公衆衛生 83巻12号 (2019年12月)

特集 栄養と健康—糖質制限食を中心に

石原 美千代
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 栄養・食生活は私たちの生命の源です.言うまでもなく,社会生活機能の維持および向上,ならびに生活の質の向上の観点からも重要であり,「健康日本21(第二次)」においても生活習慣病予防の基本要素とされています.

 薬食同源,医食同源といわれるように,私たちは食べ物が持っている健康を守る力に期待し,注目してきました.一方で,栄養・食生活への期待と関心が高まりすぎたせいか,テレビ・雑誌などのマスメディアやインターネットには,科学的根拠が疑わしい情報があふれています.10年ほど前から注目を集めてきた「糖質制限」はブームを超えて定着した感がありますが,減量や老化防止などの効果はどのように評価すべきでしょうか.

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はじめに

 われわれは,われわれの健康を保つために必要な正しい栄養知識を持っているだろうか.もし持っていないとすれば,それはなぜだろうか.本稿では,2型糖尿病(以下,糖尿病)や肥満の食習慣リスクに関する知見を例として,この問題について考える.

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はじめに

わが国の食事療法の問題点

 わが国において,メタボリックシンドロームやその時間的推移を示すメタボリックドミノが公衆衛生学上の問題となってから久しい.これまで,わが国の肥満や糖尿病の食事療法として採用されてきたのは,唯一無二でエネルギー制限食であり,概して標準体重に身体活動係数を乗して1日のエネルギー量を処方する方法が採用されてきた1).日本糖尿病学会には専門医向けのガイドラインである「糖尿病診療ガイドライン」2)3)と一般医家向けの「糖尿病治療ガイド」1)が存在するが,いずれの記述も同様である(表1)1)2).栄養素比率についても概して炭水化物50〜60%,蛋白質15〜20%,脂質20〜30%程度で推奨されてきた(表1)1)2)

 しかし,わが国で行われた「J-DOIT3」という2型糖尿病患者を対象にした,厳格多面的治療介入と標準多面的治療介入を比較した試験において,標準体重に27を乗する厳格治療群にせよ,標準体重に25〜35を乗する標準治療群にせよ,3年後の時点ではBMI(body mass index)は(有意ではなかろうが)増加していたことが示された(24.8→25.1 vs. 24.9→25.0)4).エネルギー制限食指導の意義は臨床研究の場で否定されたのである.

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はじめに

 現在の過栄養時代にあって,健康的な食事の目指すところは,エネルギーと栄養の確保に加えて,肥満と糖尿病の予防かもしれない.糖質制限食の体重に対する優位性を示すエビデンスの報告1)が契機となって,また,SGLT2阻害薬が糖尿病治療薬の選択肢に加わったことで,あらためて3大栄養素バランスが市民レベル,あるいは学会レベルで議論されるようになった.

 糖尿病治療における食事療法の目的は,摂取エネルギーと栄養バランスを最適化させることで,全身の代謝状態を可能な限り正常に近づけて健康寿命を延ばすことである.一方で,合併する腎症や動脈硬化症の管理のために,タンパク質負荷や脂質代謝異常にも配慮すべきである.また,増大する高齢者糖尿病患者では,サルコペニア,フレイル,認知症などの老年症候群の予防によるQOL(quality of life)の維持・向上が重要であり,年齢ごとに適正なエネルギー摂取量や栄養バランスを考えることも大切である.

 糖尿病ではインスリンの絶対的・相対的作用不全によって糖質摂取が直接的に血糖上昇につながる.エビデンスが蓄積されるにつれ,糖質制限食は糖尿病食事療法の1オプションとして受け入れられつつある.しかし,糖尿病患者を対象とした大規模な長期的エビデンスは不十分であり,その有効性と安全性をめぐる議論が続いている2)3)

 未病の市民あるいは糖尿病患者に対して保健指導あるいは食事療法を行う上で,糖質制限食をどのように位置付け,どのように説明するべきか,戸惑うことも多い.保健指導や治療を行う上では「糖質制限食は同時に高たんぱく質食あるいは高脂肪食である」という視点が求められる.そして,糖質から独立して,たんぱく質あるいは脂質の過剰摂取がもたらす生体への影響への理解なしに,食事の栄養バランスは議論できない.

