臨床外科 60巻2号 (2005年2月)

特集 再発食道癌を考える

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はじめに

 食道癌の治療は手術療法,放射線療法,化学療法などが主に行われているが,1980年後半から切除可能症例は手術を優先する治療方針に変わってきている.さらに,手術手技および周術期管理の向上に伴い,上縦隔の徹底的リンパ節郭清や3領域リンパ節郭清が実施されるようになり,治療成績の向上が得られている.現在では手術症例の5年生存率が50%に達するようになっている.一方,補助療法においても放射線単独療法からCDDPを中心とした化学放射線療法が行われるようになり,集学的治療が普及してきた1)

 しかし,治療成績の著しい向上が得られたにもかかわらず,根治手術が行われた症例において約半数程度の再発をきたすのが現状である.今後,食道癌の治療成績向上のためには再発を最小限に抑えるような集学的治療の確立とともに術後の厳重なフォローアップシステムの構築および術後再発に対する効果的な治療法の選択の重要性が増してきた2,3)

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要旨:食道癌は悪性度のきわめて高い疾患であり,他の固形癌と比較して壁内進展やリンパ節への跳躍転移,同時多発発生などの顕著な特異性を有する.治療を進めるにあたっては疾患がlocal diseaseであるかsystemic diseaseであるかを適時,的確に判定することが必要である.集学的治療では術前のdown stagingを目的とするか,術後の追加照射,あるいは再発時の根治照射を目的とするかなど,その組み合わせや順序が多岐にわたる.適応・順序を誤ると無益な手術,治療を行うこととなる.術後のフォローアップに際しては異時性重複癌・多発癌を常に念頭に置き,どのような治療が行われたかを把握した上で次の治療計画を立てることが重要である.

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要旨:食道癌診療では近年診断技術の進歩に伴い早期癌症例の発見頻度が増加しているにもかかわらず,今なお多くの症例は進行癌で発見されているのが現状である.また根治的な手術が行われた症例の中にも比較的早期にリンパ節再発や血行性転移を起こす症例も少なくない.手術後のフォローにおいては従来の画像診断であるCTやMRIに加え,PET検査が臨床応用されつつある.今後FDG-PET検査は食道癌診療の中で病期診断,治療効果の判定,さらに再発評価など幅広く多用され,再発食道癌の早期診断および治療成績の向上に大きく貢献すると思われる.

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はじめに

 食道癌の治療成績は頸胸腹部3領域リンパ節郭清術を伴う外科的根治術と,内視鏡的粘膜切除術の普及により著しく改善した.

 外科的根治術の5年生存率は筆者らの施設で62.5%となったが,逆に考えると37.5%の症例が再発しているわけである.リンパ節転移を認めなかった表在癌(T1b,pN0)症例でも再発例があり,術前・術後の化学放射線療法を併用しても再発を防ぐことができない.最近,術前化学放射線療法を積極的に行う動きも出ているが,リンパ節郭清の精度を高める努力を怠れば意味がないことは歴史的な経験から学ばなければならない.また,外科的根治術はその技術の習熟が容易ではなく,medical oncologistに化学・放射線療法でも同等の成績を挙げうると言われる素地もある.一度再発すると再手術可能な症例は少なく,いかに化学・放射線療法を行おうと容易に救命しえない.

 内視鏡的粘膜切除術(EMR)の普及はとくに外科的根治術の侵襲の大きい食道癌の領域で大きな福音となった.診断能の向上も相まって著しい速度で普及してくるとともに,その適応も腫瘍経3cm未満で深達度は粘膜固有層までという適応基準も5cm以上,m3・sm1へと拡大されつつある.さらにはsm2・sm3へと拡大させて化学・放射線療法を加える動きもある.

 EMR症例の蓄積と15年の経過観察により,EMR後の再発も明らかとなってきた.EMRを施行した局所の遺残再発の地,異時性多発,リンパ節再発,遠隔臓器再発,さらには予後について明らかにし,その問題点を検討して,適応の限界など今後の治療方針を明らかにしたい.

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要旨:再発食道癌の治療には化学・放射線・手術療法などがあるが,本稿では非手術治療について文献的考察を中心に言及する.再発食道癌にはcisplatinを中心とした併用regimenが多く適用とされる.CDDP/5-FUは標準的治療とされ30~50%程の奏効率である.一方taxanesを初めとする新規抗癌剤が開発され,よりよいregimenの確立が期待される.本稿ではdocetaxel,paclitaxel,irinotecan(CPT-11),nedaplatin(CDGP),S-1,gemcitabine,oxaliplatin(L-OHP)などの新規薬剤を含めて再発食道癌治療の現状と将来について考察する.

