連載 看護事故の舞台裏・16
異型輸血に隠れた「焦り」と「認識不足」
長野 展久
1
1東京海上日動メディカルサービス医療本部
pp.358-361
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200170
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冷静になって考えてみれば起こるはずのない異型輸血ですが,看護事故の歴史を振り返ると,輸血ミスはこれまでに何度も繰り返されています。輸血事故の報道がある度に,私たちは輸血に細心の注意を払うのはもちろんのこと,複数のスタッフによる輸血直前のダブルチェックや,電子カルテと連動したバーコード認証などを活用してきました。
ところがいくら病院内のコンピュータ化が進んでも,輸血の最終場面には人間が介入するため,そこには必ず死角が存在します。そこで連載の16回目は,大学病院と小児病院で起きた異型輸血の舞台裏を追跡して,少しでも死角を減らすための教訓にしたいと思います。
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