整形・災害外科 68巻7号 (2025年6月発行)

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特集　安全な脊椎・脊髄手術のための術中脊髄モニタリング

扉吉田　剛 68巻7号 , 2025年6月 , pp.740-740

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本誌では2008年に四宮謙一先生が「脊髄機能モニタリングの最近の進歩」と題する特集を組まれ17年が経過した。その間，低侵襲側方侵入固定術や高齢者に対する脊柱矯正固定術など新しい脊椎術式が導入され，術中神経障害の潜在的リスクが増している。脊椎・脊髄を救う手術で麻痺が生じては本末転倒である。患者さんの麻痺を予防し，安全な脊椎・脊髄手術を陰で支える術中脊髄モニタリングは，外科医にとって潜水艦のソナーに等しい。アクティブソナーが経頭蓋刺激・運動誘発電位（transcranial stimulation motor evoked potential）ならば，パッシブソナーは自発筋電位（continuous EMG）であろう。術中脊髄モニタリングは国を守る潜水艦同様，患者，術者を守ることができる数少ないモダリティである。

術中脊髄モニタリングの歴史と現在のスタンダード安藤　宗治 68巻7号 , 2025年6月 , pp.741-750

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要旨：脊椎脊髄手術の進歩に伴い，術中に脊髄障害を防ぐための術中脊髄モニタリング（IOM）が発展してきた。現在，IOMのゴールドスタンダードは運動路の評価としての経頭蓋刺激・運動誘発電位（Tc-MEP），感覚路の評価としての体性感覚誘発電位（SEP）である。さらに，運動路の評価には経頭蓋刺激・脊髄誘発電位（Tc-SCEP）や脊髄刺激・運動誘発電位（Sp-MEP），感覚路の評価に脊髄刺激・脊髄誘発電位（Sp-SCEP）も時として用いられる。また，神経根機能のモニタリングとして，自発筋電図（sEMG），椎弓根スクリュー刺入時に利用するtriggered EMG，神経鞘腫の手術に用いられる直接神経刺激・運動誘発電位（Dn-MEP）などが挙げられる。このようにIOMには複数の手法が存在するが，術後神経障害の発生を低下させるためには，術中モニタリングの各手法の特性をよく理解し，症例ごとに最適な方法を組み合わせることが重要である。

モニタリング機材と手術室安全対策高谷　恒範 68巻7号 , 2025年6月 , pp.751-759

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要旨：術中神経生理モニタリング（IONM）は，神経機能をリアルタイムで評価し，術中の神経損傷を予防するための重要な技術である。手術の精度と安全性を向上させるためには，迅速かつ正確な波形解析を行い，外科医に適切なフィードバックを提供することが求められる。その運用には，機器の適切な配置・点検や多職種間の円滑なコミュニケーションが必要不可欠である。一方で，それらを維持・実践する上では，技術面・精神面において少なからず負担が生じることも多い。これらの課題に対処するため，安全チェックリストの導入や対応マニュアルの策定，波形認識トレーニングの実施，波形低下・消失時の対応フローチャートの活用などが有効である。特に波形低下・消失時の対応チェックリストは，術中の異常波形検出時の対応を標準化し安全性向上に寄与する。また，多職種間での情報共有を強化し，教育効果を高めるとともに，信頼性の向上にもつながる。IONMの成功には，術前のモニタリング準備，適切なモニタリング手法の選択，偽陽性の除外が重要である。さらに，正確な情報伝達と信頼関係の構築が医療体制の効率化を実現するために不可欠である。IONMの信頼性を高めるためには，チーム全体での継続的な改善と教育が求められる。

経頭蓋刺激・運動誘発電位とその精度高橋　雅人 , 里見　和彦 68巻7号 , 2025年6月 , pp.761-766

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要旨：経頭蓋刺激・運動誘発電位（Tc-MEP）は皮質脊髄路に由来する運動系脊髄モニタリングに属するモダリティの一つである。日本脊椎脊髄病学会脊髄モニタリング委員会では，アラームポイントとして振幅70％以上低下を提唱した。本アラームポイントは，後縦靱帯骨化症（OPLL），脊髄腫瘍，脊柱変形手術で高い精度をもっている。一方，ほかの手術では，感度が低く，特に術前麻痺が存在する例はその適応に注意を要する。しかし，すべての症例において術後麻痺発生率を低下させている。Tc-MEPは，脊髄機能をすべて反映するものではない。したがって，マルチモダリティモニタリングは必須である。この電位は変動しやすいため，マルチトレイン刺激や末梢神経テタヌス刺激が解決策として挙がる。そのほか，神経根モニタリングの検出率が劣ることやanesthetic fade現象を弱点として認識すべきである。