 本稿では,糖質の摂取量あるいはエネルギー比率を変えることでシフトする3大栄養素バランスが糖尿病,肥満症,健康に及ぼすインパクトを,疫学,臨床医学,そして基礎医学の視点をクロスオーバーして論考する.

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はじめに

 生活習慣への介入は,2型糖尿病における治療の基本となるものである.2型糖尿病の食事療法の意義は,全身における良好な代謝状態を維持することによって合併症を予防し,かつ進展を抑制することにある.そのために,総エネルギー摂取量の適正化を通して肥満を解消するとともに,インスリン分泌不全を補完し,インスリン作用からみた需要と供給のバランスを取ることによって,高血糖のみならず糖尿病の種々の病態を是正することを目的としている.インスリンの作用は糖代謝のみならず,脂質および蛋白質代謝など多岐に及んでおり,これらは相互に密接な連関を持つ.このことから,食事療法を実践するに当たっては,個々の病態に合わせて,高血糖のみならず,あらゆる側面からその妥当性が検証されなければならない.

 しかし,糖尿病の病態,ならびにその背景をなす食習慣が多様化した現在,一定の管理目標を掲げた画一的な栄養指導には実効性を期待できない.一方,慢性疾患と栄養に対する社会的関心が高まったため,諸学会が食事療法に関するガイドラインを発表したが,関心領域の違いから不統一感があるのは否めない.最も重要な問題は,総エネルギー摂取量の設定法である.あらゆる慢性疾患における食事療法の基本となるからである.

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はじめに

 糖尿病治療において栄養食事療法は治療の基本であり,かつ,生命維持活動に不可欠のものである.Joslin1)は「ジョスリン糖尿病学」において「糖尿病の患者教育は治療の一部として極めて重要である」としている.また,Krallら2)は「糖尿病の患者教育は治療の一部ではなく治療そのものである」と,教育の必要性を明確にしている.WHO(World Health Organization)は「教育は糖尿病治療にとって不可欠なものであり,糖尿病患者を社会に復帰させるために必須である」として,やはり教育が治療の基礎であると位置付けている3)

 糖尿病の治療の目的は,①正常なブドウ糖ホメオスターシスを回復し,血糖値の変動による感染症や意識障害を防ぐことと,②長期的合併症を防ぐための危険因子を減少することであろう.進行性の慢性疾患である糖尿病では,患者自身が治療の主体者とし,治療方法を自らが学び理解し実践することが勧められる.しかし,糖尿病は患者自身が治療による転帰改善を実感できにくい.医療者はさまざまな代替評価指標で将来を予測して栄養食事療法の実践の価値を強調・説明する必要がある.

AGEs生成を抑える食生活 米井 嘉一
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はじめに

 近年,2型糖尿病,メタボリックシンドローム,脂質異常症といった「糖化ストレス」関連の生活習慣病が著明に増えつつある.これは日本国内や東南アジアをはじめ,世界的にみられる兆候である.糖化ストレスとは,グルコースや果糖などの還元糖,脂質,アルコールに由来するアルデヒドが過剰となり,体内の蛋白質と非酵素的に反応し,複雑な過程を経て,カルボルニル化蛋白や糖化最終生成物(advanced glycation end products:AGEs)を生成する反応を中心とする一連の生体反応である1)2).AGEsは組織内に沈着するとともに,receptor for AGE(RAGE)に結合して炎症性サイトカインを生成し,身体のさまざまな臓器,組織に障害を惹起する1).一部のAGEsはスカベンジャー受容体を介して細胞質内に移行して小胞体ストレスを惹起し,核内に至ればエピゲノム変化3)を引き起こす.食後の急激な血糖上昇(140mg/dL以上)は「血糖スパイク」4)と呼ばれ,開環型グルコースの露出アルデヒドによって同時多発的に多種のアルデヒド生成が惹起され(アルデヒドスパーク),血管内皮細胞障害をはじめとする組織障害の引き金となる(図1)5).代表的な中間体アルデヒドとしてグリセルアルデヒド(GA),3-デオキシグルコソン(3DG),グリオキサール(GO),メチルグリオキサール(MGO)が挙げられる.

