胃と腸 46巻3号 (2011年3月)

今月の主題 免疫不全状態における消化管病変

序説

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はじめに

 消化管は外来抗原に直接曝露される臓器であるため,免疫不全状態など全身性の免疫異常状態においては消化管に病変が好発する.臨床的には,免疫不全状態において消化管病変を早期診断することは,特に免疫不全により患者の全身状態が重篤である場合,早期の治療開始に結びつくため極めて重要である.また,近年増加している後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome ; AIDS)の無症候性患者を診療する機会も増加しているため,消化管病変から免疫不全状態を予測,診断することも重要である.

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要旨 原発性免疫不全症(PID)は,新分類となって免疫調節障害や易感染性を示さない自己免疫性疾患も組み込まれるようになり,150以上の異なった病型が知られる疾患群で,重症度も疾患により異なる.PIDの消化管病変は感染症,スプルー様病変,多彩な潰瘍性病変,悪性腫瘍などがみられ,反復・遷延する重篤な感染や遺伝子欠損,変異などによる上皮再生傷害などが重要な役割を果たしている.臨床的には免疫不全状態における消化管病変を早期に診断すること,逆に消化管病変から免疫不全状態を予測することも重要である.免疫不全に伴う消化管病変を診断する際には,各疾患の病変成立機序を考慮し,起こりうる消化管病変の肉眼形態の特徴などを的確にとらえることが重要である.

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要旨 免疫不全状態では多彩な消化管病変を形成するが,本稿では代表的な免疫不全状態であるHIV感染症および造血幹細胞移植後にみられる消化管生検所見に関して記載した.HIV感染症では,様々な日和見感染症の他,ウイルスの関与する2次性腫瘍の発生頻度も高く,多様な病態を念頭に置きながら診断すべきである.造血幹細胞移植に関連する腸管GVHD,TMAの生検診断には問題点が多く,臨床的な転帰を踏まえてそれぞれの診断根拠の検証を行う必要がある.

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要旨 HIV感染症例における上部消化管病変検索のため,2004年8月から2010年8月までに,HIV患者226例に458件の上部消化管内視鏡検査を施行した.病理組織学的に確認された病変は,CMV感染症33例(15%)42病変,HSV感染症5例(2%),ジアルジア症2例(0.9%),Kaposi肉腫16例(7%),他に,カンジダ症36例(16%),特発性食道潰瘍3例(1.3%)であった.CMV感染では,食道病変が最も多く76%にみられたが,中~下部食道に多い特徴的な打ち抜き潰瘍は,20%にしかみられなかった.CMVの胃病変は,全例体下部~前庭部に存在し,1cm程度の円形~楕円形びらんの多発病巣が2/3を占めていた.Kaposi肉腫の94%は多発例であり,胃病変が81%と最も多くみられた.10mm以下の小病変が約60%を占めており,鮮紅~暗赤色,暗紫色,暗褐色などの色調が混在する円形や楕円形の粘膜下腫瘍様隆起であった.また,多発隆起の62%は,陥凹や潰瘍を伴っていた.HIV感染症例で上部消化管病変を有する症例では,いずれもCD4値の低下を伴っており,CD4値の低下に伴う日和見感染のために,複数の疾患の混合感染例もみられた.

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要旨 HIV感染症患者で頻度が高いCMV腸炎,アメーバ性大腸炎,肛門部尖圭コンジローマ,Kaposi肉腫,悪性リンパ腫について述べ,特にCMV腸炎,アメーバ性大腸炎についてはHIV陽性群の特徴について対照と比較検討した.HIV陽性CMV腸炎は8例全例が男性で,CD4陽性T細胞数は全例200/μl以下であった.HIV陽性群では男性,潰瘍性大腸炎様の内視鏡像を示す症例が有意に多く,穿孔例や血中antigenemia陽性率が高い傾向がみられた.HIV陽性アメーバ性大腸炎はCD4陽性T細胞数は9例中5例が200/μl未満,2例が500/μl未満,2例が500/μl以上であり,劇症例はすべて200/μl以下であった.アメーバ性大腸炎のHIV陽性群はHIV陰性群に比べて有意に男性同性愛者,劇症例,重症例が多かった.重症例が多い理由は免疫不全の関与が考えられた.