マルチモダリティによる術中脊髄モニタリング -―組み合わせとその考え方― 重松　英樹 , 川崎　佐智子 , 高谷　恒範 , 宮林　知誉 , 川口　昌彦 , 田中　康仁 68巻7号 , 2025年6月 , pp.767-770

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要旨：マルチモダリティな術中脊髄モニタリングとは，様々なモニタリング法の組み合わせで実施することを指す。実臨床では経頭蓋刺激・運動誘発電位（Tc-MEP）と体性感覚誘発電位（SEP）の組み合わせが多い。この組み合わせはTc-MEPで脊髄前角，神経根，ならびに皮質脊髄路を監視し，SEPで脊髄後索を監視する。運動路と感覚路を両方監視でき，脊髄を横断的に評価できる。一方で，運動路の監視であるTc-MEPと経頭蓋刺激・脊髄誘発電位（D-wave）の組み合わせは，運動路をより重厚にモニタリングでき，術後の運動麻痺発生を防止する能力が高いモニタリング手法といえる。この組み合わせは脊髄レベルの手術で有効である。術者はどのような医原性の神経損傷が生じる可能性があるかを考え，個々の症例に応じた最適なモニタリング法を選ぶ必要がある。

後縦靱帯骨化症に対する術中脊髄モニタリング舩場　真裕 , 鈴木　秀典 , 藤本　和弘 , 西田　周泰 , 寒竹　司 , 坂井　孝司 68巻7号 , 2025年6月 , pp.771-780

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要旨：後縦靱帯骨化症（OPLL）は，特に胸椎レベルで術中神経合併症のリスクが高く，脊髄モニタリングの果たす役割は極めて重要である。経頭蓋運動誘発電位（Tc-MEP）を用いた術中脊髄モニタリング（IONM）は，運動機能のリアルタイム評価と迅速な介入を可能とし，術後の神経学的悪化を予防する有用な手段として広く認識されている。本稿では，頚椎および胸椎OPLL手術症例を対象に，Tc-MEPの導出法，アラート発生のタイミング，波形悪化のリスク因子，術中体位の工夫，およびレスキュー手技の有効性について概説した。頚椎手術においては，C5麻痺などの上肢麻痺に対するTc-MEPの感度は限定的である一方，下肢麻痺に対しては高い予測精度を示す。胸椎手術では，除圧操作やインストゥルメンテーション関連手技，さらには体位変換時にも波形悪化が観察され，アラート発生のタイミングと適切な介入（除圧，矯正操作，一時中断，体位管理など）が波形回復に有用な手段である。Tc-MEPのベースライン波形振幅より70％以上振幅低下は，高い診断精度を有するアラーム基準として確立されており，術中の早期対応によって神経合併症の予防に寄与する。本稿は，OPLL手術における実践的なモニタリング戦略を提示することで，手術の安全性と治療成績のさらなる向上を目指すものである。

成人脊柱変形手術に対する術中脊髄モニタリング黒須　健太 , 吉田　剛 , 後迫　宏紀 , 松山　幸弘 68巻7号 , 2025年6月 , pp.781-785

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要旨：成人脊柱変形手術は骨切り，矯正などの複雑な手技を伴い，神経障害のリスクが高いため，リスク低減が課題である。術中脊髄モニタリングは，特に経頭蓋刺激・運動誘発電位（Tc［E］-MEPs）を用いることで，高い感度・特異度をもち，神経障害の予防に有用である。アラームは，変形矯正操作時（56.1％），スクリュー刺入時（12.3％），脊椎短縮・骨切り時（10.5％）で多く発生する。矯正時には神経根障害が最も多く発生し，特に椎体骨切り時に神経根が圧迫を受けやすい。また，側方経路腰椎椎体間固定術（LLIF）による間接除圧後の狭窄や，小児側弯症例の矯正時には脊髄障害のリスクがある。レスキュー操作としては，矯正を解除しロッドを抜去する，スクリューの再確認，追加除圧の実施などがある。アラームポイントの基準値（ベースライン波形と比較して70％以上の振幅低下）には議論の余地があり，感度向上と偽陽性率とのバランスが課題である。麻酔科や検査技師との連携も重要である。

脊髄髄内腫瘍に対するリアルタイムモニタリング藤原　靖 , 村上　欣 , 荒川　保雄 68巻7号 , 2025年6月 , pp.787-794

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要旨：脊髄髄内腫瘍摘出術は脊髄そのものを切開するため，脊椎脊髄手術の中でも麻痺の危険性が最も高く，術中神経モニタリングが重要とされる手術である。手技や機械の進歩によって波形の記録そのものは飛躍的に楽にできるようになったが，波形の解釈とそれに基づいた対策法には依然，問題が残されている。筆者は症例を重ねるうちに単一アラーム基準を用いた評価に限界を感じ，カラーグレーディング法を考案した。この方法では，振幅低下の程度を容易に認識できるだけでなく，その段階での麻痺の発生率を知ることで適切な対処法を選択する助けとなると考えている。2022年には日本光電社と共同で同社の神経モニタリング機器に搭載する自動カラーグレーディング機能を開発しており，簡便に使えるようになった。

