視点
保健医療行政において公衆衛生医師が果たす役割—医系技官として働いて
中村 梨絵子
1
1さいたま市保健福祉局保健部地域医療課
pp.858-859
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209280
- 有料閲覧
- 文献概要
「医系技官」との出会い
医師免許・歯科医師免許を有し,専門知識を持って保健医療に関わる制度づくりの中心となって活躍する,医系技官という職業があります.
私がこの医系技官という職業を知ったのは,医学部在学中に厚生労働省に務める知人から,省内に技術系行政官として働く医師がいると聞かされたことがきっかけでした.医学部に入ったものの,将来どういったキャリアを選択すべきか考えあぐねていた私にとって,医系技官という選択肢はとても新鮮な響きに感じられました.まずは初期臨床研修でいろいろと経験してから判断しようと考えていましたが,座学から離れて実際の医療の現場に触れるにつれ,病院での治療だけではどうにもならない社会的な課題もあることを知りました.そういった課題の背景にはどういった事情があるのか,また課題の解決に向けてどういった検討がなされているのか,自分もそういった検討に関わる業務に携わりたいという思いが強くなり,医系技官として厚生労働省に入省することを決意しました.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.