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要旨:食道癌の予後は集学的治療の進歩により改善しているものの,治癒切除後の再発症例は少なくない.再発後の治療についても化学療法,放射線療法の組み合わせや新しい薬剤の開発により奏功例を経験することが多くなってきたとはいえ未だ満足できるものではない.多くの場合再発患者の全身状態は不良で,多臓器再発や複合性再発の様式を取るため,その治療方針の決定に難渋することが多い.筆者らの教室では適応症例は限られるものの,切除可能症例に対し積極的に外科的治療を行うことにより比較的良好な予後が得られている症例を経験している.再発を積極的治療可能な早期に発見するための術後フォローアップシステムとともに,その治療成績向上のため,基礎的研究も踏まえた新たな治療法の確立が必要である.

Salvage手術の適応と治療 日月 裕司
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要旨:食道癌に対する化学放射線療法の成績と,遺残と再発に対するsalvage手術の結果を検討し,salvage手術の意義を検討した.切除可能食道癌に対する化学放射線療法は根治目的の標準治療となりうると考えられた.切除可能食道癌に対する化学放射線療法では遺残と再発に対するsalvage手術による補完が不可欠であると考えられた.Salvage食道切除術での致死的合併症は気管気管支の壊死・穿孔と縦隔炎であり,吻合部縫合不全ではなかった.気管気管支壊死・穿孔と縦隔炎の危険を考慮した術式の選択が重要である.今後の食道癌治療は局所効果はより高いが侵襲の大きい切除手術と,局所効果は切除に劣るが侵襲はより少ない化学放射線療法をいかに使い分け,組み合わせていくかが重要となる.

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要旨:食道癌に対する放射線化学療法(chemoradiotherapy:CRT)は外科切除術に匹敵する治療成績が得られる可能性があることが報告され,普及してきた.しかし,CRTは高い奏効率が得られる一方,局所の遺残再発率の高さが大きな課題となっている.遺残再発をきたした場合,病状により治療選択が必要になり,手術不能な局所進行例や遠隔転移例では抗癌剤治療が,局所のみの場合はサルベージ手術が行われている.しかし,サルベージ手術は術後合併症の多さの面から安全な治療法とは言えない.当院では局所のみの違残・再発例の場合内視鏡的なサルベージ治療に取り組んでおり,まだ短期的だが良好な治療成績を得ている.

 一方,治療不可能な遺残再発例では早期に食道狭窄を伴うため嚥下障害に対しては内視鏡的緩和治療を行い,患者のQOL向上に寄与している.

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要旨:固形癌に対する遺伝子治療ならびに免疫治療は臨床研究が始まったばかりではあるが,安全性が確認されつつある.筆者らは放射線化学療法治療抵抗性の再発・再燃食道癌10症例に対してアデノウイルスベクターを用いたp53遺伝子治療を実施し,安全性ならびに腫瘍増殖の抑制傾向を確認した.食道癌に対する免疫治療臨床研究では腫瘍抗原特異的免疫反応が確認され,一部の症例では有効性も示唆されている.今後,遺伝子治療・免疫治療を統合した新たな治療戦略の発展が期待される.

カラーグラフ 内視鏡外科手術に必要な局所解剖のパラダイムシフト・5

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はじめに

 大腸癌に対する腹腔鏡下手術のなかで,横行結腸癌に対する手術では中結腸動静脈に対するアクセスが必要であるが,中結腸動静脈にはバリエーションが多い.また,症例によっては左右の結腸曲を剝離する必要がある.さらに,十二指腸や膵臓周囲の剝離が必要である.これらの理由から,横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術は難易度が高いとされている1,2).しかし,腹腔鏡下手術における解剖を理解して視野を展開し,術者と助手が連携することによって腹腔鏡下手術は安全で確実なものになり得る.

 本稿では,横行結腸癌に対する腹腔鏡下手術時の視野の展開と手術操作について述べる.

外科の常識・非常識 人に聞けない素朴な疑問 13

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近年,SSI(surgical site infection)に注目が集まり,その原因検索および予防法について様々な議論がなされている.抗菌薬を使用しない場合の腸管手術でのSSI発生率は50%に上るとの報告もある.

 腸管手術において術前処置が必要かどうかということは,その求めるところはつまりSSIの発生をいかに押さえるかということに集約される.諸家によると,大腸手術後のSSIの発生頻度は腸管処置を行うことによって10%内外に減少すると報告されている.しかし,SSIの予防に最も寄与するものは,はたして抗生物質を含めた腸管処置なのであろうか.もちろん,それが重要な役割を果たしていることに異論はないが,それ以外にSSIを予防する方法はないのだろうか.SSIを起こさないがために色々な薬物を使用して正常な体内環境を乱して無理やり蓋をしてしまうというやり方は,考えようによってはずいぶん乱暴な話であり,むしろやり過ぎによる弊害が生じる可能性が高いのではないだろうか.

