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特集 安全な脊椎・脊髄手術のための術中脊髄モニタリング
モニタリング機材と手術室安全対策
Monitoring equipment and operating room safety measures
高谷 恒範
1
Tsunenori TAKATANI
1
1奈良県立医科大学附属病院,中央手術部
キーワード:
Crisis management
,
Intraoperative neurophysiological monitoring
,
Checklist
Keyword:
Crisis management
,
Intraoperative neurophysiological monitoring
,
Checklist
pp.751-759
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003436
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要旨:術中神経生理モニタリング(IONM)は,神経機能をリアルタイムで評価し,術中の神経損傷を予防するための重要な技術である。手術の精度と安全性を向上させるためには,迅速かつ正確な波形解析を行い,外科医に適切なフィードバックを提供することが求められる。その運用には,機器の適切な配置・点検や多職種間の円滑なコミュニケーションが必要不可欠である。一方で,それらを維持・実践する上では,技術面・精神面において少なからず負担が生じることも多い。これらの課題に対処するため,安全チェックリストの導入や対応マニュアルの策定,波形認識トレーニングの実施,波形低下・消失時の対応フローチャートの活用などが有効である。特に波形低下・消失時の対応チェックリストは,術中の異常波形検出時の対応を標準化し安全性向上に寄与する。また,多職種間での情報共有を強化し,教育効果を高めるとともに,信頼性の向上にもつながる。IONMの成功には,術前のモニタリング準備,適切なモニタリング手法の選択,偽陽性の除外が重要である。さらに,正確な情報伝達と信頼関係の構築が医療体制の効率化を実現するために不可欠である。IONMの信頼性を高めるためには,チーム全体での継続的な改善と教育が求められる。

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