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要旨 ATL/Lの上部消化管病変について,自験例238例を対象として検討した.ATL細胞浸潤による消化管病変は臓器特異性があり,胃では混在型が,十二指腸では多発隆起型が多くみられた.B細胞性リンパ腫や,T細胞性リンパ腫と比較すると,多発性,びまん性の傾向がみられた.他臓器の癌が10.1%と高頻度に合併しており,免疫能の低下が関与していると推察された.上部消化管の日和見感染は1.3%にみられ,下部消化管の日和見感染や腫瘍細胞浸潤を合併した症例では,死に至る重篤な状態を引き起こしていた.良性病変は35.8%に認められ,なかでも消化性潰瘍が8.03%と高頻度に合併していた.

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要旨 本稿では成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATL/L)患者の小腸・大腸における消化管病変の特徴を中心に概説した.ATL/LはHTLV-1感染に起因するTリンパ球系のリンパ増殖性疾患である.ATL/Lは臓器浸潤傾向が強く,消化管へも比較的高率(22.7~50%)に浸潤がみられる.ATL/Lに伴う小腸病変は,自験例では消化管浸潤のみられた40例中7例(17.5%)に小腸浸潤を認めた.肉眼型においては,自験例では腫瘤形成型が多かったが,本邦報告例では多発隆起型が最も多く,多発性・びまん性病変が特徴とされている.ATL/Lに伴う大腸病変は,自験例では消化管浸潤のみられた40例中10例(25%)に大腸浸潤を認めた.肉眼型では諸家の報告同様,多発隆起型が最も多く,小腸同様多発性・びまん性病変が特徴とされている.この要因として臓器間でのリンパ装置の多寡が関与していると推測されている.また,ATL/Lは,HTLV-1のキャリヤーとなった時期から,既にT細胞性の軽度の免疫不全状態となっており,比較的病初期からサイトメガロウイルスや糞線虫感染などの日和見感染を併発しやすく,この日和見感染症により死に至る症例も多く,消化管感染症に対しても十分に注意を払う必要がある.

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要旨 同種造血幹細胞移植後に生じるGVHD(graft-versus-host disease)は,移植特有の合併症である.消化管病変は,主として急性GVHDでみられ,下痢は消化管GVHDのほぼ全例で起こる.消化管での好発部位は,上部では胃,下部では回腸末端~深部結腸とされ,その内視鏡像は,浮腫,発赤,びらん,潰瘍など非特異的であり,内視鏡像のみでの診断には限界がある.前治療の影響や感染症の合併は,より病態を複雑化するため,臨床所見に加え生検による病理診断が重要である.

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要旨 ステロイドホルモンやインフリキシマブなどの免疫抑制治療を行っている炎症性腸疾患(IBD)患者では感染症合併のリスクが高い.実際,IBD患者において,腸管感染症を合併すると,複雑な病態を示し診断に難渋するとともに,再燃,重症化,難治化の要因となり,しばしば問題となっている.IBDに合併する主な腸管感染症としては,サイトメガロウイルス,ノロウイルス,Clostridium difficile,サルモネラ,カンピロバクター,赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫,糞線虫,クリプトコッカスなどが挙げられる.臨床所見や内視鏡所見から積極的に腸管感染症合併を疑い,それぞれに応じた適切な診断と治療が必要である.