臨床外科交見室

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成人鼠径ヘルニアの手術は,最近ではメッシュを用いたtension freeの術式が標準となっている.わが国においてもメッシュプラグ法が導入されてから急速に拡がり約10年が経過した.しかし最近,他病院でメッシュプラグ法によって手術を受けたのち,手術部位が痛いとか違和感がある,あるいはまた腫れてきたという訴えで来院する患者に遭遇する.

 メッシュプラグ法は術式が簡易であるということで急速に安易に拡まった可能性があるが,導入後10年を経て予想より多い再発が報告されるようになってきた1).われわれの施設で2003年1月~2004年7月までの間に施行した成人鼠径ヘルニア120例のうち再発症例は10例で,そのうちメッシュ使用後の再発が4例(うち他病院の施行1例)認められた.

病院めぐり

若草第一病院外科 安田 健司
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当院は高校ラグビーの聖地とも言われる東大阪の花園ラグビー場の近くに位置し,地域医療を支援する病院として昭和56年に開院しました.専門医療と救急医療に重点をおいた医療を提供しています.開放型病院,救急指定病院,日本医療評価機構の認定病院でもあり,病床数230床(うちICU 8床,開放型46床)で,1日の平均入院数194人,1日平均外来患者数350人,平均在院日数13.0日の中規模病院です.

 外科のスタッフは野村秀明副院長(昭和55年,神戸大卒),藤原英利外科部長(昭和58年,神戸大卒)を中心に酒井健一医員(平成6年,近畿大卒),十川佳史医員(平成6年,近畿大卒),安田健司医員(平成7年,近畿大卒)の5名で,チームワークよく診療しています.手術は年間285例(平成15年)で,うち全身麻酔症例214例,腰椎麻酔症例49例,局所麻酔症例22例で,緊急手術が67例でした.その内訳は,胃癌23例,胃良性疾患5例,結腸癌28例,直腸癌16例,肝胆膵癌5例,胆囊結石症(総胆管結石も含む)52例,鼠径ヘルニア34例,内痔核15例,虫垂炎33例,胃十二指腸潰瘍穿孔12例などでした.

西諫早病院外科 菅 和男
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当院は昭和63年9月,長崎県諌早市貝津町に救急医療を主体とし,外科,脳神経外科,整形外科を中心とした病院として開院しました.開院当初は病床数50床でスタートし,平成1年7月には68床に,さらに平成9年に71床に増床しました.

 当院の大きな特徴としては,千葉院長の方針である「救急患者に対する24時間の対応」が挙げられます.このモットーにより,現在では年間の救急車搬入台数が年間900例前後と諌早市内でトップクラスの数字となっています.また,救急医療で治療した高齢者の方の「寝たきりゼロ」を目指し,リハビリなどによるフォローアップのための老健西諌早(100床)を併設し,また,在宅における訪問看護ステーション「のんのこ」も立ち上げています.さらに,平成10年4月には介護老人福祉施設「特養いいもり」(50床)も開設し,これからの高齢化社会に向けて,よりスムーズな対応が可能となりました.

日米で異なる外科レジデント教育・医療事情・8

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はじめに

 日本の外科が米国に比べて明らかに遅れている分野として,外傷外科およびサージカルクリティカルケアがある.癌外科一辺倒の日本の一般外科では外傷外科は重視されない.日本において整形外科医によって,あるいは脳神経外科医あるいはバイトの内科医によって重症外傷が治療されているというのは米国では考えられない.米国では軽症の患者はERの医師に治療され,重症であると外科医を中心とする外傷チームが呼ばれる.その際はcode Tやtrauma alertと呼ばれ,麻酔科医,外傷外科医(一般外科のレジデントチーム),放射線科医,レスピラトリーテクニシャン,オペ室のナースが一斉にERに駆けつける.外傷センターはレベル1~3に区別され,レベル1外傷センターと呼ぶには外科の指導医あるいはチーフレジデントが病院内に24時間常駐しなければならない.また,各科の専門医が24時間コンサルトできる体制を整えていなければならない.ストーニーブルック校ではチーフレジデントは病院内に泊まっていなければならないが,逆にイェール大学では指導医が病院内に泊まっているので,チーフレジデントは自宅でのポケベルコールとなっているという.通常,外科の当直チームはチーフレジデント(卒後4年目あるいは5年目)およびシニアレジデント(卒後2年目あるいは3年目)そして2人のインターンの構成になり,チーフレジデントがcode Tの指揮をする.もちろん手術になったり,患者が非常に重症でレジデントで手に負えない場合は指導医が病院に来なければならない.しかしながら,基本的にはチーフレジデントの一人舞台である.ERのレジデントたちはcode Tの際は外科レジデントの助けに回るだけであるが,もっとも重要なことは医師から看護婦まで,外傷に関わる人たちはATLSという実技コースを受けていて,皆がそのプロトコールを理解していることである.これは非常に重要なことだと思われる.

