臨床眼科 68巻7号 (2014年7月)

特集 第67回日本臨床眼科学会講演集(5)

原著

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要約 目的:前房水のpolymerase chain reaction(PCR)で診断が確定した急性網膜壊死8例の報告。対象と方法:過去44か月間に急性網膜壊死と診断した8例9眼を対象とした。男性7例8眼,女性1例で,年齢は13~87歳,平均48歳である。所見:前房水のPCRで,単純ヘルペスウイルス(HSV)が3例,水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が5例で陽性であった。HSVが陽性の1例では体幹の帯状疱疹の既往があった。網膜剝離は9眼中HSV 2眼,VZV 4眼を含む6眼に生じた。結論:急性網膜壊死の起因ウイルスでは,VZVが多かった。HSVによる急性網膜壊死では,若年者に生じ,長期間後に僚眼に発症するなどの非特異的経過をとることがある。

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要約 目的:悪性腫瘍患者にみられる網膜神経節細胞層(RGCL)と視神経線維層(RNFL)の菲薄化を画像解析した。対象と方法:悪性腫瘍群92名184眼を対象とし,正常眼圧緑内障群34名68眼,健常者群29名58眼を対照とした。悪性腫瘍の内訳は胃癌,食道癌,肝癌,大腸癌,腎癌などであった。画像解析装置は3D OCT-2000を用いた。結果:悪性腫瘍群では96.3%にRGCL菲薄化(健康対照との比較p<0.01)がみられ,RNFLの菲薄化は58.3%にみられた。健常者群と比較してRGCL厚の平均値は有意な(p<0.001)減少がみられた。結論:悪性腫瘍群では腫瘍の種類による特異性のないRGCLとRNFL厚の菲薄化がみられた。

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要約 目的:タフルプロストとトラボプロストを,それぞれ順序を変えて12週間点眼したときの満足度と自覚症状の報告。対象と方法:本研究は,7大学を含む29医療施設の共同研究として行われ,195例のうち脱落例を除く174例174眼を対象とした。男性71例,女性103例で,年齢は38~94歳,平均70歳である。原発開放隅角緑内障が167例,高眼圧症が7例であり,無作為に症例を2群に分けた。まず,0.0015%タフルプロストまたは0.004%トラボプロスト1日1回の点眼を2週間行い,これに続いて,タフルプロスト群ではトラボプロストを,トラボプロスト群ではタフルプロストを2週間点眼した。それぞれの点眼薬につき,満足度と自覚症状をアンケートで調査した。結果:タフルプロスト点眼とトラボプロスト点眼に伴う自覚症状に有意差はなかった。治療満足度は,タフルプロスト点眼が有意に好まれ,容器の違いがその原因であると推定された。結論:タフルプロスト点眼とトラボプロスト点眼に伴う自覚症状に差はなかった。タフルプロスト点眼が有意に好まれた。

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要約 目的:ブリモニジン酒石酸塩点眼薬(ブリモニジン)の追加投与による眼圧下降効果と安全性の報告。対象と方法:点眼薬で眼圧下降不十分な原発開放隅角緑内障174例174眼を対象とし,ブリモニジンを追加投与した。投与前の使用薬剤が1剤,2剤,3剤以上の群に分けて投与後6か月までの眼圧,副作用を調査した。結果:眼圧は投与1,3,6か月後に有意に下降し,下降率は1か月後の各群で有意差がなかった。副作用は10.9%で出現し,そのうち6.3%で投与を中止した。眼圧下降不十分で2.9%が薬剤変更となった。結論:ブリモニジンの追加投与により6か月間にわたり眼圧は有意に下降し,副作用が約10%で出現した。

