特別記事
—暗闇のソーシャル・エンターテインメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」医療者版を開催—暗闇体験から見つめ直す,温かな人と人との関係性—視覚以外のさまざまな感覚を駆使して,人の本能や本質に触れる体験
檜山 晃
1
,
浅香 えみ子
2
,
任 和子
3
,
守谷 明子
4
,
佐々木 理恵
5
,
孫 大輔
6
,
土井 賢治
7,8
,
川端 みき
1
,
浅場 香
9
,
志村 季世恵
1
,
鈴木 慈子
1ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン
2獨協医科大学越谷病院 看護部
3京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
4埼玉県総合リハビリテーションセンター 看護部
5武蔵野赤十字病院 看護部
6東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター
7川崎市立川崎病院 救急科
8川崎市立川崎病院 教育指導部
9静岡赤十字病院
pp.330-341
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200166
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「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(以下,DID)は1988年にドイツで生まれた真っ暗闇のソーシャル・エンターテインメント。参加者たちは,白杖を持ち,完全に光を遮断した漆黒の空間に,何人かとグループを組んで入り,暗闇のエキスパートであるアテンド(視覚障がい者)のサポートのもと,中を探検し,いくつかの共同作業(ワーク)を体験します。
本誌では日本でDIDを開催するダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンとタイアップし,現在,企業のチーム・ビルディング研修としても注目されている「Relational Edutainment」(対話重視型の人間性の回復プログラム)を,10人の医療者の皆さんに体験していただきました。
視覚が遮断された空間では,先入観を持たず他者を理解しようとしたり,助け合うといった行動が自然に起こり,実社会での自分と他者との関係性や自身の根源的欲求などに気づかされます。
本稿は参加者とDIDスタッフによる対話の記録です。ワークから得た気づき,変容を語った暗闇での対話を「ダイアログ1」として,暗闇体験後の明るい場所での振り返りのもようを「ダイアログ2」としてご紹介します。暗闇体験で1人ひとりが感じたこと,生まれた気づきとは……。
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