増大号特集 できる整形外科医になる! 臨床力UP,整形外科診療のコツとエッセンス
2章 治療
骨折に対する牽引の種類,適応,その実際
髙木 泰孝
1
Yasutaka TAKAGI
1
1市立砺波総合病院脊椎・脊髄病センター
1Spine Center, Tonami General Hospital
pp.580-586
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202650
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Point!
●牽引は,骨折部に長軸方向に持続的に張力を加えることで整復位にすること以外に,筋肉・骨膜が副子の役割をすることで,固定方法にもなる.
●牽引の種類には①徒手牽引(manual traction),②介達牽引(indirect traction),③直達牽引(direct traction)がある.
●介達牽引:皮膚を介して絆創膏やスポンジラバーを使用して牽引する方法で簡便であるが,骨に伝わる力が弱く水疱形成や循環障害などの合併症を生じる欠点がある.
●直達牽引:骨に直接Kirshner鋼線を刺入し,鋼線緊張弓を介して牽引する方法で,強い牽引力が得られる.鋼線刺入部の感染徴候,末梢の神経障害,冷感,疼痛の増強などを観察する必要がある.
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