早期胃癌研究会
2002年9月の例会から
川口 実
1
,
横山 善文
2
1国際医療福祉大学附属熱海病院内科
2名古屋市立大学医学部第1内科
pp.379-381
発行日 2003年3月25日
Published Date 2003/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100889
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2002年9月の早期胃癌研究会は9月18日(水)に東商ホールで開催された.司会は川口実(国際医療福祉大学附属熱海病院内科)と横山善文(名古屋市立大学医学部第1内科)が担当した.また,第8回白壁賞・第27回村上記念「胃と腸」賞の授賞式が行われた.
〔第1例 69歳,男性.食道胃接合部に発生した隆起性低分化型腺癌(SM3)(症例提供 : 市立釧路総合病院内科・消化器科 奥田博介).
X線,内視鏡の読影は加藤(都立駒込病院内科)が担当した.
X線診断は食道胃接合部の隆起性病変で,胃のひだが隆起の肛門側まで認めることより,少なくとも隆起の肛門側は胃の粘膜であるとした.隆起そのものは口側には表面凹凸があり,肛門側は表面平滑,その中間はそれほどの変化ではなく3つの様相を呈しているので癌であると読影した.組織型については隆起の肛門側は胃の上皮に接しているが,口側は扁平上皮に接しているので扁平上皮癌か腺癌か決める根拠がないので,X線診断としては食道胃接合部の隆起性癌にとどめておくとした.深達度は側面写真がないが,丈の高い隆起でありSMmassiveと読影した.小山(佐久総合病院胃腸科)は部位からして異所性胃粘膜あるいは食道噴門腺由来の腺癌,扁平上皮癌としたら表面平滑であるのでcarcinosarcomaも鑑別に入れる必要があるとした.深達度は0-IでありSM massiveと診断した.
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