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要旨 HIV感染者は,日和見腫瘍として悪性腫瘍を発症しやすい.その中でもKaposi肉腫が多く,その病因はhuman herpesvirus-8感染である.〔症例1〕は23歳男性で,十二指腸から上部空腸にKaposi肉腫が認められた.病変は肺にも拡がっており,HAART(highly active antiretroviral therapy)と抗癌剤(pegylated liposomal doxorubicin)を併用したが,肺病変の進行により,入院5か月後に死亡した.〔症例2〕は35歳男性で,食道~上行結腸にかけて広範囲にKaposi肉腫が認められた.HAART単独で改善し,1年後の内視鏡検査で病変は消失した.消化管Kaposi肉腫は赤紫色調の粘膜下腫瘤であり,比較的特徴的な内視鏡像を示す.

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要旨 患者は54歳,男性.主訴は下痢,全身倦怠感,体重減少,両下腿浮腫.精査加療のため入院し,検査成績上,著明な低蛋白血症を認め,腹部造影CTで全小腸と右側大腸の浮腫性肥厚と多発性の腸間膜リンパ節腫大を認めた.上下部消化管内視鏡検査では十二指腸第2部と終末回腸にびまん性に白色絨毛を認め,十二指腸のNBI拡大観察では正常な絨毛構造の不明瞭化を認めた.カプセル小腸内視鏡検査では全小腸に白色絨毛,発赤を認めた.十二指腸と終末回腸からの生検では粘膜固有層に多数の泡沫状マクロファージを認め,PAS染色強陽性であった.以上より,Whipple病が強く疑われたため,診断的治療としてCTRX(ceftriaxone)を2週間投与し,その後はST合剤内服に変更した.抗菌薬の投与によって低蛋白血症は改善傾向となり,さらに,治療継続5か月後の内視鏡検査で治療前にみられた白色絨毛の消失を認めた.

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要旨 患者は40歳代,男性.急性白血病に対して非血縁者間骨髄移植が施行された.移植後20日より発熱と心窩部痛が出現し,上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部は浮腫のみであったが,生検で上皮細胞のアポトーシスが認められ消化管GVHDと診断された.メチルプレドニゾロンを投与するも改善せず,1日10行に及ぶ水様下痢も出現した.また,移植後75日のバルーン小腸内視鏡検査では空腸と回腸に多発性不整形潰瘍と粘膜脱落が認められた.症状はステロイドに加え各種免疫抑制剤にも抵抗性であったため,移植後77日よりインフリキシマブを投与したところ,腹痛と下痢は速やかに軽快した.病態把握に小腸内視鏡は有用であり,インフリキシマブ投与は難治性GVHDに考慮すべきと考えられた.

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 〔患 者〕 60歳代,男性.

 〔既往歴〕 高血圧.

 〔現病歴〕 以前より心窩部痛を時々自覚していた.2008年10月の健診内視鏡で胃病変を指摘され,11月に当科を紹介され受診となった.

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要旨 患者は51歳,男性.便潜血陽性で行った大腸内視鏡検査で,脾彎曲部にブドウの房状に集簇する炎症性ポリープと浮腫性の狭窄を認めた.6か月後にはポリープと狭窄は消失していたが,その10か月後の注腸X線検査で鋸歯状変化を伴う再度の狭窄所見を認めた.伸展性が良好で粘膜面は浮腫の所見であること,膵炎の既往があることから,膵炎による大腸狭窄の可能性を考えCTを施行したところ,慢性膵炎が下行結腸に波及する像を認めた.保存的治療により,2か月後および4か月後の再検では狭窄は軽減していたが炎症性ポリープの再形成を認めた.膵炎による大腸狭窄で内視鏡像の変化と炎症性ポリープの消長を観察しえたまれな症例と考えられた.

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1 概念,病態

 十二指腸脂肪腫は比較的まれな十二指腸良性腫瘍であり,弾性軟な粘膜下腫瘍の形態を呈する.本邦における十二指腸良性腫瘍の頻度はBrunner腺腫,平滑筋腫,腺腫が全体の約75%を占め,脂肪腫は3.5%と少ない1).臨床症状として腹部症状,消化管出血,狭窄症状を呈する例もあるが,無症状で偶然発見されることも多い.

