特集 再発食道癌を考える
<Editorial>再発食道癌
桑野 博行
1
,
福地 稔
1
Hiroyuki KUWANO
1
1群馬大学大学院病態総合外科(第1外科)
pp.152-154
発行日 2005年2月20日
Published Date 2005/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100028
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はじめに
食道癌の治療は手術療法,放射線療法,化学療法などが主に行われているが,1980年後半から切除可能症例は手術を優先する治療方針に変わってきている.さらに,手術手技および周術期管理の向上に伴い,上縦隔の徹底的リンパ節郭清や3領域リンパ節郭清が実施されるようになり,治療成績の向上が得られている.現在では手術症例の5年生存率が50%に達するようになっている.一方,補助療法においても放射線単独療法からCDDPを中心とした化学放射線療法が行われるようになり,集学的治療が普及してきた1).
しかし,治療成績の著しい向上が得られたにもかかわらず,根治手術が行われた症例において約半数程度の再発をきたすのが現状である.今後,食道癌の治療成績向上のためには再発を最小限に抑えるような集学的治療の確立とともに術後の厳重なフォローアップシステムの構築および術後再発に対する効果的な治療法の選択の重要性が増してきた2,3).
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