胃と腸 38巻3号 (2003年3月)

今月の主題 食道癌と他臓器重複癌―EMR時代を迎えて

序説

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 食道癌は同時性・異時性に多発する傾向があるだけでなく,他臓器にも悪性腫瘍を有することが少なくない.食道癌の早期発見が可能となり,食道を失うことなく内視鏡治療によって治癒し,QOL の高い長期生存が可能となった.日本国内では 1999 年に 207 例の食道癌が EMR で治療されたと登録され,それらの 40 か月の生存率は 84.9 % であった1).この症例群の死亡例 14 例の死因を検討すると原病死したものは 1 例のみであり,早期に適切な診断が下されれば食道癌は致命的とはならない時代を迎えた.しかし今度は他臓器癌がその予後に大きな影響を与える可能性が生じてきた.食道癌に合併しやすい他臓器癌(食道癌取扱い規約では食道多重癌と呼称する)としては頭頸部(なかでも下咽頭がよく知られている),胃,大腸の報告が多いが,この他にも様々な臓器に発生する.このような特性を踏まえて食道多重癌の生物学的特徴,多重癌を念頭に置いた集学的な診断と治療および治療後のサーベイランスのあり方が問題点として浮かびあがってきた.食道粘膜癌の急速な発見数の増加は本邦のこれまでの研究の成果である.幸い毎年,日本食道疾患研究会の全国集計が全国の多くの施設の協力でなされている.因みに 1999 年の集計1)では 191 施設による集計で内視鏡により治療された(EMR が主治療)食道癌に合併した他臓器重複癌は Table 1 のごとく報告されている.圧倒的に胃癌が,次いで咽頭部癌が同時・異時性とも多い.また頭頸部癌でも組織型が扁平上皮癌である以上,これまで主に食道癌で検討されてきた粘膜癌が頭頸部にも存在するはずである.最近では消化器内視鏡医が頭頸部癌の EMR をも施行する傾向にある.EMR の対象となりうる食道癌をより効率よく拾い上げるには,どのような対応が必要か.他臓器癌と合併する食道癌には食道だけに発生する癌と部位,形態,年齢,性差などに何か違いがあるのか,carcinogenetic field の概念からもう一度食道癌を見直し,その実体を明らかにさせ,1 例でも多く EMR で対応し臓器温存を図る努力が必要である.他臓器癌との兼ね合いから食道多重癌に対して診断・経過観察・治療についていかに対応すべきかが本号では言及されるであろう.

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 食道扁平上皮癌患者の他部位との重複癌を種々の面より検討した.発生率を部位別,期間別に一般人との O/E 比を検討した結果,頭頸部(特に口腔・咽頭)が最も有意に発生率が高く,術後 10 年以上でも有意に高かった.数が多かった胃癌は,O/E 比でみると 1 年未満のみに有意な差がみられ,術後の精密検査のための発生率の高さと思われた.食道多発癌は頭頸部との重複癌が有意に多かった(p=0.001).まだら食道は非まだら食道に比べて有意に多発癌が多く(p=0.0440),頭頸部との重複癌も多い傾向にあった(p=0.0598).喫煙・飲酒は重複癌の要因として重要であった.以上の結果より,食道癌患者は特に頭頸部を中心に 10 年以上にわたって経過観察が必要であると結論した.またこれらを予防するには,禁煙が重要であると思われた.

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 頭頸部癌患者3,000人に色素内視鏡を行い8.7%に食道癌が発見された.重複癌317例で同時性60.9%,異時性頭頸部癌先行28.1%,異時性食道癌先行10.1%であった.頭頸部癌の占居部位は下咽頭41.9%と最も多かった.喫煙率は77.6%,Brinkmann index1053.0,飲酒率は83.0%,Sake index104.1であった.肉眼型では0-IIc47.3%,0-IIb20.5%,長径では11~20mmが30.7%と最も多く,深達度ではm1,m2 が49.1%を占めた.食道不染帯の数はまだら食道が29.3%と最も多く,食道多発癌は32.8%に認めた.治療方法ではm1,m2の58.7%にEMRが施行され,m3,sm1の54.8%,sm2,sm3の76.6%に手術が施行された.また全体の12.0%に放射線・化学療法が施行されていた.

