Japanese
English
臨床
大腿骨近位部骨折症例における受傷前のロコモティブシンドロームとフレイルの関係性
Relationship between preinjury locomotive syndrome and frailty in patients with hip fractures
田中 暢一
1
,
村瀬 剛
2
Nobukazu TANAKA
1
,
Tsuyoshi MURASE
2
1ベルランド総合病院,理学療法室
2同上,総合整形外科
キーワード:
Hip fracture
,
Locomotive syndrome
,
Frailty
Keyword:
Hip fracture
,
Locomotive syndrome
,
Frailty
pp.821-829
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003450
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要旨:大腿骨近位部骨折の予防には身体機能だけではなく健康や栄養状態,認知機能を含めた包括的な評価と介入が必要である。本研究では,ロコモティブシンドローム(ロコモ)とフレイルの尺度であるロコモ25,後期高齢者の質問票を用いて受傷前の評価を行い,骨折の背景因子としてロコモとフレイルの関係性を明らかにすることを目的とした。75歳以上で転倒によって受傷し,骨折前は歩行が可能であった大腿骨近位部骨折189例(女性152例[80.4%],男性37例[19.6%],平均年齢82.8±5.1歳)を対象とした。ロコモ25と後期高齢者の質問票にて受傷前の特性を把握し,ロコモとフレイルの該当率を検討した。86.8%(164例)がロコモに,59.3%(112例)がフレイルに該当した。ロコモ度3に該当した多くの症例が年齢に関係なくフレイルに該当していた。受傷前からロコモ度が進行している症例の多くがフレイルを伴っており,骨折予防には事前に包括的な評価を行い,専門的な多職種介入を実施することの重要性が示唆された。

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