特集 安全な脊椎・脊髄手術のための術中脊髄モニタリング
扉
吉田 剛
pp.740-740
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003434
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本誌では2008年に四宮謙一先生が「脊髄機能モニタリングの最近の進歩」と題する特集を組まれ17年が経過した。その間,低侵襲側方侵入固定術や高齢者に対する脊柱矯正固定術など新しい脊椎術式が導入され,術中神経障害の潜在的リスクが増している。脊椎・脊髄を救う手術で麻痺が生じては本末転倒である。患者さんの麻痺を予防し,安全な脊椎・脊髄手術を陰で支える術中脊髄モニタリングは,外科医にとって潜水艦のソナーに等しい。アクティブソナーが経頭蓋刺激・運動誘発電位(transcranial stimulation motor evoked potential)ならば,パッシブソナーは自発筋電位(continuous EMG)であろう。術中脊髄モニタリングは国を守る潜水艦同様,患者,術者を守ることができる数少ないモダリティである。

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