臨床外科交見室
メッシュによる鼠径ヘルニア手術の功罪
岡崎 誠
1
Makoto OKAZAKI
1
1市立伊丹病院外科
pp.217
発行日 2005年2月20日
Published Date 2005/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100038
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成人鼠径ヘルニアの手術は,最近ではメッシュを用いたtension freeの術式が標準となっている.わが国においてもメッシュプラグ法が導入されてから急速に拡がり約10年が経過した.しかし最近,他病院でメッシュプラグ法によって手術を受けたのち,手術部位が痛いとか違和感がある,あるいはまた腫れてきたという訴えで来院する患者に遭遇する.
メッシュプラグ法は術式が簡易であるということで急速に安易に拡まった可能性があるが,導入後10年を経て予想より多い再発が報告されるようになってきた1).われわれの施設で2003年1月~2004年7月までの間に施行した成人鼠径ヘルニア120例のうち再発症例は10例で,そのうちメッシュ使用後の再発が4例(うち他病院の施行1例)認められた.
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