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 食道粘膜切除220例(m癌196,sm癌24)を対象に他臓器重複癌の検討を行った.他臓器癌合併は81 例(37%),男性 75 例,女性6例であった.初回治療病巣が単発例は61例(75%),多発例は20例(25 %)であった.他臓器重複癌症例の食道癌深達度は,m1~2 61例(75%)、m3~sm1 18 例(22%),sm2以深 2例(3%)であった.他臓器癌合併には,①他臓器癌先行25例,②同時性他臓器癌合併34 例,③異時性他臓器癌合併37例があり,合併時期を問わず,食道癌を含め2臓器癌は61例(75%),3 臓器癌は18例(22%),4臓器癌は2例(3%)であった.他臓器重複癌としては,胃癌35,頭頸部癌31(下咽頭癌13,中咽頭癌6,喉頭癌5,口腔底癌3,舌癌3,口蓋癌1),大腸癌11,肺癌9,肝臓癌6,前立腺癌4,膵臓癌3,子宮癌2,乳癌,胆囊癌,腎臓癌,膀胱癌,尿管癌各1例であった.異時性他臓器癌を発見時期で分けると,粘膜切除後3年以内が20例(47%),3~5年が13例(30%),5年以降が10例(23%)であった.他臓器重複癌例の死亡例は22例(27%), 他病死11例,癌死11例であり,治療拒否の1例が食道癌にて死亡,5例は同時性他臓器癌で死亡,5例は異時性他臓器癌にて死亡した.

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 当院で根治目的放射線化学療法(chemoradiotherapy ; 以下CRT)が施行された他臓器重複癌(重複癌)合併食道癌症例44例について,頻度や治療法およびその治療成績を報告した.重複癌の発見時期は同時性が34例,antecedent tumor が8例,subsequent tumor が8例であった.

部部位でみると,胃24(43.6%),頭頸部17(30.9%),大腸4(7.3%)と続いた.同時性胃癌19例のうち 6例で胃癌の治療が先行され,13例でCRTが先行された.5例に無病生存が得られたが,8例が食道癌死で死亡例の57%を占めた.同時性頭頸部癌11例は頭頸部に進行例が多かったため9例で頭頸部癌手術が先行された.食道・頭頸部癌両方とも治癒したのは3例のみで,5例が食道癌死,3例が頭頸部癌死であった.CRT後 subsequent tumor の発生は,CRT後CR例の蓄積と長期的観察による検討が必要であろう.食道癌に対するCRTが普及してきた現在、重複癌合併食道癌に対する CRT は,食道癌の根治性を考慮した治療戦略が重要であると考えられた.

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 食道癌と他臓器重複癌は食道癌1,317例の約30%に認められる.90%以上が二重複癌であったが三重複癌以上の多重複癌が約9%に認められた.相手臓器として頭頸部癌が最も多く約40%,次いで胃癌が26%,大腸癌が11%であった.食道癌外科的根治術例335例では63例18.8%に,EMR例348例では110例31.6%に重複癌が認められた.外科的根治術例で重複癌の頻度が低いのは他臓器重複癌が根治可能のときのみ外科手術が施行されるためと思われた.また,外科的根治術例では同時性重複癌が8.3%であるのに比べ,異時性重複癌が10.4%と多く,食道癌術後に発生したものが多かった.食道癌も治る癌の仲間入りをしたようである.頭頸部癌との重複癌では下咽頭癌36.0%と最も多く,次いで舌癌 22.7%,喉頭癌14.0%であった.頭頸部癌のスクリーニングで1,320例から食道癌は165例12.5%発見されているが,同様に下咽頭癌が35.8%,舌癌が23.0%を占めた.頭頸部癌で発見された食道癌の85%が表在癌であった.

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 食道癌患者の術前術後に内視鏡による系統的スクリーニング検査を行い,17例20病変(47~81歳,男性15例,女性2例)の下咽頭の表在性の癌を発見した.そしてこのうちの13例18病変と前治療後の再発再燃例2例に対して全身麻酔下に内視鏡治療を行った.方法として食道表在癌に行うのと同様の内視鏡的粘膜切除術(EMRC 法,np-EEM 法)あるいはアルゴンプラズマ凝固法を単独で行うかあるいは併用した.広範囲の4病変は局所の再発再燃を認め,追加治療を要した.また2例では頸部リンパ節再発に対して頸部郭清術が行われた.有害事象として咽頭痛は必発である.その他,誤嚥性肺炎,喉頭浮腫,陰圧肺水腫,遅発性後出血があった.初発で内視鏡治療を行った13例の観察期間は5~75か月(中央値47か月)で,下咽頭癌による死亡例はないが,2例が他臓器癌で死亡し,2例が他病死した.この方法は表在性の下咽頭癌に対する QOL の損なわれない治療法として有望であるが,局所制御効果や安全面での改善が必要であり,集学的治療の一手段として位置づけられる.