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要約 目的:内科的に未治療のBasedow患者での,眼所見の頻度とこれに関係する因子の報告。対象と方法:Basedow病と診断され,内科治療を開始する前に紹介された171例を対象とした。男性26例,女性145例で,年齢は14~74歳,平均38歳である。Euthyroid Graves diseasesであるか,または3か月以上前から眼症状がある症例は除外した。甲状腺刺激ホルモン(TSH),TSH結合阻止抗体(TBⅡ),甲状腺刺激抗体(TSAb),抗サイログロブリン抗体(TgAb),抗ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)を測定した。全例で磁気共鳴画像(MRI)により4直筋の断面積とT2SIRを計測した。結果:眼症状の自覚は78%にあった。検査の陽性率は,TBⅡは98.2%,TSAbは86.5%,TgAbは53.2%,TPOAbは66.7%であった。眼球突出度は,TSAbの値と低年齢に関連していた。4直筋の断面積の総和は,TSAb値,喫煙歴,高年齢,男性であることと関連していた。T2SIR値の総和には,高年齢とTSAbが関連していた。結論:未治療のBasedow病患者では,Basedow病と診断された時期に,眼症がすでに発症している可能性が高い。MRIによる早期発見と,甲状腺刺激抗体の値が有用な指標になる。

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要約 目的:角結膜の上皮内眼にマイトマイシンCの点眼が奏効した症例の報告。症例:57歳男性が3年前からの右眼の角膜混濁で受診した。アトピー性皮膚炎があり,10年前に右眼の白内障手術を受けた。所見:矯正視力は右0.5,左1.0で,右眼に角膜混濁と,結膜上皮の侵入があった。生検で角結膜上皮内癌と診断し,1日4回の0.02%マイトマイシンC点眼を開始した。角膜混濁は消退し,2か月後の生検で異形成の所見が得られた。点眼を継続し,点眼開始から5か月後の生検で悪性の所見はなく,点眼を中止した。11か月後の現在まで,再発および角膜の上皮障害はない。結論:角結膜の上皮内眼にマイトマイシンCの点眼が奏効した。

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要約 目的:角膜潰瘍2症例の,前眼部光干渉断層計(OCT)による経時的な所見の報告。症例と経過:1例は26歳女性で,2年前から睫毛乱生による角膜浸潤でステロイド薬の点眼をしていた。1週間前から左眼に疼痛が生じた。左眼の角膜中央部に潰瘍があり,Descemet膜皺襞があった。潰瘍部の角膜厚は180μmで,真菌性潰瘍が疑われた。薬物投与と治療用コンタクトレンズの装用を行い,1か月後に寛解した。他の1例はCrohn病の既往がある64歳男性で,左眼の眼痛と視力低下で受診した。左眼の角膜耳下側に辺縁部潰瘍があり,潰瘍がある部位の角膜厚は320μmであった。薬物投与と治療用コンタクトレンズの装用を行い,16日後に潰瘍は寛解した。2症例とも,前眼部OCTにより,治療用コンタクトレンズの装用で角膜上皮が進展し,角膜実質の再生と角膜厚の増加が観察された。結論:前眼部OCTにより,治療用コンタクトレンズを装用した角膜潰瘍の治癒過程が観察された。

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要約 目的:鈍性外傷で,多焦点眼内レンズ挿入眼の虹彩が脱出し,眼内レンズ(IOL)には脱出や偏位がなかった症例の報告。症例:69歳男性が,右眼に打撲を受けた翌日に受診した。2年前に白内障手術と多焦点IOL挿入術を両眼に受けていた。所見:矯正視力は右光覚弁,左1.2で,右眼には前房出血があり,無虹彩であった。IOLは囊内に残り,偏位はなかった。前房洗浄と硝子体手術を行い,3か月後に遠見視力は1.2,裸眼での近見視力は0.6に回復した。結論:無虹彩であっても,多焦点IOL挿入眼の遠見視力は回復し,矯正の有無にかかわらず近見視力は不十分であった。

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要約 目的:眼内レンズ(IOL)の縫着後に,IOLの偏位と虹彩捕獲が生じ,IOLの摘出と再縫着を行ったMarfan症候群の2症例の報告。症例:1例は25歳女性,他の1例は41歳男性で,それぞれ18歳と19歳のときに大動脈基部置換術を受けた。第1例は20歳のときに毛様体扁平部経由での水晶体切除術を両眼に受け,その1年後にIOL縫着術を受けた。左眼には3か月後にIOL偏位と虹彩捕獲が生じ,その5年後に交換したIOLを縫着した。以後8年間の経過は良好である。第2例は,13年前に右眼,9年前に左眼に水晶体摘出とIOL縫着術を受けた。9か月前に鈍的外傷を契機として,左眼のIOL偏位と虹彩捕獲が生じたため,交換したIOLが縫着された。以後7か月間の経過は良好である。結論:Marfan症候群では,縫着したIOLの偏位に留意する必要がある。

