方法論を実践的に考察する。

前半では,看護チームの持てる力を高め,創造性を豊かにし,ポジティブな病棟をつくるための要素と,そこに求められる看護師長のリーダーシップ行動について,看護師の研究論文から明らかにする。

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現在,看護組織は大きな変革期にあり,質の高いケアのために必要な変化を起こす力,社会の変化に対応する力を持つことが求められている。

本稿では,看護に求められる組織づくりの目標の1つとして,チームのイノベーションを可能にする風土(革新的風土)についての理論を紹介し,成長できる組織とはどのようなものかを提示するとともに,そうした組織づくりにおける看護師長をはじめとするリーダーのあり方について考察する。

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筆者は看護管理者が組織運営や組織変革を行っていく上での有効な方略として「チーム・エンパワーメント」という概念に着目し,「病棟における看護職のチーム・エンパワーメントモデル」の構築に取り組んだ。本稿では,先行して行った文献検討から得られた知見と,チーム・エンパワーメントの促進が病棟にもたらす成果を提示するとともに,本研究を組織運営において実践的に活用するための方法論を考察する。

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保田氏は経営学習論研究の第一人者である中原淳氏の研究室に在籍し,「病棟におけるチームワーク」を研究テーマとしている。本稿では,先行研究から明らかになっている病棟全体や病棟内の看護チームにおける「チームワーク」の実態と効果を示した上で,チームワークを高める病棟づくりとそこに求められる看護師長のリーダーシップについて述べる。

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本稿では,なぜチーム医療において信念対立が起こるのか,その構造を解明した上で,近年筆者が精力的に取り組んできた,体験型で認知の変容を促す教育研修「チーム医療と信念対立解明ワークショップ」の成果から,異質性を前提としたチームビルディングの重要性について解説する。

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医師・看護師の人員不足が続く一方で,高齢社会の中で医療に対するニーズはますます高まっている。そうした状況の中,人員増という解決策だけを追うのではなく,“今いるスタッフで最強のチームをつくる”という発想が求められているのではないだろうか。そこで有効なのが,組織を効率的に運営するための知識・技術としての「ノンテクニカルスキル」である。

筑波大学附属病院で医療者の育成に尽力してきた前野哲博氏は,病院を挙げて各職種がノンテクニカルスキルの習得に取り組むことで,“より強いチームづくり”が可能になるとの考えから,医療機関向けにノンテクニカルスキルについての研修を数多く行ってきた守屋文貴氏と協働して多職種教育プログラムの開発・実践に取り組んでいる。ここでは両氏に,変革期の病院医療を支える多職種連携のありようと,教育プログラムの内容および実践について語り合っていただいた。

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最終目標は共通でも,生じる摩擦

「患者中心の医療」の実現は医療者共通の最終目標ですが,同じ患者さんを見ていても,医師は治療を,看護師は療養生活の支援や退院後の生活支援に焦点を当てたケアを考える,というように,日々の臨床現場では職種ごとの価値観の違いが,時に摩擦を生じさせます。

 筑波大学附属病院(以下,当院)はもともと職種間の垣根が低く,チーム医療が活発な組織ですが,そのような当院においても,多職種対象の研修に参加すると職種による捉え方の違いがあることを感じます。より円滑に多職種がコミュニケーションを行い,さらなる効果的なチーム医療を展開することが課題になっています。

巻頭 うちの師長会・主任会 学習する組織をめざして・16

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「専門性の高い看護サービス」「自律した看護職の育成」「経営参画」を柱に,患者にとって最適な看護を実践する

日本海総合病院(山形県酒田市)は,山形県立と酒田市立の2つの自治体立病院が統合再編した全国初の地方独立行政法人として2008年に発足した。山形県は地域連携パスの先進県でもあり,同院看護部では退院支援をはじめとする専門性の高い看護サービスの提供による経営への積極的参画を目指してきた。本稿では,同院看護部の看護師長,副看護師長による質改善に向けた学習会活動を中心に紹介する。

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 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(以下,DID)は1988年にドイツで生まれた真っ暗闇のソーシャル・エンターテインメント。参加者たちは,白杖を持ち,完全に光を遮断した漆黒の空間に,何人かとグループを組んで入り,暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障がい者)のサポートのもと,中を探検し,いくつかの共同作業(ワーク)を体験します。

 本誌では日本でDIDを開催するダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンとタイアップし,現在,企業のチーム・ビルディング研修としても注目されている「Relational Edutainment」(対話重視型の人間性の回復プログラム)を,10人の医療者の皆さんに体験していただきました。

 視覚が遮断された空間では,先入観を持たず他者を理解しようとしたり,助け合うといった行動が自然に起こり,実社会での自分と他者との関係性や自身の根源的欲求などに気づかされます。

 本稿は参加者とDIDスタッフによる対話の記録です。ワークから得た気づき,変容を語った暗闇での対話を「ダイアログ1」として,暗闇体験後の明るい場所での振り返りのもようを「ダイアログ2」としてご紹介します。暗闇体験で1人ひとりが感じたこと,生まれた気づきとは……。

連載 看護管理の現場を紐解く ミッションを共有し,ともに価値を創り出す組織を目指して・13

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変わった? 変わってない?

