学会印象記
DDW-Japan 2002(第10回日本消化器関連学会週間)―食道に関するテーマを中心に
河野 辰幸
1
1東京医科歯科大学食道・胃外科
pp.316
発行日 2003年3月25日
Published Date 2003/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100880
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2002年10月24日(木)から27日(日)まで関連5学会による日本消化器関連学会週間(DDW-Japan 2002)がパシフィコ横浜で開催され,わが国のDDWも10年の歴史を刻むこととなった.初日はあいにくの小雨模様であったが,連日多数の参加があり,日本における消化器疾患研究者の裾野の広さとこの領域への関心の高さがうかがわれた.その中で,第44回日本消化器病学会大会(小林健一会長,金沢大学大学院医学系研究科消化器内科)と第64回日本消化器内視鏡学会総会(税所宏光会長,千葉大学大学院医学研究院腫瘍内科学)の演題から食道関係の話題に関して印象を述べさせていただく.
連日掲示されたポスター演題は自由な時間帯にゆっくり見て歩くことができ,メモや写真をとることも容易で,勉強する側には最も優れた発表形式だと思えた.食道関係の演題から拾ってみると,Barrett食道,GERD(gastroesophageal reflux disease),悪性腫瘍,良性腫瘍,食道EMRや新技術,その他などの項目で多くの研究成果が報告されていた.珍しい良悪性疾患の症例報告やEMRの更なる技術的工夫,Helicobacter pyloriとGERDの関係など,常連的な演題はもちろん,Barrett食道の拡大観察や狭帯域フィルター内視鏡システムの報告なども多くなってきていた.内視鏡関連では,機器の進歩が研究をリードする状況は相変わらずであったが,それだけに最新の機器を持たない施設からの独創的な研究報告にはインパクトがあると感じられた.
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