Japanese
English
臨床経験
坐骨神経内に発生したganglionの1症例
A Case Report of Intraneural Ganglion of the Sciatic Nerve
目 昭仁
1,2
,
小谷 博信
1
,
三木 堯明
1
,
千束 福司
1
,
原 聖
1
,
中川 泰彰
1
,
杉田 光
1
,
中川 偉文
1
,
関 賢二
1
,
上尾 豊二
1
Akihito Sakka
1,2
1玉造厚生年金病院整形外科
2山口大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tamatsukuri Kosei-Nenkin Hospital
キーワード:
神経内ガングリオン
,
intraneural ganglion
,
坐骨神経
,
sciatic nerve
Keyword:
神経内ガングリオン
,
intraneural ganglion
,
坐骨神経
,
sciatic nerve
pp.67-70
発行日 1995年1月25日
Published Date 1995/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901545
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抄録:ganglionは,日常しばしば遭遇する軟部嚢腫様病変であるが,神経鞘内に発生するものは極めて稀である.今回われわれは,坐骨神経内に発生した1例を経験したので報告する.症例は37歳,男性.1993年2月頃,右殿部痛が出現,同年7月頃より右下肢しびれ感も伴うようになり当科を受診した.腰椎椎間板ヘルニアを疑い精査を行ったが,異常所見は認められず一時退院した.1994年1月症状が増悪したため再入院,その際,右殿部に3cm大の腫瘤に気付き,同腫瘤叩打にて右大腿外側および足背部へしびれ感・放散痛が認められた.MRIにて同腫瘤は,坐骨神経の走行に一致して存在していることがわかり,神経性腫瘍を疑い手術を施行した.手術時,坐骨神経と共通の被膜に包まれ,同神経を圧迫した嚢腫が確認できた.内部よりゼリー状物質が流出したためganglionと判定,これらを切開・排液しさらに被膜の可及的摘出を行った.術後下肢への放散痛は消失し,現在仕事へも復帰している.
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