 前回(3月号),看護部長選考に際して提出した「抱負」に書いた考えが,4年後の今も基本的には変わっていないことを紹介した。そして,「時と場合によって言うことが違う」と言われるより,「また同じことを言っている」と言われる方が,メッセージを伝えるという意味では成功ではないだろうかと述べた。

 しかし,本当に私は変わっていないのだろうか。次々と新しい課題に直面し,さまざまな他者と関わり,新しい考え方や感性,思いがけない結果に触れて,感激したり,驚いたり,悩んだり,落ち込んだり,喜んだりしながら過ごしてきたこの4年間,やはり何か変わったのではないだろうか。

連載 実践! インストラクショナル・デザイン 効果的・効率的・魅力的な人材育成を目指して・12

参加したくなる研修 浅香 えみ子
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 ここまで,既存の研修をインストラクショナル・デザイン(ID)の方法を使って,再構築してきました。研修スケジュールを決定するまでには,目標や学習課題,方法を決定するための分析に多くのエネルギーを使いました。研修をリニューアルするには,ロバート・メーガー1)の下記の問いに答えてみると,改善のポイントが意外と簡単に見つかります。

“Where am I doing?”(どこに行くのか?):学習目標

“How do I know when I get there?”(たどり着いたかどうかをどうやって知るのか?):評価方法

“How do I get there?”(どうやってそこに行くのか?):教育方法

 IDを用いて研修を効果的・効率的・魅力的にする作業をしてきましたが,院内研修はIDだけで全てが改善できるわけではありません。また,もっとよい方法もあるかもしれません。IDを研修改善の一手段として知っておくと有用だと理解してください。

連載 臨床現場で実践したい「倫理的合意形成」入門・1【新連載】

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 私は,助産師,看護師としての臨床経験をもとに,治療法やケア方法などの意思決定について学問的に研究し,東京工業大学大学院で博士論文「医療現場における意思決定と合意形成に関する研究」をまとめました。現在,大学で看護倫理,生命倫理学,合意形成学,母性看護学の教育,研究を行うとともに,病院の実践者にも2005年から院内研修の一環として,「合意形成」を取り入れた倫理教育を実践しています。

 倫理研修を行った経験を通して感じたことは,実践者の行為に倫理的トラブルが潜んでいるにもかかわらず,それに実践者が気づかないことでトラブルを招く場合があるということでした。

連載 看護事故の舞台裏・16

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冷静になって考えてみれば起こるはずのない異型輸血ですが,看護事故の歴史を振り返ると,輸血ミスはこれまでに何度も繰り返されています。輸血事故の報道がある度に,私たちは輸血に細心の注意を払うのはもちろんのこと,複数のスタッフによる輸血直前のダブルチェックや,電子カルテと連動したバーコード認証などを活用してきました。

 ところがいくら病院内のコンピュータ化が進んでも,輸血の最終場面には人間が介入するため,そこには必ず死角が存在します。そこで連載の16回目は,大学病院と小児病院で起きた異型輸血の舞台裏を追跡して,少しでも死角を減らすための教訓にしたいと思います。

連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・107

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 こども館や幼稚園・小学校などに,絵本の読み聞かせや紙芝居をするために,時折出かける。最近も,ある地方の幼稚園を訪ねたら,昼の給食を食べていた子どもたちが,一斉に私に顔を向けた。40個の可愛いらしい顔が興味津々の表情で,私に視線を向けている。私はハッとなった。何かめずらしい動物が教室に入ってきたと言わんばかりの好奇心に満ちた目だ。私が「見る」というより,「見られている」という“眼圧”が圧倒的に強かったのだ。

 人間が動物園の檻の中にいるゴリラやチンパンジーを見る時,実はゴリラやチンパンジーのほうが,こちらを注意深く見ているのだと気づく人は少ないだろう。《あの子,おれを見て何を考えているのだろうか》などと,観察されているのに。

連載 回り道ナース・13

私たちは看護師だ 松本 圭古
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 去年のこの時期はキューバからお届けしていたように思うが,今回はウルグアイで原稿を書いている。今(2月中旬)はちょうどカーニバルの時期で,ブラジルのリオデジャネイロほど有名ではないが,ここモンテビデオでも連日連夜ジャマーダスという太鼓のグループが市内のあちこちでパレードをしている。街頭に設えられた舞台ではムルガというストリートオペラが演奏されていて大変な賑わいになっている。

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次号予告・編集後記 小齋 笹山

基本情報

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看護管理
25巻4号 (2015年4月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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