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編集後記
松本 主之
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1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
pp.365
発行日 2011年3月25日
Published Date 2011/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102170
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「胃と腸」誌において,6年ぶりに免疫不全状態における消化管病変が特集された.項目の一部は前回の特集号と重複しているが,本号のいずれの論文においても,比較的まれな病態が美麗な画像とともに詳細に記載されており,充実した内容となっている.
本号の導入部として,斉藤は免疫不全状態を理路整然と分類し,各病態における消化管病変の特徴を端的に要約している.続いて,村野ら,比島らは臨床ないし病理の立場から免疫不全と消化管の関係を総論的に論じている.まず,村野論文は免疫不全状態を原発性と続発性に大別し,それぞれにおける消化管病変の特徴を解説している.特に,続発性免疫不全状態における非感染性病変の記述は臨床医にとって重要な情報と言える.一方,比島論文では免疫不全状態における生検病理所見が述べられており,なかでもHIV(human immunodeficiency virus)感染症とGVHD(graft-versus-host disease)における病理所見の多様性が示されている.以上の3論文を熟読することで,読者は免疫不全とそれに関連した消化管病変を総論的に理解できるであろう.
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