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要約 目的:白内障,菲薄化した水晶体,緑内障が併発した先天小瞳孔の2症例の報告。症例:それぞれ生後3か月と7か月の男児が眼振と角膜混濁で受診した。両眼にそれぞれ瞳孔径0.2mmと0.5mmの小瞳孔があり,白内障と菲薄化した水晶体があった。水晶体摘出術と瞳孔形成術を両症例に行った。1例では以後眼圧が上昇したが,点眼加療で11年後の現在まで眼圧は正常化している。他の1例には発達異常緑内障の併発があり,線維柱帯切除術を行い,14か月後の現在まで眼圧は正常化している。結論:先天小瞳孔では,白内障,菲薄化した水晶体,緑内障が併発することがある。

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要約 目的:スペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)で経過を追った点状脈絡膜内層症の1症例の報告。症例:38歳女性が3週間前からの左眼変視症で受診した。近視があり,2年前に眼内レンズ挿入術を両眼に受けた。所見:矯正視力は右1.5,左0.2で,右眼には格別の異常所見はなかった。左眼後極部に境界が明瞭な小白斑が散在していた。SD-OCTで,視細胞内節エリプソイドの不明瞭化,網膜外層の反射亢進の多発,脈絡膜内層の反射亢進,脈絡膜厚の増加があった。蛍光眼底造影の所見から点状脈絡膜内層症と診断した。プレドニゾロンの経口投与を行い,2か月後に視力は0.8になり,SD-OCTでみられた網脈絡膜異常は改善した。結論:点状脈絡膜内層症の急性期には,網膜外層と脈絡膜内層に炎症性の病変があることが推定される。

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要約 目的:受傷後早期の自覚症状が軽微であった眼内金属異物の3症例の報告。症例:3症例はいずれも男性で,年齢はそれぞれ33歳,30歳,49歳であり,2例は大工,1例はとび職であった。3例とも作業中に受傷を自覚し,その当日または翌日に眼科を受診した。所見:初診時の矯正視力はいずれも1.2であり,1例には結膜充血,2例には角膜裂傷があり,CT検査で2例に硝子体異物,1例に虹彩異物があった。摘出された異物は,2例では金属片,1例では鉄釘であった。結論:穿孔性外傷では,受傷後早期の症状が軽微な場合があり,多角的な検査が望ましい。

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要約 目的:脈絡膜陥凹(choroidal excavation)をspectral-domain光干渉断層計(OCT)で観察した所見の報告。対象と方法:過去44か月間に脈絡膜陥凹と診断した15例16眼を対象とした。男性12例13眼,女性3例3眼で,年齢は44~90歳,平均62歳である。結果:9眼には眼底疾患がなく,3眼に加齢黄斑変性,2眼に中心性漿液性脈絡網膜症,1眼に成人型卵黄様変性,1眼に傍中心窩毛細血管拡張症があった。加齢黄斑変性2眼と傍中心窩毛細血管拡張症1眼には,脈絡膜陥凹部に漿液性網膜剝離があり,治療後に脈絡膜陥凹部の網膜剝離は消退した。結論:脈絡膜陥凹に網膜疾患が併発し,治療により消退することがある。

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要約 目的:片眼発症から24年後に僚眼に再発した急性網膜壊死の報告。症例:38歳女性。15歳時に右急性網膜壊死と診断され硝子体手術を施行。24年後に左眼の霧視を訴え来院。視力は右(0.3)左(1.0)。左眼前房内炎症,乳頭腫脹,周辺部網膜の白濁,蛍光眼底造影検査で網膜血管からの漏出を認め,左眼前房水PCR検査により単純ヘルペスウイルスDNA7×102 copy/mlを認めたことから,急性網膜壊死再発と診断した。経過中左(0.3)まで低下したが,その後(0.7)へ回復した。結論:片眼の急性網膜壊死が20年以上経過した後の僚眼への発症例は少ない。長期間の経過観察が必要と考えた。

