胃と腸 図譜
十二指腸脂肪腫
河内 修司
1
,
小林 広幸
1
,
川崎 啓祐
2
,
蔵原 晃一
2
,
平橋 美奈子
3
1福岡山王病院消化器内科
2松山赤十字病院胃腸センター
3九州大学大学院形態機能病理学
pp.336-339
発行日 2011年3月25日
Published Date 2011/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102163
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1 概念,病態
十二指腸脂肪腫は比較的まれな十二指腸良性腫瘍であり,弾性軟な粘膜下腫瘍の形態を呈する.本邦における十二指腸良性腫瘍の頻度はBrunner腺腫,平滑筋腫,腺腫が全体の約75%を占め,脂肪腫は3.5%と少ない1).臨床症状として腹部症状,消化管出血,狭窄症状を呈する例もあるが,無症状で偶然発見されることも多い.
十二指腸脂肪腫117例を集計した報告2)によると,男性 : 女性=40 : 76(不明1),平均年齢 : 61(22~83)歳,発生部位 : 下行部59例,球部35例,水平部14例,上行部1例,不明8例,形態 : 有茎性74例,無茎性22例,不明21例,平均腫瘍径 : 2.7(0.7~15)cmと報告されている.
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