臨床整形外科 30巻1号 (1995年1月)

シンポジウム 長期成績からみたBipolar型人工股関節の適応の再検討

緒言 山室 隆夫
  • 文献概要を表示

 最近カップ関節形成術の術後20年以上の長期成績を調査してみて,その成績がかなり良いことに驚いた.しかし,カップ関節形成術の欠点の1つは関節の可動性が人工股関節置換術のそれに比して明らかに劣ることにある.それでは,セメント固定をする必要のないカップと可動性のよいユニバーサル・ジョイントとを組み合せたBipolar人工股関節はカップ関節形成術と人工股関節置換術の長所を併せ持った素晴らしい人工関節であるかも知れない.日本へBipolar人工股関節がベートマンによって紹介された頃,われわれはこのような期待を持ってこの人工関節を受け入れたのであった.それから15年が経過した.その間にBipolar人工股関節の適応や成績について種々の議論があった.大腿骨頚部骨折や臼蓋の関節軟骨の温存されている大腿骨頭壊死に対してはBipolar人工股関節は良い適応であるということは国の内外を問わず広く受け入れられる意見となり,先進国においてはムーア人工骨頭よりもBipolar人工股関節が最近では多く用いられるようになってきた.

 ところが,変形性股関節症に対して臼蓋をリーミングして関節軟骨を全く除去した上で,Bipolar人工股関節を挿入する方法については研究者によってかなり意見が異なっており,結論は長期成績を観察することができるようになるまで持ち越されてきたと言ってよい.臼蓋リーミングを伴ったBipolar人工股関節の最大の問題点はアウターヘッドのマイグレーションである.

  • 文献概要を表示

 抄録:1980年から1989年までの10年間に当科で行った変形性股関節症に対するBipolar型人工関節置換術66例76関節のうち,術後5年以上経過した52例59関節の臨床成績を検討した.日整会評価基準総点は,術前平均47.3点が5年後には83.7点と改善したが,終診時(平均6年11カ月)80.8点と若干の低下がみられた.評価基準総点が70点未満になった時点をfailureとすると.survival rateは5年目で90%,8年目で73%であった.3mm以上のインプラントの移動は,ステムで28%にみられ,アウターヘッドで67%にみられた.アウターヘッドの移動が高頻度なことより,変形性股関節症に対するBipolar型人工骨頭の適応としては,現時点では寛骨臼の変形の少ない一次性のものや外傷由来のものに限定されるであろう.

  • 文献概要を表示

 抄録:人工関節手術において寛骨臼を移植骨で再建した場合.母床との間の骨癒合が早ければ早いほど,移植骨の着床は早期に完了することが期待できる.各疾患ごとにそのための手術手技を詳述した.

 臼蓋形成不全に伴う変形性股関節症では,適合性を理由に摘出骨頭の関節面を寛骨臼に接触させた場合,提出骨頭の軟骨下骨皮質にドリルで穴を多数穿ったとしても,骨癒合に3~18カ月が必要であった.一方,摘出骨頭の骨髄側骨髄とドリルで穴を穿った寛骨臼とを接触させた場合,骨癒合までの期間は2~4カ月と著明に短縮できた.

 骨移植を用いないで急峻な寛骨臼を掘削するだけで対応したBipolar型人工骨頭置換術では,移植骨の圧潰は起こらない.X線像でのmigrationは,86%が6年で停止して,その距離は術後7~1一年で最大8mm,平均で2mmであった.

  • 文献概要を表示

 抄録:Bipolar endoprosthesis (以下BP)には寛骨臼側のmigrationやinner bearingのimpingimentと,これに伴うpolyethylene debrisの発生など問題点が多い.これに対して,セメントレスタイプであるHarrisGalante Porous人工股関節置換術(以下H/G)の術後成績は良好であり.寛骨臼側に限って言えばH/GはBPより優れている.したがって.寛骨臼側の問題点からBPの適応は関節軟骨と軟骨下骨が温存された大腿骨頭壊死症や大腿骨頚部骨折などであり,慢性関節リウマチおよびリーミングや骨移植を必要とする変形性股関節症には避けるべきである.