 十二指腸脂肪腫117例を集計した報告2)によると,男性 : 女性=40 : 76(不明1),平均年齢 : 61(22~83)歳,発生部位 : 下行部59例,球部35例,水平部14例,上行部1例,不明8例,形態 : 有茎性74例,無茎性22例,不明21例,平均腫瘍径 : 2.7(0.7~15)cmと報告されている.

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 2010年7月31日に第11回臨床消化器病研究会がグランドプリンスホテル新高輪で開催された.「消化管の部」と「肝胆膵の部」に分かれ,「消化管の部」では主題1.咽頭 : 「中・下咽頭領域の表在癌の内視鏡診断」,主題2.胃 : 「陥凹性病変の内視鏡診断─通常内視鏡から拡大観察まで」,主題3.大腸 : 「大腸炎症性疾患の診断」の3セッションが行われた.

早期胃癌研究会

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 2009年10月の早期胃癌研究会は10月21日(水)に笹川記念会館国際会議場にて開催された.司会は山野泰穂(秋田赤十字病院消化器病センター)と細川治(国家公務員共済組合連合会横浜栄共済病院),病理は江頭由太郎(大阪医科大学第一病理)が担当した.画像診断教育レクチャーは,九嶋亮治(国立がん研究センター中央病院病理)が「上部消化管の病理診断と特殊染色」と題して行った.

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 2010年7月の早期胃癌研究会は7月30日にグランドプリンスホテル新高輪にて開催された.司会は小野裕之(静岡県立静岡がんセンター内視鏡科)と大川清孝(大阪市立住吉市民病院消化器内科),病理は菅井有(岩手医科大学分子診断病理学)が担当した.画像診断レクチャーは,八尾建史(福岡大学筑紫病院内視鏡部)が「胃粘膜におけるNBI併用拡大内視鏡像の成り立ちと診断体系(VS classification system)」と題して行った.

学会印象記

IBD Ahead 2010 久松 理一
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IBD Aheadとは

 2010年9月24~25日の2日間にわたってベルギー,ブリュッセルにおいてIBD Ahead 2010が開催された.このミーティングは世界36か国のIBD(inflammatory bowel disease)診療のエキスパートたちが一堂に会し,IBDマネージメントに関する諸問題のグローバルコンセンサスを作成するというものである.IBD AheadとはCrohn病のより良好なコントロールを目指すなかで既存治療を最適化して患者の良好なコントロールを目指すこと,客観的なパラメータを用いることで治療の標準化を図ること,を目指して立ち上がったプロジェクトである.欧州のメンバーが中心であるが,現在は米国,南米,西アジアなど多くの国々が参加し,東アジアからは今回日本が参加した.

 IBD Ahead 2010では特に既存治療の最適化を目指して,ステロイド,免疫調節薬,生物学的製剤の使用方法についてなど日常診療で遭遇する課題が中心となった.

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欧文目次

「今月の症例」症例募集
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 「今月の症例」欄はX 線,内視鏡写真など形態学的所見が読めるようにきちんと撮影されている症例の掲載を目的としています.珍しい症例はもちろん,ありふれた疾患でも結構ですから,見ただけで日常診療の糧となるような症例をご投稿ください.

早期胃癌研究会 症例募集
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早期胃癌研究会では検討症例を募集しています.

画像のきれいな症例で,

・比較的まれな症例,鑑別が困難な症例.

・典型例だが読影の勉強になる症例.

・診断がよくわからない症例.

