成長期卓球選手に発生した第5腰椎横突起疲労骨折の1例

Stress fracture of the fifth lumbar vertebral transverse process in a growing table tennis player；a case report

要旨：症例は15歳男子卓球選手（右利き）である。MRI STIR像，CTにて第5腰椎右横突起疲労骨折と診断した。座位保持が困難なほどの痛みがあり，消炎鎮痛薬内服と腰部固定帯装着による安静を図った。受診から21日後にリハビリテーションを開始した。理学所見は，lumbar locked rotation（LLR）が左右45°，Sahrmann core stability testが5段階中level 0であり，特に胸椎可動性低下，体幹筋力低下を認めた。リハビリテーションを実施し，受診後34日で腰痛は消失，52日で競技への完全復帰を果たした。日常生活で自覚する強い腰痛は腰椎横突起疲労骨折の特異的な所見であった。発生要因としては腰方形筋の牽引力が考えられた。