  • 文献概要を表示

 抄録:Bipolar型における主として大腿骨側の問題点を調査するため,Bateman型・Osteonics社製HSII型(SM型),同社製FS2N型・Omnifit型(PF型)を比較検討した.術後5年時におけるstable症例はSM型74%,PF型89%に見られ,PF型に有意に多く認められた.しかしながら,stable症例における大腿骨側のosteolysisの発生率はPF型33%,SM型6%とPF型に有意に多く認められた.これはosteonics型のアウターヘッドのセルフセンタリング機構やステムネックの材質の違いによる,多量のポリエチレン粒子等の発生に起因するものと考えられた.したがって現在のBipolar型の構造は活動性の高い症例では大腿骨側のステムの固定性に影響を及ぼすものと考えられた.臼蓋側では,osteolysisの発生は現時点ではリーミング施行の変股症例に限られ,軟骨または軟骨下骨の温存されている大腿骨頭壊死症例では認められなかった,以上より,Bipolar型は臼蓋にリーミング操作を施行しなければならない症例や活動性の高い症例にはその使用は控えるべきである.

  • 文献概要を表示

 抄録:変形性股関節症に対するBateman型Bipolar endoprosthesisの最長14年の長期成績を調査した結果,長期間安定した臨床成績とX線評価を示した群,進行性の上方移動とその合併症を認めた群,さらにUHMWPE debrisによるosteolysisを生じた群が存在した.進行性の上方移動をimplantの材質や手術手技の改良で減少させうるかは大きな課題であり,さらに通常の人工股関節置換術で最大の問題であるUHMWPE debrisによるosteolysisがBipolar endoprosthesisでも同様に生ずる.今後Bipolar型のendoprosthsisが現在の問題点を克服して利点を活かし得るには,一つにはCup関節形成術と同等の長期間の荷重に耐える臼蓋のremodellingの確実な形成条件を明らかにし,二つにはUHMWPEを使用しないか,そのwearを現在よりも著しく減少させることが必要であり,現状ではtime saving methodとしての適応は制限せざるを得ないと考えられる.

  • 文献概要を表示

 明けましておめでとうございます.

 新年の巻頭ページをいただき光栄です.例年,春の日整会学術集会の担当者が書いておられますので,本年4月9―11日パシフィコ横浜で開催予定の第68回の紹介をかねて,春の学術集会について述べたいと思います.

  • 文献概要を表示

 抄録:神経線維腫症に伴う脊柱変形の24例と脊髄腫瘍の8例の治療成績から,その問題点につき検討した.脊柱変形のうち,non-dystrophic typeの変形では,特発性側弯症の治療に準じて行い,良好な成績が得られた.dystrophic typeでは,軽度のpenciling変形を認めるもの以外のすべてに手術適応があるが,dystrophic changeや変形が高度なものに対しては,早期の健常部に及ぶ広範囲な前,後方固定術が必要である.しかし,本脊柱変形では,術後の偽関節の発生や非固定部位の変形の進行に充分注意しつつ,長期にわたる経過観察が必要である.成人期発症例では,椎体自体の変形が高度であることが多く,矯正や骨癒合の獲得が困難である.脊髄腫瘍は多発性,砂時計腫など多彩な形態を呈することが多く,その摘出術に際しては,脊柱変形の合併に特に注意を払うことが重要であり,若年者やdystrophic changeを伴っているものに対しては,常に固定術を考慮すべきである.

手術手技シリーズ 最近の進歩

手の外科

  • 文献概要を表示

はじめに

 キーンベック病Kienböck diseaseは,1910年Kienböckにより初めて記載された疾患で,その本態は,月状骨の血行障害による無腐性壊死と考えられている.月状骨軟化症lunatomalaciaとも呼ばれる.本症の原因については,未だ充分に解明されていないが,反復する慢性外傷による栄養動脈の遮断と推測される.また,橈骨が尺骨より長い,いわゆるulna minus variantのものに多いことから,橈骨関節面から月状骨への圧迫が発症に関与するともされている(図1).

