整形外科手術 名人のknow-how
骨盤悪性腫瘍に対する手術
秋山 達
1
Toru AKIYAMA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター総合医学2,整形外科
pp.354-357
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001233
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
骨盤悪性腫瘍手術は後腹膜悪性腫瘍手術と並んで骨軟部腫瘍手術の中で最も困難なものの一つである。また,複数診療科合同での手術になったり,術後管理に難渋したりすることがしばしばあり,診療科ならびに医療機関全体としての能力が必要とされる手術である1)2)。骨盤腫瘍手術の難易度が高くなる原因として,解剖が複雑なため術中視野が不良であること,腫瘍と重要な神経・血管・内臓などが近接していること,出血が多くなりがちであることなどが挙げられる。また,結果的に長時間手術になることが多く,合併症は手術時間や周術期出血量に比例するため,骨盤悪性腫瘍手術は合併症が発生しやすい3)。本稿では筆者のこれまでの経験に基づいて骨盤悪性腫瘍切除における注意点やコツを,腫瘍の展開を中心に記載する。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.