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はじめに

 これまで当院では術中に漿膜浸潤が疑われた上~中部中心の胃癌に対し,脾門部リンパ節および脾動脈幹リンパ節を完全郭清する目的で,膵尾部脾臓合併切除(以下,膵脾合切)を施行してきた.しかし,その効果や適応に関しては意見の分かれるところであり,2004年4月に出版された「胃癌治療ガイドライン」の中でも「膵への直接浸潤や明らかなNo. 11リンパ節転移を有する以外,本術式は行われなくなってきている」と記載されている1)

 今回,筆者らは膵脾合切症例を対象として,1)No. 10およびNo. 11リンパ節への転移は諸因子から予測可能であるか否か,2)膵脾合切症例におけるリンパ節転移と予後との関連,などをretrospectiveに解析し,特にリンパ節郭清を目的とした膵脾合切の適応と治療効果を主として検討した.

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はじめに

 急性の腸間膜血行障害として,塞栓や血栓などにより血流が遮断され引き起こされる腸間膜動脈閉塞のほかに,血管の器質的な閉塞を原因としない非閉塞性腸間膜梗塞症(non-occlusive mesenteric ischemia:NOMI)がある1).NOMIは致命率の高い予後不良な疾患であり,早期診断と治療がきわめて重要である.筆者らは以前からこの疾患の診断と治療に難渋していたが,最近NOMIを強く疑った症例に対しProstaglandin E1(以下,PGE1)の早期静脈内大量持続投与法が著効を示したので報告する.

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はじめに

 胆囊炎は急性腹症をきたす原因のなかで頻度の高い疾患である.本症例のように胆囊穿孔をきたす頻度は全胆囊炎症例の3~15%,さらに無石胆囊穿孔は胆囊穿孔症例の約7%と報告されている1).今回,骨盤骨折術後に壊疽性無石胆囊炎から胆囊破裂をきたした1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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はじめに

 大網捻転症は急性腹症をきたす比較的稀な疾患であるが,外科医が知っておくべき疾患の1つである.今回,筆者らは鼠径ヘルニアによる大網捻転症の1例を経験したので文献上検索しえた本邦報告例の検討を加えて報告する.

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はじめに

 鼠径部ヘルニアは外科診療上頻度の高い疾患の1つであり,一般に大腿ヘルニアはヘルニア門が狭いため鼠径ヘルニアと比べて嵌頓率が高い1).鼠径部ヘルニアにおける嵌頓臓器の大半は小腸と大網である1)が,稀な例として虫垂2),子宮3),膀胱4~11)などが報告されている.膀胱壁の一部が下部腹壁のヘルニア門から外方皮下に滑脱するものを膀胱ヘルニアと呼ぶが,鼠径輪から脱出することが多く大腿輪経由の脱出はきわめて稀である4).今回,筆者らはきわめて稀な膀胱が滑脱した大腿ヘルニアの1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

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はじめに

 Castleman lymphomaは1954年にCastlemanら1)が縦隔に発生した良性のリンパ節の過形成として報告して以来多数の報告があるが,縦隔,頸部の発生が多く,腹腔内の発生は少なく,その中でも腸間膜の発生はきわめて稀とされている.今回,筆者らは腸間膜に発生したCastleman lymphomaの1切除例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.

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はじめに

 虚血性大腸炎は一般的に循環器系基礎疾患を有する高齢者に多く発生するとされているが,近年では若年発症例の報告が増加している1,2).今回,筆者らは基礎疾患のない37歳の男性に発症誘因の不明な虚血性大腸炎の1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.

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はじめに

 現在,手術手技や機器の向上により多くの症例で腹腔鏡下手術を安全に施行することが可能となり,その手術適応は広がっている1).今回,筆者らはクモ膜囊胞-腹腔内シャント術後の胆石症患者に対し,腹腔鏡下胆囊摘出術を行い良好な結果を得たので報告する.

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はじめに

 成人の腸重積症は稀な疾患であり,小児の場合と異なり外科的治療が必要な器質的疾患に起因していることが多い.今回,筆者らは腸重積を伴った盲腸癌の1切除例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

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はじめに

 胃癌の播種,直接浸潤によらない血行性およびリンパ行性小腸転移は稀で,検索しえた限りでは本症例を含め5症例のみであり,他領域を含まない噴門部を原発とした症例は本症例のみである1,4~6).今回,筆者らは胃噴門部癌で食道亜全摘,噴門部切除(胃管再建)を施行後,外来経過観察中に下血を契機に発見された胃噴門部癌の小腸転移を経験したので文献的考察を加え報告する.

基本情報

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臨床外科
60巻2号 (2005年2月)
電子版ISSN:1882-1278 印刷版ISSN:0386-9857 医学書院

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