 病期によって治療方針が異なるので,病期の決定は臨床的に重要である.病期分類はLichtmanによるものが一般的である.これは手関節のX線所見によって,次の4つのstageに分けるものである(図2)1)

整形外科英語ア・ラ・カルト・29

  • 文献概要を表示

 今月と来月は,整形外科診療に関係しているショックとそれに関する血液や血管のことを述べる.

●shock(ショック)

 ショックという言葉は,医学的に使う血圧の低い状態以外に,心の衝撃や動揺をも意味し,日常よく使う.江戸時代には,すでに激動や動突という訳語が付けられていた.この言葉の語源を調べてみると,ドイツ語の動詞“schokken、”(衝突する)にさかのぼることができる.これがオランダ語になり,さらにフランス語の“shoquel’”(ショッケ・衝突する)になった.そして名詞形の“shoc”(ショック)が,英語に取り入れられ,現在われわれが使っている.ドイツ語でも“Schock”という.

基礎知識/知ってるつもり

“MFH” 横山 良平
  • 文献概要を表示

 【はじめに】MFHとはMalignant Fibrous Histiocytoma(悪性線維性組織球腫)の略.1964年にO'Brien and Stoutがmalignant fibrous xanthomaとして53例の報告を行ったのを始まりとして,Weissand Enzingerが1977年に80例のmyxoid MFHを,1978年に200例の通常型MFHを発表し,その概念が確立されるや,MFHは軟部肉腫中最も頻度の高い肉腫の一つに数えられるようになった.一方、骨においても,1972年にFeldman and Normanの発表以後大小の報告がなされている.近年,細胞分化や組織起源の視点からMFHの存在に疑問を投げかける向きもあるが,臨床病理学的にはいまだ有用な概念であると思われる.

  • 文献概要を表示

 抄録:今回われわれは斜頚のみを初発症状とし,他の神経学的所見を認めなかった小脳腫瘍の1例を経験したので報告する.

 症例は9歳,女子で,誘因なく斜頚位をとることに母親が気づき,当科を初診した.受診時,頚椎は右側屈左回旋位にて可動域制限を認めたが,他に神経学的異常を認めなかった.直ちに牽引療法を開始し,いったんは軽快したかにみえたがすぐに再発した.精査のためMRIを行い小脳腫瘍を発見した.当院脳外科にて摘出術を施行しその組織型はmedulloblastomaであった.

  • 文献概要を表示

 抄録:ganglionは,日常しばしば遭遇する軟部嚢腫様病変であるが,神経鞘内に発生するものは極めて稀である.今回われわれは,坐骨神経内に発生した1例を経験したので報告する.症例は37歳,男性.1993年2月頃,右殿部痛が出現,同年7月頃より右下肢しびれ感も伴うようになり当科を受診した.腰椎椎間板ヘルニアを疑い精査を行ったが,異常所見は認められず一時退院した.1994年1月症状が増悪したため再入院,その際,右殿部に3cm大の腫瘤に気付き,同腫瘤叩打にて右大腿外側および足背部へしびれ感・放散痛が認められた.MRIにて同腫瘤は,坐骨神経の走行に一致して存在していることがわかり,神経性腫瘍を疑い手術を施行した.手術時,坐骨神経と共通の被膜に包まれ,同神経を圧迫した嚢腫が確認できた.内部よりゼリー状物質が流出したためganglionと判定,これらを切開・排液しさらに被膜の可及的摘出を行った.術後下肢への放散痛は消失し,現在仕事へも復帰している.

  • 文献概要を表示

 抄録:同種血輸血を避けるため54例の整形外科手術に対して術前貯血を行い,その内43例にヘモライト2による術中自己血回収を併用した,エリスロポエチンを使用せず,従来のCPD液を用いた貯血法で平均526g貯血した.術中回収は29例(67%)に可能であって,平均回収量は270mlであった.実際に輸血を必要とした手術は50例であったが,この内で同種血輸血を必要としなかった手術は90%であった.人工股関節全置換術・再置換術に限っても同種血輸血回避率は91%であった.一方,貯血困難であった12例に対する回収式による同種血輸血回避率は25%と低かった.貯血式と回収式の長所短所が相補的で,両者の併用は極めて有効であった.輸血部のない一般病院に適した実施法と思われる.成績向上のための対策および今後の問題点について検討した.

