臨床眼科 72巻13号 (2018年12月)

特集 OCTアンギオグラフィを始めるために—コツと落とし穴

企画にあたって 坂本 泰二
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 光干渉断層血管撮影(OCTアンギオグラフィ:OCTA)は,眼科領域で最近急速に広まっている検査である。その理由としては,この検査が2018年度の診療報酬改定で保険収載されたこともあるが,従来のフルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)などに比べ,患者への侵襲がほとんどないことが挙げられる。

 ただし,実施やその解釈に当たっては,注意すべき点が多い。まず,機器は従来のOCTと似ているが,それと同等あるいはそれ以上にアーチファクトが多い。一方,結果の解釈も同じではない。眼底血管を描出するので,従来のFAと類似した像を示すため,同じように考えがちであるが,それでは解釈を誤る。つまり,OCTやFAとは全く異なる検査であると認識すべきである。より大きな問題は,その点が十分に理解されていないことではなかろうか。OCTが初めて現れたときは,今までに見たこともない検査機器ということで,一般臨床家や研究者から多くの質問を受け,正しい理解が広まったが,今回はそのようなことが少ない。また,撮影結果の誤った解釈が,堂々と披歴されている場合も多い。OCTAは,臨床検査に用いられる機器であり,単なる研究装置ではないので,誤った解釈は直接患者の不利益につながる。そのことは絶対に避けるべきである。

原理と撮影のコツ 野崎 実穂
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はじめに

 2018年の診療報酬改定で,光干渉断層血管撮影(OCT angiography:OCTA)が保険収載され,日常臨床でOCTAが使われるようになってきている。本稿では,まずOCTAの原理と一般的な撮影のコツについて述べる。

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はじめに

 近年,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)を応用し,開発された光干渉断層血管撮影(OCT angiography:OCTA)は,非侵襲的に網脈絡膜血流を評価可能である。OCTAは連続的に網脈絡膜のOCT撮影を繰り返すことで得られる複数枚の画像間にあるシグナル変化(位相変化または信号強度変化,もしくはその両者)を血流情報として抽出することで血管像を構築し,フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)やインドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA)のように表示させる技術である。得られた画像は当然造影検査で得られる画像とは原理的に異なるものの,無灌流領域や脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)などの病変検出率は同等であるとされ,非侵襲的で検査時間が短く副作用がない利点も報告されている1)。ただし,撮影範囲が狭いこと,特有のアーチファクトが存在することや,脈絡膜血流の描出が不十分なことなどの問題点もある。

 一方,FAおよびIAは網膜・脈絡膜病変の診断・評価に有用である。しかし,侵襲的な検査であり,低頻度とはいえ重篤な副作用が生じる可能性もあることから現状では敬遠される傾向にある。実際,FA/IAはより簡便で非侵襲的なOCTの登場により,その検査機会が減少している。ただし,現時点でもFA/IAは他では得られない所見があるため,病態把握のために大きな役割を担っている。

 本稿ではOCTAの特徴と造影検査の同等性と違い,使い分けについて解説する。

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はじめに

 造影剤を用いることなく網脈絡膜血管を描出可能な光干渉断層血管造影(optical coherence tomography angiography:OCTA)は,2018年4月に保険収載されたこともあり多くの注目を集め,今後の眼科臨床には欠かせない検査となることが予想される。原理や疾患の各論については他項に譲り,本稿ではOCTAの有用性とその限界について解説する。

加齢黄斑変性 大島 裕司
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はじめに

 加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は,以前より欧米における中高年の中途失明の主要疾患であり,わが国やアジア諸国においても近年増加している。Wongら1)は,2040年までに全世界でAMD患者数は2億8800万人にまで増加し,特にアジアでは1億1300万人にまで増加,アジア圏が最も増えると予想している。AMDは抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)療法が登場して以来,視力維持のみならず視力改善が得られる症例も認められるようになってきている。そのためには,できるだけ早期に診断したうえで治療を開始し,継続的に治療を行っていくことが重要である。