 食後高血糖は,これまで考えられてきた以上に生体へのダメージが大きい.中性脂肪やLDLコレステロールからもアルデヒドが生成されるので,脂質異常症も糖化ストレスの強い病態に位置付けられる.本稿では糖化ストレスを減弱させ,AGEs生成を抑える食生活について述べる.

特定保健用食品への期待 阿部 圭一
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はじめに

 2019年7月に発表された厚生労働省のまとめ1)によると,2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳,男性が81.25歳で,男女ともに過去最高を更新して世界でも有数な長寿国となっている.「人生100年時代」2)が議論される中,わが国の2017年度の医療費は総額42.2兆円,介護費は10.2兆円にも上っており,国民一人一人が健康への意識を高めて健康寿命の延伸に取り組むことが重要となっている.しかし,糖尿病が疑われる成人が2016年の時点で初めて推計1,000万人に上ったことが「国民健康・栄養調査」3)で明らかとなった.糖尿病が重症化した場合には人工透析治療が始まり,日常生活や食事の厳しい制限などQOL(quality of life)の大幅な低下につながる.透析にかかる医療費は年間1兆円を超えており,医療費全体への影響も少なくない.

 現代社会には,不規則な生活や睡眠不足,運動不足があり,栄養面ではファストフードやインスタント食品を利用する機会が増えていることなど,健康寿命延伸のために取り組むべき課題は多い.不足しがちなビタミン,ミネラルなどの微量の栄養成分や,疾病予防につながる機能性成分を配合した健康食品を適切に取り入れることも,課題解決の一つの手段となり得る.健康食品には厳密な定義はないが,「健康の保持増進の効果があるとして販売されている食品全般」を指す.この健康食品が糖尿病予防をはじめ健康寿命延伸に貢献するためには,科学的根拠が不十分なものや粗悪製品を排除するとともに,正しい利用方法を利用者に十分に理解してもらうことが必須である.

 本稿では,健康食品,その中でも特に効能,保健機能に関する表示のルールが定められている3つの保健機能食品,すなわち①特定保健用食品(トクホ),②機能性表示食品,③栄養機能食品について解説する.また,その歴史や概要,課題と期待に関して整理する.

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はじめに

 個人の健康づくりを支援するための食べ物・情報へのアクセスとして,食環境整備の推進が挙げられる.そのためには,企業などによる健康づくりや,食・栄養に関する正確で分かりやすい情報発信が重要であり,また,身近なところで気軽に相談できる団体や公的施設が必要である1)

 国民に健康の維持増進や生活習慣病の予防などに資する栄養情報を提供し,適切な食品選択を支援する観点から,食品の持つ機能のうち,エネルギーを供給することをはじめとする各種栄養成分や,色,味,香りなど嗜好に作用する有効な成分を周知することも重要である2)

 本稿では,生活習慣病予防に有効な食品の栄養成分からみた食品の分類法(ツール)について解説する.わが国における「日本食品標準成分表」は1950(昭和25)年に初めて公表され,それ以後,改訂を繰り返してきた.最新の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2018年」3)の概要についても述べる

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「医系技官」との出会い

 医師免許・歯科医師免許を有し,専門知識を持って保健医療に関わる制度づくりの中心となって活躍する,医系技官という職業があります.

 私がこの医系技官という職業を知ったのは,医学部在学中に厚生労働省に務める知人から,省内に技術系行政官として働く医師がいると聞かされたことがきっかけでした.医学部に入ったものの,将来どういったキャリアを選択すべきか考えあぐねていた私にとって,医系技官という選択肢はとても新鮮な響きに感じられました.まずは初期臨床研修でいろいろと経験してから判断しようと考えていましたが,座学から離れて実際の医療の現場に触れるにつれ,病院での治療だけではどうにもならない社会的な課題もあることを知りました.そういった課題の背景にはどういった事情があるのか,また課題の解決に向けてどういった検討がなされているのか,自分もそういった検討に関わる業務に携わりたいという思いが強くなり,医系技官として厚生労働省に入省することを決意しました.