  • 文献概要を表示

 抄録:Klippel-Trenaunay症候群は,静脈瘤,色素性母斑,骨軟部組織の肥大延長などを主徴とする疾患である.本症候群は四肢に血管系異常を伴うが,脊髄髄内血管系異常の合併は稀である.今回われわれは,本症候群に脊髄髄内血管腫を合併した1例を経験したので報告する.症例は23歳女性.20歳の時両下肢麻痺が出現し,翌年対麻痺となった.症状は改善したが,歩行障害,膀胱直腸障害が残存し当院に入院した.MRIや脊髄造影でTh6高位に髄内病変を認め,手術を施行した.脊髄は腫大し,境界明瞭な暗赤色の腫瘍を認めた,術中,モニタリングの電位が消失したため,部分摘出で手術を終了した.病理組織診断は血管腫であった.本症例は発症後3年で手術治療を行ったためか,良好な結果が得られなかった.本症候群に合併した髄内血管腫に対しては,発症後早期に手術治療を行うことが必要と考えている.

  • 文献概要を表示

 抄録:頚椎頭蓋底陥入を伴った先天性脊椎骨端骨異形成症の治療を経験した.症例は48歳女性.主訴は四肢の筋力低下と歩行困難.初診時,四肢の痙性麻痺と知覚障害を認めた.身長118cm上肢指尖間距離122cmと体幹短縮型の小人症であった.X線上,汎扁平椎,椎体終板不正,大腿骨頭頚部の短縮と内反等の先天性脊椎骨端骨異形成症の特徴を示し,また,C4C5C6の癒合と歯突起形成不全,頚椎頭蓋底陥入を示した.出生時よりの低身長,学童期よりの高度近視と飛蚊症,尿中ケラタン硫酸が検出されないことを考え合わせ,先天性脊椎骨端骨異形成症と診断した.神経症状は頚椎頭蓋底陥入によるものと考え,ハローベストにて牽引した後8cmのHartshill rectangle rodとLuque wireを用いて後頭頚椎固定を施行し,症状の改善を見た.

  • 文献概要を表示

 抄録:われわれは環軸椎間不安定症および後頭顆異形成のため斜頚と神経症状を呈したDown症候群に対し,Alligator plateを利用した後頭骨軸椎間後方固定術を行い良好な結果を得た,症例は5歳女児.神経症状としては軽度の排尿障害および深部腱反射の亢進を伴い,単純側面X線像および断層撮影では歯突起はos odontoideumを呈し,occipital condyleは異形成を示し後頭骨環椎関節面は扁平化していた.機能撮影では軽度の前屈にて環椎前弓は歯突起より8mmの前方偏位が見られ環軸椎間不安定症を呈していたが,後頭顆異形成による後頭骨環椎間不安定症は明らかでなかった.MRIでは環軸関節レベルで脊髄の前後からの圧迫所見が認められた.治療は腸骨からの移植骨とAlligator plateを用いた後頭骨軸椎間後方固定術を施行し,術後6カ月で移植骨と後頭骨,環椎,軸椎の癒合が見られ,斜頚および排尿障害もなく経過良好である.

  • 文献概要を表示

 抄録:我々は正中神経縫合後に手関節掌側部痛を呈した症例に対して,外からの機械的刺激から神経を保護することを目的として逆行性方形回内筋弁形成術を施行した.症例は21歳,女性,左前腕手関節掌側部に手術瘢痕を認め,創周囲正中線上に強い叩打痛があり,正中神経領域には知覚低下が認められた.正中神経の縫合部を中心として有連続性の神経腫の形成があり,神経剥離術後その神経腫を覆うようにして挙上した方形回内筋弁を縫着した.術後1年現在で神経欠落症状の改善は明らかではないが,疼痛は消失している.手関節掌側の連続性を持った神経腫の疼痛に対し,逆行性方形回内筋弁は有用な術式である.