 AMDの診断・病型分類,そして治療後の経過観察にはフルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)やインドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA)が重要であるが,頻回に行うことは事実上不可能である。光干渉断層血管撮影(optical coherence tomograph angiography:OCTA)は,OCTを用いて血流動態に基づいて血管構造を非侵襲的に描出することができる新しいイメージング機器である。現在,従来のFA,IAやOCTのみならず,OCTAを用いたAMDの診断が多く試みられている。滲出型AMDの診断には脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)の存在が重要である。本稿では,滲出型AMDの診断におけるOCTAの有用性について述べたい。

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はじめに

 糖尿病網膜症は,わが国の中途失明の原因疾患として上位にあり,適切なタイミングで治療介入するためには,毛細血管瘤,網膜無灌流領域,網膜内細小血管異常(intraretinal microvascular abnormalities:IRMA),新生血管などの病変を的確に把握する必要がある。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)アンギオグラフィ(OCTA)が,糖尿病網膜症に対する新たな診断機器として近年急速に普及し,2018年には保険収載され,研究のみならず臨床の現場で広く用いられるようになった。

 OCTAは,わが国では2014年に登場して以来,機器の機能向上やソフトウェアの改良などにより目覚ましい進歩を遂げている。撮影画質に関しても,swept-source OCTの技術によって,白内障や硝子体出血など中間透光体混濁の影響を受けにくく,高速,高侵達のOCTAが実用化されつつある。本稿では,OCTAによって観察できる糖尿病網膜症の所見についてまとめ,現時点でのOCTAの活用法と今後の展望について述べたい。

網膜静脈閉塞症 加登本 伸 , 村岡 勇貴
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はじめに

 網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion:RVO)は,糖尿病網膜症に次いで頻度の高い網膜循環疾患である。RVOは閉塞部位の違いによって,網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)と網膜中心静脈閉塞症(central retinal vein occlusion:CRVO)とに分けられるが,いずれにおいても,網膜出血,網膜浮腫,網膜無灌流領域(retinal nonperfusion area:NPA)などの網膜血管病変をきたし,これらの変化が黄斑部に及ぶと視力障害をきたす。NPAが広範囲に及ぶ場合には,網膜新生血管(retinal neovascularization:NV)を生じ硝子体出血のリスクとなる。

 近年登場した光干渉断層血管造影(OCT angiography:OCTA)は,これらRVOに認められる網膜血管病変の評価に際し非常に有用なイメージングモダリティであるが,読影に際しその注意点もいくつか存在する。本稿では,主要な血管病変ごとに,OCTA読影のコツと落とし穴について述べてみたい。

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はじめに

 未来のことを秩序立てて文章化するのは容易ではないが,われわれ眼科医がその凄まじい進歩を目の当たりにしてきた光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の発展と重ねて,OCTアンギオグラフィ(OCT angiography:OCTA)の将来を予測し,併せてOCTAに関する最新の研究についても紹介していく。また,当科で開発したEn face画像の脈絡膜の自動層判定ソフトウェアについても解説する。

連載 今月の話題

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 再生医療の臨床応用については,眼科領域がそのトップを走っている。それは2014年にiPS細胞から作製した網膜色素上皮細胞の移植手術が,世界で初めてわが国で行われたことも要因の1つとして挙げられる。それから約3年で今度は他人の細胞を移植する,いわゆるiPS関連の他家移植手術が同じ網膜色素上皮を用いて行われた。本稿では,筆者らのこの移植の現状と今後の予定・取り組みについて言及する。

連載 症例から学ぶ 白内障手術の実践レクチャー・術中編11

瞳孔形成術 谷口 重雄
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Q 症例は60歳の女性で,9年前に緑内障発作を起こし,近医で治療を受けています。今回,視力低下と羞明を訴え受診しました。散瞳と白内障を認め(図1),矯正視力は0.1です。白内障手術を予定していますが,散瞳に対する瞳孔形成術はどのように対処したらよいでしょうか?