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要約 目的:同名四半盲を呈したLeber遺伝性視神経症の報告。症例:52歳男性が3か月前からの両眼の視力低下で受診した。17年前に交通事故による脳挫傷の既往があった。所見:矯正視力は右0.2,左0.15,対光反射は良好で,左上同名四半盲があった。明らかな視力低下の原因を認めず,機能的視覚障害も考慮し経過観察とした。初診から1年後,視力は両眼手動弁,対光反射は減弱し,両眼に視神経萎縮があった。遺伝子検査でミトコンドリアDNA11778変異があり,Leber遺伝性視神経症と診断した。結論:頭部外傷による両眼性視野障害を呈する症例に,原因不明の視力低下を認めた場合,Leber遺伝性視神経症の可能性も念頭に置き,遺伝子検査を考慮する必要がある。

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要約 目的:涙管チューブ挿入術(SGI)前後による涙液動態についての報告。対象と方法:涙道閉塞症に対し,SGIを施行した22例30眼(平均69.7±5.6歳,男性9例,女性13例)を対象とした。術前,術後2か月(涙管チューブ留置),術後3か月(涙管チューブ抜去後)における,Schirmer値,涙液メニスカス高(TMH),涙液油層のGrade分類の結果について検討した。結果:TMHは術後2か月(p=0.021,paired-t),3か月(p=0.036,paired-t)ともに有意に改善し,涙液油層のGrade分類でも術後2か月(p=0.003,Wilcoxon-t),3か月(p=0.004,Wilcoxon-t)ともに有意に改善した。術前には正常範囲内とされるGrade 1,2の割合は24%であったが,術後2か月で48%,術後3か月で56%と増加した。結論:涙道閉塞症において涙液油層のGradeは高い傾向を示した。SGI後,TMHと涙液油層のGradeは有意に改善した。

Special Interest Group Meeting(SIG)報告

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 再生医療は従来まで行われてきた対症療法的な治療方法を,培養細胞やマテリアルを用いた根治療法へ一変させる可能性を秘めており,次世代の医療として期待されている。第67回日本臨床眼科学会ではSIGとして眼科再生医療研究会が開催された。本研究会は眼科の再生医療領域を中心として多くの研究者が集まり,毎年最新の知見について意見交換が交わされている。今回は以下の3演題が発表され,活発な議論が交わされた。

連載 今月の話題

角膜の再生医療 辻川 元一
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 角膜はすでに再生医療が標準的な治療として日常臨床に応用されつつある分野である。これは,すでに移植医療の長い歴史があり,再生医療の産物を生体に移入する方法が確立されていること,表面にある組織で観察が容易であり,小さい組織で必要な細胞量も少ないことが挙げられる。これはiPS細胞をはじめとした多能性幹細胞の臨床応用についても同様であり,早期の臨床応用が期待されている分野である。

連載 硝子体手術アジュバント―知っておきたいコツと落とし穴・第6回

ケミカルビトレクトミー 浅見 哲
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コツ

1.プラスミン酵素の作用が発揮されるまで30~45分待つ。

2.効果が期待できるのは,400μm以下の小さな黄斑円孔や接触面積の小さな硝子体黄斑牽引症候群である。

3.プラスミンはできるだけ硝子体中央部に注入する。

落とし穴

1.急性後部硝子体剝離により網膜裂孔が生じる可能性があるので,投与前に網膜格子状変性のチェックを行う。

2.広範囲の黄斑上膜や増殖性の疾患では効果は多くは期待できない。

3.Zinn小帯が脆弱な,偽落屑症候群やMarfan症候群などの症例には慎重に投与する。

連載 何が見える? 何がわかる? OCT・第18回

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Point

◎ガス充満眼でも鮮明なOCTが撮影でき,特にIOL眼ではほぼ100%撮像できる。

◎黄斑円孔術後早期にガス下OCTを用いることで,円孔の状態を確認することができるとともに,下向き体位制限の要否を適時決めることが可能である。

◎ガス下OCTの特徴には理解が必要で,特に縮小表示されてしまうことは未閉鎖円孔の見逃しに繋がるため注意が必要である。

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 そもそもぶどう膜炎は難しい。というか勉強がしにくい。原因不明のぶどう膜炎がそのほとんどであるから難しいのだろうか。医局員時代,先輩にステロイドの使い方をこまごまと指導されたからとっつきにくくなってしまったのだろうか。だいたいステロイドの使い方を別の先輩に尋ねると必ず違った使い方を指示されたものだ。ゴールデンスタンダードがないんだ,この世界は。