連載 世界に届け! Boshi-Techo・2

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はじめに

 「ガーナ」と聞くと,皆さんがまず思い浮かべるのはチョコレートであろうか.ガーナ共和国は,西アフリカにある人口2,800万人の小さな国である.アフリカ大陸で最初となる1957年に独立した歴史を持ち,誇り高く,陽気で,エネルギーにあふれた国でもある.しかし,母子の健康は今でも大きな課題となっている.2015年の報告によると,妊産婦死亡率は出生10万人当たり319人,新生児死亡率は出生1,000人当たり23人であった1).母子の死亡リスクが高いのは,妊娠期から産後1カ月である.この間にケアを継続的に受けることができれば失われなかったであろう命はたくさんあるはずである.しかし,母親や配偶者の知識,価値観,経済力に加え,保健施設へのアクセス,人材や資源などの影響によって,全ての母親が継続的にケアを受けることはいまだに難しい.

 2012〜2016年の4年間,筆者らは日本の国際保健政策の一環として,EMBRACE(Ensure Mothers and Babies Regular Access to Care)実施研究プロジェクト(以下,EMBRACE)を実施した2).これは,ガーナ保健省,東京大学,国際協力機構(JICA)の共同プロジェクトであり,ガーナの北部,中部,南部の3州6郡をプロジェクト対象地とした.母子の健康を継続ケアの強化によって改善することを目標にして,実現可能で持続可能な母子保健継続ケアパッケージを開発・実施し,その効果を分析することが主な活動であった.

 最初に行った現状調査では,母子保健継続ケアの厳しい現実が明らかとなった.当時は,世界保健機関のガイドラインに基づき,妊婦健診4回,保健施設で分娩介助者立ち会いの下の出産,産後健診3回が推奨されていた.この8回の受診のうち,産後1回目(48時間以内)の受診率が25%と最も低く,継続ケアの切れ目となっており,全8回の受診達成率はわずか8%であった.

 継続ケアを「妊婦健診4回,施設での分娩介助による出産,産後健診3回の全てを受けること」とあらためて定義し,継続ケアを8%から50%に改善することを目標とした.まずは,4つの介入で構成した母子保健継続ケアパッケージを考案した.一つ目は,継続ケアの切れ目である産後1回目の健診を強化するため,施設で出産した母子には最低24時間入院してもらい,健診を提供する介入である.二つ目は,自宅で出産した母子には,ヘルスワーカーが48時間以内に家庭訪問し,健診を行う介入である.残りの二つは継続ケアを全体的に強化するための介入であり,ヘルスワーカーを対象にした研修と,継続ケアカード(以下,CoCカード.図1)であった.このCoCカードがEMBRACEの成功を握る鍵となった.

 本稿では,CoCカードの作成・実施と成功の鍵となった「ナッジ」(nudge)について紹介する.

連載 リレー連載・列島ランナー・129

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はじめに

 大阪大学大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンター(以下,当センター)は「双生児研究」(ツインリサーチ)を専門に行う機関として,2009年4月に設置され,2019年で10周年を迎えた.双生児研究はあまり聞いたことがない分野だと感じる方も多いかもしれない.

 筆者と双生児研究の関係は大学生時代にさかのぼる.当時,大阪大学医学部保健学科に在籍していたが,指導教授であった早川和生先生(大阪大学名誉教授)が双生児研究に携わっておられた.このため,双生児研究は非常に身近な研究分野であったものの,筆者自身は別の研究テーマを選んでおり,深く携わることなく卒業した.その後,保健所保健師として母子保健事業に従事し,また,大学院で公衆衛生学を学んで,再び早川先生(当時,当センター長)の下で双生児研究に従事することとなった.