連載 眼炎症外来の事件簿・Case4

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患者:6歳,女児

主訴:左眼の灰白色虹彩

既往歴:特記事項なし

家族歴:祖父;肺結核,祖母;リウマチ性疾患

現病歴:患者の左眼虹彩に白色塊が散在していることに母親が気づき,近医を受診した。虹彩および隅角に散在する結節性病変がみられた。眼圧上昇を認め,前房炎症細胞が多数みられたため,精査加療目的に当科を紹介され受診した。

連載 眼科図譜

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症例

 症例は糖尿病のある86歳の男性。約10年前に両眼の白内障・眼内レンズ挿入術,3年半前に右眼のみ黄斑症のため,後極部の一部に局所レーザー光凝固術を施行した。その際すでに黄斑浮腫があったが,2年半ほど前に症状が軽減し,その後再診しなかった。今回,右眼の霧視を訴え再診した。右眼の矯正視力は,0.1pから0.06に低下しており,左眼は1.0であった。この患者に,同意を得たうえで以下の諸検査を施行した。

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要約 目的:遷延する網膜前出血後に牽引性網膜剝離(TRD)が生じ,硝子体手術で視力が回復した再生不良性貧血の1例の報告。

症例:15歳の男性に両眼の視力低下が突発し,近医で両眼の網膜出血と網膜前出血が指摘された。強い汎血球減少があり,最重症型の再生不良性貧血と診断された。内科に入院し,眼科を紹介され受診した。

所見と経過:矯正視力は右0.7,左指数弁であった。右眼には網膜出血が多発し,黄斑部に漿液性網膜剝離(SRD)があり,左眼には後極部全体に大量の網膜前と網膜下出血があった。貧血に対する治療で,右眼の網膜出血は改善したが,左眼では硝子体混濁が遷延し,初診5か月後に再出血し,TRDが併発した。左眼に硝子体手術を行い,術中所見として血管アーケードに沿う輪状のTRDがあった。2か月後に再剝離が生じ再手術を行った。網膜は復位し,初診から20か月後の現在,右1.2,左0.2の矯正視力を維持している。

結論:本症例では,再生不良性貧血に併発した大量の網膜前出血が遷延すると,TRDが生じた。貧血に対する内科での治療と連携し,早期の硝子体手術が可能になり,視力改善が得られた。

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要約 目的:中心窩に集中しつつある硬性白斑に対し,アフリベルセプトの硝子体内注射を繰り返した糖尿病黄斑浮腫の1例の報告。

症例:73歳の男性が両眼の視力低下の悪化で受診した。20年前から糖尿病があり加療中であった。

所見と経過:矯正視力は右0.3,左0.6で,中心窩網膜厚(CMT)は右529μm,左339μmであった。両眼への抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の硝子体内注射を希望し,アフリベルセプトを用いた。3回の治療で,右眼視力は0.6,CMTは314μmに改善したが,中心窩周囲に硬性白斑が生じた。以後10か月間にアフリベルセプトの硝子体内注射を8回行い,硬性白斑は徐々に中心窩に集中した。さらに治療を継続し,総計19か月間に17回の治療で,中心窩とその周囲の硬性白斑は消退し,右眼視力は0.9,CMTは241μmに改善した。左眼は3回の治療で視力0.9,CMTは263μmに改善した。

結論:中心窩とその周囲に集中しつつある硬性白斑に対し,アフリベルセプトの硝子体内注射を繰り返すことで硬性白斑が消退し,視力が上昇した。

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要約 目的:漿液性網膜剝離(SRD)を伴う多発消失性白点症候群(MEWDS)の2例3眼に対し,脈絡膜厚の計測で経過を追った2症例の報告。