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 今にして思えば,1973年はわが国の炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)元年であった.この年,厚生労働省(旧厚生省)による「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班」(以下,研究班)が発足し,わが国におけるIBDの調査研究が本格的にスタートした.当時,IBDは国内ではほとんど知られておらず,特にクローン病は未知の疾患であった.しかし,現在も存続しているこの研究班の継続的な活動のおかげで,今やIBDはふつうの疾患(common disease)になった.消化管の専門家がいる医療機関なら,日本中どこでもIBDの診断が可能で,ガイドラインに基づいた均一な治療が行われるようになったのは,ひとえにこの研究班の活動の賜物であると言ってよい.厚労省からは班員,班協力者を選ぶ際に,できるだけ全国からまんべんなく選んで,研究よりは勉強の機会を多くの医師に与えてほしいという要望があった.研究会は全国から集まった消化管専門の医師であふれていたが,そのほとんどはIBDに関しては素人同然であった.もっとも,教える側(?)の班員のレベルも今から比べると大したことはなかったのだが.しかし,厚労省のこの方針はIBDの診断・治療の均てん化の推進に大いに役立った.研究班の大きな課題の1つはIBDの診断基準と治療ガイドラインの作成であったが,この仕事は着々と改訂が進められ今やほぼ定着したと言ってよい.病態の解明も著しく進展したが,病因の解明は核心により接近したとはいえ,残念ながらいまだ解決に至っていない.手術適応,手術法についても研究班の努力でほぼ一定の見解が得られている.数ある難病研究班の中で,IBD研究班は最も成功を収めた班の1つと言ってよいと思う.

 班研究の成果は毎年報告書として提出され,全国の主たる医療機関に配布されるが,一般病院にその情報が伝達されるのはさらに2~3年のタイムラグがあるのがふつうである.多くの場合,医学的商業雑誌の特集がその役割を果たしていた.このタイムラグを短縮するために筆者がIBD班長期間(1991~1995年)の成果をまとめて成書にしたのは1999年のことであり,それなりの役割を果たしたと思う.本書は日比班(2002~2007年)の成果を同様の主旨でまとめたもので,“IBD診療・研究のための決定版"と銘打っただけあって,大変よくまとめられた有用な成書であり,前書から10年の進歩の跡がよくわかる.治療法として6MP,アザチオプリン,シクロスポリン,白血球除去療法,抗TNF-α抗体(レミケード®)などが日常診療の中に登場し定着したのは大きな進歩である.また,手術療法が特に潰瘍性大腸炎において,病気との決別の最後の手段として確固たる地位を占めるようになったことは大きな意味がある.生体の免疫異常が病因・病態に関与していることは明白であり,最後の詰めができていないことは残念であるが,今後の班研究の成果を待つことにしよう.日比班を継ぐ渡辺班の粘膜上皮再生をターゲットにした研究に大いに期待したい.

第17回「白壁賞」論文募集
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 「胃と腸」編集委員会では,故白壁彦夫先生の偉業を讃え,「白壁賞」を設け,優秀な研究・論文を顕彰しております.今回は「白壁賞」の論文を下記の要領で公募いたしますので,奮ってご応募ください.英文誌に発表された消化管の形態・診断学に関する論文が応募の対象となります.

学会・研究会ご案内

投稿規定

編集後記 松本 主之
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 「胃と腸」誌において,6年ぶりに免疫不全状態における消化管病変が特集された.項目の一部は前回の特集号と重複しているが,本号のいずれの論文においても,比較的まれな病態が美麗な画像とともに詳細に記載されており,充実した内容となっている.

 本号の導入部として,斉藤は免疫不全状態を理路整然と分類し,各病態における消化管病変の特徴を端的に要約している.続いて,村野ら,比島らは臨床ないし病理の立場から免疫不全と消化管の関係を総論的に論じている.まず,村野論文は免疫不全状態を原発性と続発性に大別し,それぞれにおける消化管病変の特徴を解説している.特に,続発性免疫不全状態における非感染性病変の記述は臨床医にとって重要な情報と言える.一方,比島論文では免疫不全状態における生検病理所見が述べられており,なかでもHIV(human immunodeficiency virus)感染症とGVHD(graft-versus-host disease)における病理所見の多様性が示されている.以上の3論文を熟読することで,読者は免疫不全とそれに関連した消化管病変を総論的に理解できるであろう.

次号予告

基本情報

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胃と腸
46巻3号 (2011年3月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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