 ところで,双生児研究には「ふたごの」「ふたごによる」「ふたごのための」研究がある(図1).「ふたごの」研究とは,ふたごの妊娠をはじめとした,ふたごはなぜ生まれるのか,また単胎の場合と異なるふたご特有の現象など,ふたごに関する研究をいう.「ふたごのための」研究は,その名のとおり,ふたごの方々に特有な問題を解決することを目指した研究を指し,ふたごをどう育てるかといった多胎育児支援に関連した研究が最もイメージしやすいだろう.「ふたごによる」研究とは,ふたごを対象者として,さまざまな表現型や現象における遺伝と環境の影響に関する研究を指すが,ふたごだけでなくヒト全般における影響についての知見が得られるところとなる.これらは独立しているものではなく,重複する分野もある.

 双生児研究の歴史,日本で行われている取り組みや海外の大規模な双生児研究については既刊1)〜3)を参照いただきたい.

 おそらく,多くの読者は「双生児研究」と聞くと,「ふたごの」または「ふたごのための」を想像される方が多いであろう.これらの双生児研究はいずれも重要であり,当センターでも総合的に取り組むことを目指しているが,本稿では当センターの中核をなす「ふたごによる」研究を中心に紹介し,公衆衛生と研究をつなぐ架け橋について考える.

予防と臨床のはざまで

予防医療医の夏2019(前編) 福田 洋
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 2019年の夏も飛ぶように時間が過ぎて行きました.予防医療医の日記風に,この時期の活動を振り返ってみたいと思います.

 6月13日,第257回さんぽ会月例会.テーマは「健康診断の事後措置」です.基本的なテーマにもかかわらず参加者は過去最高の160名となり,会場は熱気に包まれました.坂本宣明氏(ヘルスデザイン株式会社),横川博英氏(順天堂大学.以下,順大),濱田千江子氏(順大)に登壇いただき,産業医と臨床医の双方の目線から,いかに健診結果を放置せず元気に働くための支援や受診につなげるかをお話しいただきました.健診の事後措置が職域において古くて新しいテーマであることを再確認できた月例会となりました.

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 子ども時代に読んだ本,あるいは読み聞かせてもらった物語は,生涯において記憶に残ります.それが児童文学を紡ぐ作家の醍醐味でもあるのでしょう.児童文学者で本作品の主人公であるアストリッド・リンドグレーンの作品がわが国に紹介されたのは1960年代以降のことですから,それ以前に子ども時代を過ごした年代の方々には,なじみのなかった方もいらっしゃるかもしれません.「長くつ下のピッピ」「やかまし村の子どもたち」「名探偵カッレ君」や「ロッタちゃん」のシリーズなど,それ以後の世代の方々は,どこかでリンドグレーンの作品に触れていらっしゃると思います.そんなリンドグレーンの晩年でしょうか,年老いた女性が,子どもたちから届いた手紙の1通,1通に目を通している場面から映画は始まります.

 「あなたはなぜ,そんなにも子どもの気持ちが分かるのですか?」

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目次

書評

次号予告

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 本号の特集では,誰にとっても身近な栄養・食生活を取り上げました.2019年5月に「糖尿病診療ガイドライン」の改訂が予定されていたこと,個人的にも1型糖尿病患者として糖質制限に興味があったことから,「糖質制限食を中心に」をサブテーマとして先生方に執筆をいただきました.

 佐々木敏先生の「健康的な食事は健全な情報源から」では,「残念ながら,食事と健康に関する情報が学術論文に基づくべきだという考え方は希薄ではないだろうか」「医師・看護師(保健師)の教育課程において栄養学(特に公衆栄養)の教育が乏しい」というご指摘を受けました.自覚はあったものの,あらためて「『健康的な食事』はむずかしい学問(科学)の上に成り立っている」ことを公衆衛生従事者として認識すべきと肝に銘じました.

基本情報

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公衆衛生
83巻12号 (2019年12月)
電子版ISSN:1882-1170 印刷版ISSN:0368-5187 医学書院

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