症例:1例は35歳の女性で,2日前からの左眼の羞明で受診した。眼底に白点が散在し,光干渉断層計(OCT)で脈絡膜の肥厚とSRDがあった。他の1例は40歳の女性で,4日前からの両眼の中心視力低下が主訴であった。眼底に白点が散在し,OCTでSRDと脈絡膜の肥厚があった。両症例ともMEWDSと診断した。無治療で眼底の白斑は消失し,脈絡膜厚は減少した。

結論:急性期のMEWDSでのSRDと脈絡膜の肥厚は,本症に脈絡膜循環が関与していることを示す所見であると解釈される。

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要約 目的:円錐角膜眼における波面センサーによる屈折値測定の有用性を検討した。

対象と方法:円錐角膜26例34眼,平均角膜屈折力は52.1±3.0D(48.2〜58.2D),矯正視力0.5〜1.5(中央値1.1)を対象とした。自覚的屈折検査による等価球面値(自覚値)と,オートレフラクトメータ・波面センサーによる等価球面値(レフ値,波面値)について比較検討を行った。

結果:オートレフラクトメータでは8眼が測定不能であったが,波面センサーでは全例で測定可能であった。自覚値とレフ値,波面値はそれぞれ有意な正の相関があった(r=0.703,p<0.001,r=0.828,p<0.001)。自覚値との誤差が±2.00D未満であったのは,レフ値が19眼(55.9%),波面値が27眼(79.4%)であり,レフ値より波面値のほうが有意に誤差が少なかった(p=0.027)。オートレフ測定不能眼の波面値と自覚値も有意な正の相関があった(r=0.976,p<0.001)。

結論:円錐角膜症例に対して,波面センサーによる他覚的屈折値は,自覚的屈折検査における参照データとして有用である。

今月の表紙

水晶体融解 山口 純 , 鈴木 康之
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 症例は75歳,女性。2014年より右眼の視力低下を自覚するも,子供の頃より近視が強く,20代の頃に感染症を起こした既往もあり(右視力0.1),放置していた。2017年2月に右眼の眼痛を訴え近医を受診し,当院を紹介され受診となった。

 初診時視力は右 光覚弁(+),左0.07(0.6×−4.25D()cyl−1.00 90°)。眼圧は,右26mmHg,左13mmHg。水晶体は,硝子体側へやや偏位しており,モルガニー白内障様の所見と水晶体融解が認められ,水晶体融解性ぶどう膜炎と診断された。眼底の透見はできず,超音波検査(Bモード)にて後部ぶどう腫を認めた。眼軸長は右30.53mm,左25.72mmと左右差があった。

海外留学 不安とFUN・第36回

ロンドンへ留学して・1 山本 健太郎
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 2017年の1年間,ロンドンのMoorfields Eye Hospitalへ客員研究員として留学した山本健太郎です。東京大学の朝岡 亮先生のご紹介で,古くは視神経の構造と機能とを関連付けたGarway-Heath map,最近はUKGTS(The United Kingdom Glaucoma Treatment Study)で広く知られるDavid Garway-Heath教授の主催される研究室へ留学し,緑内障の臨床研究に携わりました。網膜が専門である名古屋大学医学部眼科学教室から緑内障が専門のGarway-Heath教授のところに留学できたのは,本当に多くのご縁に恵まれたからで,ご指導いただいた先生方には心から感謝いたします。さて,今回は留学を検討中の先生方へのメッセージを込めて筆を執らせていただきたいと思います。

Book Review

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 約5年ぶりに改訂された『救急レジデントマニュアル 第6版』は第5版より約60ページも多い578ページに救急診療で必要な知識がコンパクトにまとめられています。救急診療に必要な知識は日々増大しており,これを白衣のポケットに入るサイズに収めることは大変なご苦労がおありだったと思いますが,救急の現場を知り,そこに必要なマニュアルとしてまとめてくださった監修の堀進悟先生,編集の佐々木淳一先生の熱意にあらためて感謝いたします。