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 本研究では,アルコール依存症男性の食道ヨ-ド染色検診で診断した食道扁平上皮癌患者143例を対象に、食道内多発癌と口腔咽喉や胃の重複癌のリスクを,アルコール代謝酵素の遺伝子多型との関連から検討した.48例に同時性食道内多発癌を認め,同時性多発癌のオッズ比は,アルデヒド脱水素酵素-2(ALDH2)ヘテロ欠損型で2.54倍(95% CI=1.20-5.39)となった.22例に異時性原発食道癌を認め,ALDH2ヘテロ欠損者と同時性多発癌患者で,その発生率が高く,ハザード比はそれぞれ3.61倍(1.20-10.8)と3.12倍(1.28-7.61)であった.口腔咽喉や胃の同時性重複癌は21例,異時性重複癌は16例で認めた.ALDH2ヘテロ欠損者と同時性多発癌患者で累積重複癌発生率が高い傾向にあり,ALDH2ヘテロ欠損型と ADH 2 非活性型の両者を有する者で有意に累積重複率が高かった.特に下咽頭領域では,これらの関連がすべて有意で強かった.大酒家の多発重複食道発癌は,アルコール代謝酵素遺伝子多型と関連した高度のアセトアルデヒド暴露と関連すると考えられた.

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 患者は74歳,男性.2001年2月に当センターの間接食道・胃同時集検を受診.食道には異常を指摘できなかったが,噴門部後壁に隆起性病変とその下方に広がる淡いバリウム斑を指摘され,要精密検査となった.精密検査の上部消化管内視鏡検査にて,胸部中部食道にヨード不染を示す褪色調の病変を認め,また,噴門部後壁には不整な陥凹性病変と,胃角部小彎にわずかに褪色調の平盤状隆起を認めた.食道は深達度 m1の多発病変と診断し,内視鏡的粘膜切除術を選択した.噴門部の病変は表層拡大型の sm 癌と術前診断したため,胃全摘術を選択した.全割標本での病理検索にて,8か所に胃癌を認めた.食道癌は多発傾向を有すると同時に,他臓器重複癌の頻度も高いことから,常にその可能性を考慮して検査を行うことの重要性を改めて認識させられた.

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 症例は65歳,女性.貧血の精査目的にて入院.上部消化管内視鏡検査にて,切歯から30cm の左側後壁に白斑を認め,同部はヨード不染を呈し,0-IIa 病変を認めた.EMR が施行され,病理組織学検査では深達度 m1の扁平上皮癌であった.また,小腸造影検査にて回腸に約 5 cm の管外に発育した中心潰瘍を伴う粘膜下腫瘍を認め,手術が施行された.病理組織学検査,免疫組織化学的検査にて,gastrointestinal stromal tumor(GIST), combined smooth muscle-neural type, malignant と診断した.なお,術前の胸部 CT 検査にて,左肺 S4 に 18 mm の腫瘤陰影を認めた.肺癌が疑われ,後日手術が施行された.病理組織学検査にて,高分化乳頭腺癌と診断された.食道癌,肺癌,小腸 GIST の同時性三重複悪性腫瘍の報告はなく,まれな症例と考えられた.

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 患者は70歳の男性で,食事と無関係の胸焼けを主訴に当院を受診した.胃内視鏡検査で胸部中部食道に凹凸不整な発赤域を認め,同部はヨード染色に不染性であり生検の結果は高分化型扁平上皮癌であった.同病変に対して2チャンネル法による内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行い,最終的な病理組織の結果は,一部 m3に浸潤する高分化型扁平上皮癌であった.十分な informed consent の上に追加治療は行わず,その後の経過観察で特に遺残を疑わせる所見を認めなかった.しかし EMR13か月後より突然右季肋部痛を自覚するようになり,胆管細胞癌が発見された.食道癌の治療成績向上のためには,頭頸部腫瘍ばかりでなく全身の悪性疾患合併を念頭に置いた診断と経過観察が必要であると考えられた.

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 患者は66歳,男性.進行食道癌と早期胃癌の診断で,1993年6月左開胸開腹下部食道胃全摘術施行した.経過観察中,早期頬粘膜癌が発生し,1995年3月他院口腔外科にて腫瘍切除術施行された.1995年6月より,遺残食道に粘膜内癌が異時性に多発し,計4回5病変に対し内視鏡的粘膜切除術(EMR)施行し治療しえた.頭頸部癌と食道癌の同時性・異時性重複癌の発生頻度は高いとされており,頭頸部および食道の定期的な検査は必須と言える.そのことが早期の癌の発見につながり,低侵襲な治療が可能となる.