  • 文献概要を表示

 抄録:チタン合金製rodとwireを用いたLuque SSI法の手術症例を経験したので.その治療成績.術後MRI対応など検討した.対象症例は男5例,女16例で手術時年齢は23~78歳(平均53.2歳).原疾患は転移性脊椎腫瘍6例,RA頚椎病変5例,脊椎カリエス4例,その他6例であった.手術高位は後頭骨―頚胸椎8例,胸椎11例,腰椎2例であった.後頭骨―頚椎間には4mm径のloop型を,胸腰椎には5mm径のrectangular型rodを当科で独自に作成して使用した.術後経過観察期間は6カ月~2年8カ月であった.全例に骨癒合が得られ,rodおよびwireの折損,偽関節例はなかった.MRI撮像に際しての合併症もなく,術後MRI画像ではrodとwireがスライスに含まれる部位ではその質量に応じてartifactが著しく,その矢状断像および横断像での椎弓部,椎間関節部の読影は困難であったが,rodやwireと重ならない正中部矢状断像および横断像では椎体,椎間板,脊柱管内,脊髄の読影は十分可能であった.

  • 文献概要を表示

 抄録:われわれは14年という極めて長い透析歴を持つ患者に合併した脊髄腫瘍の1例を経験した.患者は47歳,女性で大腿骨頚部骨折に対し人工骨頭置換術後,経過観察中に両下肢痛が出現し,MRIにて脊髄腫瘍を認めたため,当科入院し腫瘍摘出術を施行した.本症例の診断に際しては,原疾患の糖尿病による種々の合併症に加え10年を超える透析歴を考慮し,術前検査として侵襲性の少ないMRIのみを用いその脊髄疾患に対する有用性を確認した.また当院の人工腎臓部をはじめとする各科の協力のもと,術前・術後の全身状態のコントロールを図った.今後このような透析患者の整形外科的疾患に対する手術例は増加していくものと思われる.

  • 文献概要を表示

 抄録:悪性腫瘍の手指骨への転移は極めて稀である.悪性腫瘍が手指骨に転移した2例を経験したので報告した.症例1は胃癌のため胃全摘術を受けた後,右第四中手骨に骨転移をきたした.疼痛と腫瘍増大による恐怖感が強く右環指列切除術を行った.症例2は肺癌のため化学療法を受けていたが右母指末節骨に転移をきたした.腫脹,疼痛が強く基節骨レベルでの左母指切断術を行った.

 悪性腫瘍の指骨転移は文献によれば0.1~0.3%で,末節骨,中手骨に多く,原発巣は肺癌が最も多く,胃癌は極めて少ない.予後が悪いため治療は対症的であり多くの場合指切断の適応となる.

  • 文献概要を表示

 抄録:外傷性対麻痺後に生じた脊椎神経病性関節症(Charcot spine)の1例を経験した.症例は42歳女性,1990(平成2)年8月26日,4階より飛び降り,Th12/L1の脱臼骨折によるL1以下の完全対麻痺となった,他医で整復固定術後,当院でリハビリテーションを行っていた.1992(平成4)年10月頃より,背部痛と胸腰部の後弯変形がみられ,坐位保持が不能となり.X線上L4,5の骨硬化と骨吸収および椎間の高度不安定性を認めた.感染の所見なく,Charcot spineと診断し,1993(平成5)年1月19日,L4―S1の前方固定とCDIを用いたPedicle Screw法による後方固定を一期的に行い,良好な骨癒合を得た.外傷性脊髄麻痺後のCharcot spineは極めて稀であり,高度の不安定性を認めるため,脊柱再建にはインストルメントを併用した前方後方による強固な固定を行う必要がある.

基本情報

05570433.30.1.jpg
臨床整形外科
30巻1号 (1995年1月)
電子版ISSN:1882-1286 印刷版ISSN:0557-0433 医学書院

文献閲覧数ランキング(
6月22日~6月28日
)