術中神経生理学的モニタリングの偽陽性アラームおよび偽陰性症例の理解と対応後迫　宏紀 , 吉田　剛 , 安藤　宗治 , 重松　英樹 , 松山　幸弘 68巻7号 , 2025年6月 , pp.795-800

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要旨：術中神経生理学的モニタリング（IONM）は術中神経損傷を予防するために必要不可欠である。一方で，偽陽性（FP）アラームや偽陰性（FN）症例が発生する可能性がある。FPアラームでは実際の神経損傷がないにもかかわらずアラームが検出され，術者に混乱を与える可能性がある。また，FN症例では術中神経損傷が見逃されるため，安全性を損なう危険性がある。これらを防ぐには複数のモダリティを併用したmultimodal IONMが有効であり，モダリティの理解や適切な麻酔管理が重要である。さらに，アラーム発生時にはフローチャートに基づく段階的対応が推奨され，それにより麻酔薬や生理的要因，刺激装置の問題に伴うFPアラームを鑑別できる可能性がある。FN症例を減らすためには，適切な記録条件を維持し，モニタリング筋数の増加やアラームポイントの調整が求められる。IONMの精度向上には，さらなる研究と技術の発展が必要不可欠である。

転移性脊椎腫瘍に対する術中脊髄モニタリング世木　直喜 , 中島　宏彰 , 今釜　史郎 68巻7号 , 2025年6月 , pp.801-807

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要旨：転移性脊椎腫瘍は最も一般的な骨転移であり，治療の進歩はがん患者の生存期間を改善し，それに伴って転移性脊椎腫瘍の治療機会が増加している。今回，転移性脊椎腫瘍に対し姑息的手術を適応する場合の術中脊髄モニタリングの特徴や実情について調査した。多施設研究の結果，転移性脊椎腫瘍に対する術中脊髄モニタリングの特徴は導出困難例が多いことで，術前に徒手筋力テスト（MMT）3以下の筋力低下があること，脊髄が腹側から圧迫を受けていることが導出困難の危険因子であった。また，転移性脊椎腫瘍に対する術中脊髄モニタリングに関する調査では，術中脊髄モニタリングの重要性は意識されている一方で，緊急手術として実施せざるをえないことも多い転移性脊椎腫瘍に対する手術では，スタッフの確保の観点から十分に術中脊髄モニタリングが実施できない実情があることがわかった。手術の安全性を確保するため，さらに多職種連携が可能な環境整備が不可欠である。

脊磁図（脊髄誘発磁界）の最前線川端　茂徳 , 橋本　淳 , 吉井　俊貴 68巻7号 , 2025年6月 , pp.809-812

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要旨：脊磁図は，脊椎内の脊髄・馬尾・神経根の神経伝導を可視化し，単純X線像，MRIなどの形態画像と重ね合わせ表示できる理想的な神経機能評価法である。無侵襲に頚椎・胸椎・腰椎での脊髄・馬尾・神経根，腕神経叢を含む末梢神経の伝導障害部位が評価できるため，脊椎・末梢神経疾患の診療に大きく貢献することが期待される。

Personal View

整形外科のテリトリー長谷川　利雄 68巻7号 , 2025年6月 , pp.731-731

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『日本大百科全書（ニッポニカ）』によれば，「テリトリー（territory）」は領土，地域，準州などを意味する英語であるが，動物生態学上は縄張を指す。そこには何らかの境界が存在するはずである。日本整形外科学会ホームページの中島康晴理事長（本稿執筆時）のご挨拶にある「整形外科は骨，軟骨，筋，靱帯，神経など運動器を構成する組織の疾病・外傷に対して，その診療，病態の解明，治療法の開発を行う診療科です。対象器官は脊椎，脊髄，骨盤，上肢，下肢など広範囲に及び，患者の年齢層も新生児から高齢者までと幅広く，実に多種多様な疾患に対応しているのが特徴と言えます」という記載は，整形外科の本質を極めて簡潔に表現している。

整形外科　名人のknow-how

反復性肩関節脱臼に対する鏡視下Bankart & Bristow変法鈴木　一秀 68巻7号 , 2025年6月 , pp.732-739

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反復性肩関節脱臼に対するゴールドスタンダードな術式である鏡視下Bankart法は，健常肩以上の安定性の獲得は期待できないため，健常肩が脱臼するような外力が加わると術後再発することは容易に想像でき，再受傷リスクが高いコリジョン・フルコンタクトスポーツ例における再発の予防には限界がある。このようなハイリスク例には烏口突起移行術による関節外での制動効果（主に共同腱によるスリング効果）の追加が必要であり，Bankart法と烏口突起移行術を同時に，しかも関節鏡視下に行うことで，筋力低下や可動域制限なく早期復帰が可能となり，再脱臼率を限りなくゼロに近づけることができる。本稿では，鏡視下烏口突起移行術である鏡視下Bankart & Bristow法（Bristow変法）のknow-howについて詳述する。