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 〔患 者〕73歳,女性.1999年11月下旬より歩行時の動悸,息切れが出現した.12月10日他医を受診し貧血を指摘され,12月17日当院紹介となった.現症は結膜の貧血,脊柱前彎,下腿の浮腫を認めた.血液検査ではRBC216×104/mm3,Hb5.5g/dl,Ht 19.6%と小球性低色素性貧血を認めた.腫瘍マーカーは CEA3.1ng/mlであった.

 〔上部消化管内視鏡所見〕 初回検査(1999年12月20日)では門歯列より28~31cm の食道後壁に約1/3周の白苔で被われた汚い陥凹を認め,周囲の隆起が目立った(Fig.1a).陥凹辺縁の生検で腺癌と診断された.PPI 投与後の再検査(2000年1月11日)では陥凹底の白苔は概ね消失し,右壁の結節が目立っていた(Fig.1b).門歯列より18~20cm の上部食道の管腔のなかなか広がらない部位に前回確認できなかった squamo-columnar junction(SCJ)があり(Fig.1c, d),Barrett 食道と診断した.門歯列より33cm に開大した esophago-gastric junction(EGJ)があり,それより肛門側は大きな食道裂孔ヘルニアとなっていた(Fig. 1 e).

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 2002年10月24日(木)から27日(日)まで関連5学会による日本消化器関連学会週間(DDW-Japan 2002)がパシフィコ横浜で開催され,わが国の DDW も10 年の歴史を刻むこととなった.初日はあいにくの小雨模様であったが,連日多数の参加があり,日本における消化器疾患研究者の裾野の広さとこの領域への関心の高さがうかがわれた.その中で,第44回日本消化器病学会大会(小林健一会長,金沢大学大学院医学系研究科消化器内科)と第64回日本消化器内視鏡学会総会(税所宏光会長,千葉大学大学院医学研究院腫瘍内科学)の演題から食道関係の話題に関して印象を述べさせていただく.

 連日掲示されたポスター演題は自由な時間帯にゆっくり見て歩くことができ,メモや写真をとることも容易で,勉強する側には最も優れた発表形式だと思えた.食道関係の演題から拾ってみると,Barrett 食道,GERD(gastroesophageal reflux disease),悪性腫瘍,良性腫瘍,食道 EMR や新技術,その他などの項目で多くの研究成果が報告されていた.珍しい良悪性疾患の症例報告やEMRの更なる技術的工夫,Helicobacter pyloriとGERDの関係など,常連的な演題はもちろん,Barrett 食道の拡大観察や狭帯域フィルター内視鏡システムの報告なども多くなってきていた.内視鏡関連では,機器の進歩が研究をリードする状況は相変わらずであったが,それだけに最新の機器を持たない施設からの独創的な研究報告にはインパクトがあると感じられた.

消化管造影・内視鏡観察のコツ

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はじめに

 早期胃癌研究会で提示される症例は,(1)まれな症例,(2)診断に苦慮した,または臨床・病理学的に問題のある症例,(3)画像の美しい典型的な症例,に分類され,提示症例は(1)と(2)が多いようである.これら,いずれの症例も,その呈示の仕方一つで,会場の全員に深く記憶されるようなすばらしい症例となったり,症例自体はすばらしいものの,症例の価値がわかりにくく,残念ながら参加者の記憶に残らない症例も多く経験するところである.研究会で症例を提示するときに最も重要な点は,呈示症例の問題点を明らかにすること.また,その問題点を討論するに十分な画像資料を準備することである.

早期胃癌研究会

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 2002 年 9 月の早期胃癌研究会は9月18日(水)に東商ホールで開催された.司会は川口実(国際医療福祉大学附属熱海病院内科)と横山善文(名古屋市立大学医学部第1内科)が担当した.また,第8回白壁賞・第27回村上記念「胃と腸」賞の授賞式が行われた.

 〔第1例 69歳,男性.食道胃接合部に発生した隆起性低分化型腺癌(SM3)(症例提供 : 市立釧路総合病院内科・消化器科 奥田博介).

 X線,内視鏡の読影は加藤(都立駒込病院内科)が担当した.