 と思っていたところ,この本が出版された。聡明な人たちが作った本は大変面白い,というのが読み終わっての正直な感想だ。

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 症例は32歳,男性。2009年に当院を初診し,経過を観察していた円錐角膜患者である。2011年9月下旬に右眼痛で来院した。細隙灯顕微鏡で急性水腫に伴う角膜中央部の穿孔を認めた。前眼部OCTで検査したところ,角膜穿孔が確認され,前房が消失し,虹彩が角膜後面に付着した状態であった。急性水腫に伴う角膜穿孔と診断し,順天堂大学眼科に紹介し,3日後に右眼全層角膜移植術の施行となった。

 その後の経過は順調で,2013年より当院にて経過観察している。5月に右眼ハードコンタクトレンズを処方し,矯正視力は発症前の(0.5)から,(1.2)と改善した。

やさしい目で きびしい目で・175

私の音楽活動(3) 佐藤 弥生
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 第1回は私の音楽活動の歴史,第2回はライブについて書きました。最終回は眼科関連のお話とCDについての詳細を…。

 アフリカ眼科医療を支援する会(略称AOSA)の事務局が徳島大学と新潟大学にあります。徳島大学の内藤毅先生が理事長で,副理事長をされている荒井紳一先生は新潟大学網膜班の先輩でしたので,現地での活動のビデオをリアルタイムで見せて頂きました。私はアフリカに行ったことはありませんが,その映像を頭の中で回想すると,もくもくとイメージが沸き,曲が2曲,一気にできました。あるアコースティックライブでピアノ弾き語りで初披露したところ,お客さんは眼科には全く関係のない方ばかりでしたが,とても好評で,その2曲をシングルCDとしてリリースしました。「The Road to Africa―始まったばかりの旅だから/一歩ずつ歩いて行こう」です。イメージソングとしてAOSAの活動プロモーションビデオのバックに流して頂いています。ビデオはYouTubeでご覧になれます。ライブでもよく歌いますが,お客さんの反応はとても良く,自分で言うのも何ですが何回歌ってもいい曲だと思います。そんな自分の曲達を,やはりミュージシャンとしては一人でも多くの人に届けたい…。ライブやCDで…。

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要約 背景:老視矯正で,1眼を遠方視,他眼を近方視にする方法がある。通常は優位眼を遠方視,非優位眼を近方視にする(conventional monovision)。状況により,これを逆にすることがある(crossed monovision)。目的:単焦点眼内レンズ(IOL)による2方法のmonovisionの成績の報告。対象と方法:術後6か月を経過した高齢者27例を対象とした。17例はconventional,10例はcrossed monovisionとした。各症例につき,全距離視力,近見立体視,満足度,眼鏡使用度を調査した。結果:中間距離での両眼開放視力と,近見立体視が,crossed monovision 10例では,他の17例よりも低かった。満足度と眼鏡使用率は,両群とも同様であった。結論:Crossed monovisionは,通常の方法よりも一部の視機能が劣るが,満足度は同様であり,老視矯正の選択肢の1つになる。

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要約 目的:作用が長時間持続するとされるロピバカインによるテノン囊下麻酔で硝子体手術を行った報告。対象と方法:過去25か月間に20ゲージ硝子体手術を行った73例74眼を対象とした。男性35眼,女性39眼で,年齢は42~89歳,平均67歳である。56眼では白内障と硝子体の同時手術,16眼では硝子体手術のみ,2眼では眼内レンズ縫着と硝子体の同時手術が行われた。患者を無作為に3群に分け,27眼には0.75%塩酸ロピバカイン,17眼には0.5%塩酸ブピバカイン,30眼には2%塩酸リドカイン各4mlによるテノン囊下麻酔を行った。術中の痛みは100段階のvisual analog scaleと,術者が5段階で主観的に判定した。結果:平均手術時間は,3群間に差がなかった。Visual analog scaleによる術中の疼痛は,3群間に差がなかった。術者の主観では,リドカイン群よりもロピバカイン群の手術が容易であった(p=0.0058)。局所麻酔による全身の副作用はなかった。結論:白内障と硝子体の同時手術,または硝子体単独手術で,0.75%塩酸ロピバカインによるテノン囊下麻酔は,0.5%塩酸ブピバカインまたは2%塩酸リドカインと同等な鎮痛効果が得られた。