スポーツ医学つれづれ草

人のなきあと武藤　芳照 68巻7号 , 2025年6月 , pp.813-813

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運動療法は，スポーツ医学の分野で重要な位置づけであり，スポーツ外傷・障害の保存療法としても，術後の機能回復・現場復帰を目指すためのプログラムとしても大きな役割を有している。先般，『新・運動療法ガイド～少子高齢社会の健康づくりの手引き～＜改題改訂版＞』（日本医事新報社）を監修した。運動療法に関わる基礎科学を基盤として，スポーツ外傷・障害，リハビリテーション，健康スポーツ，医療安全の専門家7名にも編集で協力いただいて，初版から数えて6版目の書籍として上梓できた。

新しい医療技術

骨膜による腫瘍浸潤制御中村　和貴 , 塚崎　雅之 68巻7号 , 2025年6月 , pp.815-819

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要旨：免疫系による抗腫瘍効果の研究は，免疫チェックポイント阻害薬の臨床応用を通じて患者の生命予後を劇的に改善してきた。しかしながら非免疫系細胞が宿す抗腫瘍効果についてはほとんど不明である。本研究では，口腔がんが顎骨に近接した際に，骨を包む「骨膜」のストロマ細胞が腫瘍の進展に対して防御的に働くことを見いだし，非免疫系細胞による新たな抗腫瘍機構の存在を提唱した。

臨床

大腿骨近位部骨折症例における受傷前のロコモティブシンドロームとフレイルの関係性田中　暢一 , 村瀬　剛 68巻7号 , 2025年6月 , pp.821-829

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要旨：大腿骨近位部骨折の予防には身体機能だけではなく健康や栄養状態，認知機能を含めた包括的な評価と介入が必要である。本研究では，ロコモティブシンドローム（ロコモ）とフレイルの尺度であるロコモ25，後期高齢者の質問票を用いて受傷前の評価を行い，骨折の背景因子としてロコモとフレイルの関係性を明らかにすることを目的とした。75歳以上で転倒によって受傷し，骨折前は歩行が可能であった大腿骨近位部骨折189例（女性152例［80.4％］，男性37例［19.6％］，平均年齢82.8±5.1歳）を対象とした。ロコモ25と後期高齢者の質問票にて受傷前の特性を把握し，ロコモとフレイルの該当率を検討した。86.8％（164例）がロコモに，59.3％（112例）がフレイルに該当した。ロコモ度3に該当した多くの症例が年齢に関係なくフレイルに該当していた。受傷前からロコモ度が進行している症例の多くがフレイルを伴っており，骨折予防には事前に包括的な評価を行い，専門的な多職種介入を実施することの重要性が示唆された。

症例

成長期卓球選手に発生した第5腰椎横突起疲労骨折の1例氷見　量 , 石川　徹也 , 杉山　貴哉 , 渡辺　知真 68巻7号 , 2025年6月 , pp.831-836

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要旨：症例は15歳男子卓球選手（右利き）である。MRI STIR像，CTにて第5腰椎右横突起疲労骨折と診断した。座位保持が困難なほどの痛みがあり，消炎鎮痛薬内服と腰部固定帯装着による安静を図った。受診から21日後にリハビリテーションを開始した。理学所見は，lumbar locked rotation（LLR）が左右45°，Sahrmann core stability testが5段階中level 0であり，特に胸椎可動性低下，体幹筋力低下を認めた。リハビリテーションを実施し，受診後34日で腰痛は消失，52日で競技への完全復帰を果たした。日常生活で自覚する強い腰痛は腰椎横突起疲労骨折の特異的な所見であった。発生要因としては腰方形筋の牽引力が考えられた。

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目次 68巻7号 , 2025年6月

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告知板 68巻7号 , 2025年6月 , pp.766-766

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告知板 68巻7号 , 2025年6月 , pp.780-780

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バックナンバー特集一覧 68巻7号 , 2025年6月 , pp.820-820

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読者アンケート 68巻7号 , 2025年6月 , pp.830-830

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投稿規定 68巻7号 , 2025年6月 , pp.837-837

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次号予定目次 68巻7号 , 2025年6月 , pp.838-838

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著作財産権譲渡・二重投稿に関する同意書 68巻7号 , 2025年6月 , pp.839-839

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編集後記 68巻7号 , 2025年6月 , pp.840-840

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基本情報

整形・災害外科
68巻7号
(2025年6月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0387-4095 金原出版

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