 X線診断は食道胃接合部の隆起性病変で,胃のひだが隆起の肛門側まで認めることより,少なくとも隆起の肛門側は胃の粘膜であるとした.隆起そのものは口側には表面凹凸があり,肛門側は表面平滑,その中間はそれほどの変化ではなく3つの様相を呈しているので癌であると読影した.組織型については隆起の肛門側は胃の上皮に接しているが,口側は扁平上皮に接しているので扁平上皮癌か腺癌か決める根拠がないので,X 線診断としては食道胃接合部の隆起性癌にとどめておくとした.深達度は側面写真がないが,丈の高い隆起であり SM massive と読影した.小山(佐久総合病院胃腸科)は部位からして異所性胃粘膜あるいは食道噴門腺由来の腺癌,扁平上皮癌としたら表面平滑であるので carcinosarcoma も鑑別に入れる必要があるとした.深達度は0-Iであり SM massive と診断した.

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 2002年10月の早期胃癌研究会は10月16日ヤクルトホールで行われた.司会は,樋渡信夫(いわき市立総合磐城共立病院)と長南明道(JR 仙台病院消化器内視鏡センター)が担当した.mini lecture は斉藤裕輔(旭川医科大学第 3 内科)が「米国における表面型大腸腫瘍の頻度と重要性」と題して行った.その一部は Gastroenterology 120 : 1657-1665, 2001に掲載されている.

 〔第1例 67歳,女性.scirrhous に浸潤した転移性大腸癌(症例提供 : 社会保険中央総合病院消化器科 阿部剛).

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 2002年11月の早期胃癌研究会は11月20日(水)に一ツ橋ホールで開催された.司会は長南明道(JR 仙台病院消化器内視鏡センター)と牛尾恭輔(国立病院九州がんセンター)が担当した.mini lecture は,「経口小腸 X 線検査のコツと有用性」と題して八尾恒良(福岡大学筑紫病院消化器科)が行った.検査理論とともに,見事な小腸 X 線像に裏付けされた多くの症例を使って,長年にわたる先生の研究の一端を示され,聴衆者に大きな感銘を与えた.

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 2002年12月の早期胃癌研究会は,12月18日(水)に東商ホールで開催された.司会は三木一正(東邦大学大森病院第1内科)と田中信治(広島大学光学医療診療部)が担当した.mini lecture は渡辺英伸(新潟大学分子・病態病理)が「食道胃接合部とバレット食道」と題して行った.

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 短期間に自然消失した悪性リンパ腫の3例を報告する.生検で悪性リンパ腫と診断され,初回検査から70日後,23日後,26日後に胃亜全摘術が施行され,手術標本の詳細な検討がなされたが,悪性リンパ腫細胞の残存はみられなかった.いずれの症例も,初回の形態が潰瘍を有する隆起性病変であり,潰瘍化により腫瘍が脱落し,自然消失に至ったものと考えられた.

これで学んだ画像診断

私の― Crohn 病― 中野 浩
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 消化管の診断に携わっていると,必ず,あの一枚といった X 線,内視鏡フィルム,また,切除標本,病理組織写真などがあるはずです.

 その一枚が消化管の診断に関心を持つきっかけとなったもの,ある疾患の診断と治療に取り組む出発点となったもの,その疾患の病態を現すものと知り基礎的研究に取り組む原点となったものなどがあります.

 そうした写真を供覧し,その写真から学んだこと,その写真にまつわるエピソード,その写真のその後などを語る欄です.

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欧文目次

編集後記 星原 芳雄
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 内視鏡的粘膜切除術(EMR)可能な食道癌の内視鏡像が明らかにされ,早期発見がかなり進んできた.これらの成績を左右する要因の 1 つが多発癌や重複癌である.重複癌の頻度については本文を参照していただきたいが,食道に連続した胃や下咽頭の癌の合併が多いので食道癌ばかりに気をとられず,この部分も注意深く観察する必要がある.下咽頭癌については最近表在癌の内視鏡的形態がよく把握できるようになり,EMR 可能な病変が発見できるようになってきている.食道癌の重複癌や多発癌は同時性はもちろんのこと,異時性に発生することも多く,食道および食道以外の臓器の経過観察を確実かつ計画的に行うことが必要である.重複癌の存在を絶えず念頭に置いて検査することが,食道癌治療成績を向上させる 1 つの大切な条件である.これらは食道癌の外科治療や放射線治療の成績にも大きく関係する重要な病変である.

 ところで日本食道疾患研究会では“多重癌"と呼称し,他では“重複癌"と呼んでいるが,これら用語の統一が必要である.

基本情報

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胃と腸
38巻3号 (2003年3月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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