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要約 目的:眼疾患がなく,視力良好な表面散乱光増強患者に眼内レンズ(IOL)を交換した報告。症例:82歳男性が右眼の霧視,光の散乱を主訴に受診した。所見:矯正視力は右1.2,左1.5で,眼疾患は認めなかった。右眼に挿入されたアクリルIOL(左眼はシリコーンIOL)のみ表面散乱光の増強を認めた。右眼のIOL交換を施行し,コントラスト感度は改善し,霧視,光の散乱は軽減したが,左眼と比較すると完全ではないと答えた。結論:眼疾患のない視力良好な表面散乱光増強患者に対するIOL交換により,コントラスト感度および自覚症状の一定の改善を得られた。しかし,眼疾患を伴う場合と比べ,改善度は軽度であり,対眼との比較も影響するため,摘出交換には慎重な対応が必要と考えられた。

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欧文目次

第32回眼科写真展 作品募集
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 第68回日本臨床眼科学会(神戸ポートピアホテル・神戸国際展示場)会期中の2014年11月13日(木)~11月15日(土)に開催される「第32回眼科写真展」の作品を募集します。

べらどんな 天然色写真
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 「眼底写真はカラー」が常識だが,その歴史は新しい。

 その良い例がDuke-Elderの名著Textbook of Ophthalmologyである。全7巻のうち,眼底疾患を扱う第2巻は1940年に出た。この巻だけで1463ページの大冊であるが,眼底はすべて手描きで,白黒写真すらない。戦前の日本もそうであったが,専属の画家が眼科にいて,前眼部や眼底を水彩で描いていた。

べらどんな モルガーニ先生
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 ヨーロッパでの現代医学は1543年に始まったと思っている。この年にはヴェサリウス(Andreas Vesalius,1514-1564)の大きな『人体解剖学』が出たからである。さらに,ポルトガル人が種子島に来訪して鉄砲を伝え,コペルニクス(Nikolaus Kopernikus,1473-1543)の『天体軌道の回転について』が出版されたのもこの年である。

 しかし,医学が進歩するためには,解剖学とともに病理学が重要である。解剖学者でありながら,病理解剖学で新分野を開拓したのがモルガーニ(Giovanni Battista Morgagni,1682-1771)である。

ことば・ことば・ことば ラテン語
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 漱石の『三四郎』は,大学生の頃から繰り返し読んでいます。東京と大阪の朝日新聞に,明治41年(1908)の9月から連載小説として掲載されました。

 翌年の5月に本になりましたが,読者のだれもが理解できなかったはずの話が,その中に出てきます。大学生の会合があり,そこで「ダーターファブラ」が連発するのがそれです。

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あとがき 下村 嘉一
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 本稿を書いているのはゴールデン・ウイークが過ぎてほっと一息ついている時期です。秋の臨床眼科学会に向け,準備に勤しんでいる先生方もいらっしゃることと思います。医学ニュースではSTAP細胞の論文の是非が論議され,医学論文の書き方にマスコミを巻き込んでさまざまな意見が飛びかっています。レベルは異なりますが,我々眼科医も対岸の火事とせず真摯に医学論文について考える良い機会ではないでしょうか。

 さて,「今月の話題」は阪大の辻川先生が執筆された「角膜の再生医療」です。従来眼科領域が最も再生医療に適した場であると指摘されてきましたが,非常にわかりやすく解説されており,一読の価値,非常に高いと評価いたします。読者の先生方も患者さんから日常臨床の場で「再生医療」について質問されることが多いかと思いますので,ぜひご参考ください。

基本情報

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臨床眼科
68巻7号 (2014年7月)
電子版ISSN:1882-1308 印刷版ISSN:0370-5579 医学書院

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