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特集 安全な脊椎・脊髄手術のための術中脊髄モニタリング
術中脊髄モニタリングの歴史と現在のスタンダード
History and current standards of intraoperative spinal cord monitoring
安藤 宗治
1
Muneharu ANDO
1
1関西医科大学,整形外科
キーワード:
Spinal cord monitoring
,
History
,
Current standards
Keyword:
Spinal cord monitoring
,
History
,
Current standards
pp.741-750
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003435
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要旨:脊椎脊髄手術の進歩に伴い,術中に脊髄障害を防ぐための術中脊髄モニタリング(IOM)が発展してきた。現在,IOMのゴールドスタンダードは運動路の評価としての経頭蓋刺激・運動誘発電位(Tc-MEP),感覚路の評価としての体性感覚誘発電位(SEP)である。さらに,運動路の評価には経頭蓋刺激・脊髄誘発電位(Tc-SCEP)や脊髄刺激・運動誘発電位(Sp-MEP),感覚路の評価に脊髄刺激・脊髄誘発電位(Sp-SCEP)も時として用いられる。また,神経根機能のモニタリングとして,自発筋電図(sEMG),椎弓根スクリュー刺入時に利用するtriggered EMG,神経鞘腫の手術に用いられる直接神経刺激・運動誘発電位(Dn-MEP)などが挙げられる。このようにIOMには複数の手法が存在するが,術後神経障害の発生を低下させるためには,術中モニタリングの各手法の特性をよく理解し,症例ごとに最適な方法を組み合わせることが重要である。

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