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はじめに
近年,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)を応用し,開発された光干渉断層血管撮影(OCT angiography:OCTA)は,非侵襲的に網脈絡膜血流を評価可能である。OCTAは連続的に網脈絡膜のOCT撮影を繰り返すことで得られる複数枚の画像間にあるシグナル変化(位相変化または信号強度変化,もしくはその両者)を血流情報として抽出することで血管像を構築し,フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)やインドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA)のように表示させる技術である。得られた画像は当然造影検査で得られる画像とは原理的に異なるものの,無灌流領域や脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)などの病変検出率は同等であるとされ,非侵襲的で検査時間が短く副作用がない利点も報告されている1)。ただし,撮影範囲が狭いこと,特有のアーチファクトが存在することや,脈絡膜血流の描出が不十分なことなどの問題点もある。
一方,FAおよびIAは網膜・脈絡膜病変の診断・評価に有用である。しかし,侵襲的な検査であり,低頻度とはいえ重篤な副作用が生じる可能性もあることから現状では敬遠される傾向にある。実際,FA/IAはより簡便で非侵襲的なOCTの登場により,その検査機会が減少している。ただし,現時点でもFA/IAは他では得られない所見があるため,病態把握のために大きな役割を担っている。
本稿ではOCTAの特徴と造影検査の同等性と違い,使い分けについて解説する。
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