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Stomach and Intestine(Tokyo) Volume 60, Issue 1 （January 2025）

胃と腸 60巻1号（2025年1月発行）

Japanese English

今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症

症例アトラス

PPI/P-CAB関連胃症 PPI/P-CAB-associated Gastric Lesions 山崎健路 ¹ , 小澤範高 ¹ , 九嶋亮治 ² Kenji Yamazaki ¹ ¹岐阜県総合医療センター消化器内科 ²滋賀医科大学医学部病理学講座（人体病理学部門）キーワード： proton pump inhibitor , PPI , potassium-competitive acid blocker , P-CAB , ガストリン , parietal cell pseudohypertrophy , parietal cell protrusion Keyword: proton pump inhibitor , PPI , potassium-competitive acid blocker , P-CAB , ガストリン , parietal cell pseudohypertrophy , parietal cell protrusion pp.42-46

発行日 2025年1月25日 Published Date 2025/1/25

DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010042

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参考文献 Reference

疾患の概要

　Post H. pylori（Helicobacter pylori）時代を迎え，本邦では主に逆流性食道炎をはじめとする酸関連疾患に対する治療薬として，プロトンポンプ阻害薬（proton pump inhibitor ; PPI）やカリウムイオン競合型酸阻害薬（potassium-competitive acid blocker ; P-CAB）が広く用いられている．PPI/P-CAB関連胃症として，「胃炎の京都分類改訂第3版」^1）では胃底腺ポリープ，腺窩上皮型過形成性ポリープ，多発性白色扁平隆起，敷石状粘膜，ひび割れ粘膜（Fig.1），黒点，発赤，白点（Fig.2），蜘蛛の巣様粘液と数多くの内視鏡所見が記載されている．PPI/P-CAB関連胃症の内視鏡所見は近年遭遇する頻度が高く，H. pylori胃炎を含め，他の胃炎との鑑別をするうえでもぜひ知っておきたい所見である．本稿ではH. pylori胃炎との鑑別を要することが多いと思われる，発赤・蜘蛛の巣様粘液所見に絞って，鑑別すべき病態とあわせて症例を提示する．