 『救急レジデントマニュアル』は初版より,救急外来診療中に白衣のポケットから取り出して診療を「確認する」ことを目的に作成されています。レジデントから救急科の専門医まで,救急診療を知っている,理解している医師がすぐに見直せるマニュアルとしてどこの救急外来にも必ず1冊は置いてあることでしょう。第6版では,掲載される内容が多くなった分,各項,特に各論の部分についてはさらにコンパクトにエッセンスに絞った記載が行われています。このため,救急診療を学び始めた初期研修医にとっては「なぜ」「どうして」という記載がないため,この本のみを頼りに救急診療を行うことは危険です。初期研修医の方々には成書や自分にとってわかりやすい本で救急患者の「なぜ」「どうして」に目を向け,考えるトレーニングを積んだうえで救急診療に向き合っていただきたいと思います。

京都ERポケットブック 池上 徹則
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 本書は洛和会音羽病院救命救急センター・京都ERで「バイブル」とされてきた院内向けマニュアルを書籍化したものです。臨床教育病院の雄として名をはせる音羽病院由来のものだけあり,随所に秀逸なエッセンスが詰め込まれています。

 まずは冒頭数十ページの「原則編」にお目通しください。多くの医師にとってERという特殊な環境と特別な時間軸のなかで診療することは容易ではなく,またその特殊性を研修医の先生方に伝えることも困難ですが,ここでは患者さんの臨床像の変化に対する時間経過とその考え方,救急外来での診療の流れにおける時間とその考え方が非常に明快に記述されています。そして,これら「時間」についての考え方は,以下「検査編」を経て「トリアージで考える 主訴別アプローチ編」では,さらに緊急度を付与して整理されるなど,本書を通して幹のように貫かれています。

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目次

欧文目次

べらどんな 小口病
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 人名を冠した眼疾患のなかでも,国際的に知名度が高く,しかも謎が多いのが小口病である。

 発見されたのは,今から100年以上も前である。眼科医の小口忠太(1875〜1945)が東京の軍病院に勤務していた。明治38年(1905)のことであるが,そこに陸軍の兵士が分院から送られてきた。主訴は夜盲で,これがあると夜間の戦闘ができない。

ことば・ことば・ことば 腫瘍
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 「医学部の先生は偉い」ということを,学生のときに実感しました。病理学の授業でしたが,炎症には四つの特徴があるそうです。熱発,発赤,疼痛,腫脹がそれで,これをラテン語にすると,calor,rubor,dolor,tumorとなります。ラテン語では,それぞれの語尾が韻を踏んでいるのがオチです。

 凄いものだと感心しましたが,その先生が自分で発見したのではなく,先生の先生から教わった気がします。これが代々伝えられ,講義で使われたのではと思われるのです。

学会・研究会 ご案内

希望掲載欄

アンケート用紙

次号予告

あとがき 鈴木 康之
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 今年も残すところあとわずかとなりました。みなさん年末に向けてお仕事は順調に進んでいらっしゃるでしょうか?

 「臨床眼科」12月号をお届けします。先日,第72回臨床眼科学会が東京で行われましたが,今回も多くの参加者が国際フォーラムの迷路の中を縦横無尽に往来し,眼科の最新知識を貪欲に吸収されていました。一方,学会に先立って日眼より眼科専攻医登録の定員が各基幹施設に通知され,「都会」にあたる都道府県の基幹施設では定員が厳しく制限されてしまい,「都会」の田舎に位置する私の大学病院眼科の将来に希望が見えない状況に力が抜けてしまっている昨今です。医学部付属病院における学生教育,研修医教育,そして専攻医教育の重要性など言いたいことはいろいろありますが,現在巷で話題になっている「医学部不正入試問題」が文科省がらみであることや,うちの大学の近隣出身で元眼科医の某女史による当たり前発言などなど厚労省が眼科をいじめるには現在これ以上ない環境であることを考えると,どうにもならない無力感に苛まれざるをえない状況です。

基本情報

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臨床眼科
72巻13号 (2018年12月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

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