総合診療 28巻10号 (2018年10月)

特集 クリニカル・パールPremium!—憧れのカリスマ医師はかく語りき

徳田 安春
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カリスマ医師たちは、私たちの永遠のロールモデルです。偉大な伝説のカリスマ医師、また今も多くの人々に愛され活躍されるシニア的存在のカリスマ医師。時代をも超越するこのような医師たちからの教えは、格別な、珠玉のものです。その言葉(クリニカル・パール)は、私たちの心の中に脈々と生き続け、医師人生の糧となり、生涯における確かな心の羅針盤となってくれるでしょう。

本特集では、カリスマ医師たちの教えについて最も熟知した医師・看護師による振り返りに基づき、最も印象的かつ読者と共有したいクリニカル・パールを開陳していただきました。

伝説のカリスマ医師はかく語りき

日野原重明先生はかく語りき 徳田 安春
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日野原重明先生プロフィール

 日野原先生は1911年生まれ。1937年京都帝国大学医学部を卒業。米国ジョージア州アトランタのエモリー大学に留学。聖路加国際病院の医師、院長、理事長、名誉院長を歴任。聖路加看護大学学長も務められた。2017年、現役医師のまま105歳で永眠された。生涯にわたって、日本の医療や社会に多くの素晴らしい貢献をした。ホスピスによる緩和ケア、生活習慣病の予防、ウィリアム・オスラー博士の『平静の心』1)(p.1350)などを日本で初めて紹介または導入した。さらには、新老人などの概念を世界で初めて提唱した。1970年のよど号ハイジャック事件では、日野原先生は人質の1人であったが、乗客の不安と恐怖を取り除くために、優しい指導力を発揮した。1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件では、多くの被害者の救命とケアのため、聖路加国際病院院長として最前線で陣頭指揮に当たった。また、全国の小学校を回り、命の大切さについて説いた2)

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ウィリアム・オスラー先生プロフィール

 ウィリアム・オスラー先生(1849-1919)は、近代医学の基礎を作った世界史上最も偉大な医師である。オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)やオスラー結節(感染性心内膜炎を認める皮膚所見)の病名にその名が付いており、研究者としても有名である。論文だけでも実に1,253のペーパーを残しているが、臨床医学だけではなく、自然科学、獣医学、医学史、社会医学、病理学など、その業績の範囲は多岐にわたる。

 しかし、オスラー先生を、「○○を発見した人物」という言葉だけで表現すべきではない。医学生を講義室から病室(ベッドサイド)へ連れ出し、またインターン・レジデント制度などの卒後教育を確立し、何より、医のヒューマニズムを実践した人物なのである。その教えは今もなお、医師・看護師といった医療人に留まらず、すべての社会人に影響を及ぼし続けている。

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 ウィリス先生のファースト・ネームは、ジョージである。フルネームは、ジョージ・クリストファー・ウィリス(George Christopher Willis)先生。

 ところで先生は、「ジョージ」を殊のほか嫌がられた。正式の署名も、「G. Christopher Willis」と綴られる。愛妻のマーガレット夫人による呼名も、必ず「クリストファー」であった。市立舞鶴市民病院での教え子は、「ウィリス先生」ないし「ウィリス」と、ファミリー・ネームで呼んだ。先生は当時、60歳台前半から半ばにかけての年代であり、教え子最年長の私が、まだ30歳代後半だったことにもよる。

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サパイラ先生プロフィール

 1936年生まれの米国の内科医。1961年ピッツバーグ大学医学部卒。内科と精神科の専門医資格を取得。多くの大学のファカルティを歴任し、その身体診察の技術の高さは広く知れ渡っていました。1990年に氏が出版した『The Art & Science of Physical Diagnosis』1)(以下『サパイラ』と略)は、その内容の幅広さと奥深さ、そして批判精神に満ちた独特の語り口も相まって、身体診察を学ぶ臨床医にとって、未だ他書の追随を許さないバイブルです。氏が沖縄県立中部病院や市立舞鶴市民病院に指導医として招かれた際には、その卓越した臨床能力で周囲を驚かせました。『サパイラ』は第2版以降、オリエント氏によって改訂が続けられています2)。2013年に第4版の日本語訳3)が出版されました(p.1358)。

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イアン・マックウィニー先生プロフィール

 イアン・マックウィニーは1926年に英国でGP(一般開業医)の長男として出生した。ケンブリッジ大学で医学を修め、病院での臨床研修や軍医としての兵役を経験した後、1955年より父親の診療所でGPとして診療を開始した。学術領域としてのgeneral practiceに関心を持っていた彼は、1968年にカナダ・ウェスタンオンタリオ大学に開設された、カナダ初の家庭医療学講座の教授へ招聘された。多くの先見性に富む著作や研究、素晴らしい同僚との協働を通じて、家庭医療を単なる診療分野から学術領域へと高めることに貢献し、家庭医療学の理論的基盤、独自の診療方法、医学部教育や卒後教育を確立させた。カナダのみならず全世界で、“家庭医療の父”として尊敬を集めている。2012年に86歳で逝去。

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サケット先生プロフィール

 1934年シカゴで生まれ育ち、医学生として学んだ。医学部の最終学年に、病棟で“trouble-maker”になる。

 卒業後は内科を専攻。腎臓の基礎研究者としてのキャリアを歩み始めて間もなく、キューバ危機(1962年)で米国の陸軍に召集され、公衆衛生部門に配属されて疫学を学ぶ。

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白浜雅司先生プロフィール

 1957年生まれ。中学生時代からへき地の医者になりたいと思い、医学部へ。

 1983年九州大学医学部卒業時には、「心のみられるプライマリ・ケア医になりたい」1)との言葉を残している。佐賀医科大学附属病院内科で研修。その後、福岡県大川市高木病院、佐賀医科大学附属病院救急部、佐賀県鹿島市織田病院内科、佐賀医科大学附属病院総合診療部。1994年佐賀県三瀬村国民健康保険診療所所長。国立佐賀大学医学部臨床教授。そしてこの間には、卒後9年目から佐賀県の山村の三瀬村で地域医療を行いつつ、ホームページ(図1)、講演、著書で広く臨床倫理を日本に広め、その実践の第一人者として活躍された。2008年10月27日に50歳の若さで逝去。

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遠藤和郎先生プロフィール

 1961年3月21日東京都調布市生まれ。血液型O型。両親;精神科医師、長男。運動神経抜群(フルマラソン3時間台、宮古トライアスロン完走)、明朗闊達、やんちゃで適応能力抜群、誰とでもすぐ仲良くなれる人懐っこい笑顔の持ち主。

 1986年慈恵医大卒。同年より沖縄県立中部病院で研修開始。後期研修終了後、沖縄県立宮古病院を経て、93年から中部病院の内科・感染症グループに勤務。90年代感染管理の黎明期に、医療関連感染サーベイランスとエビデンスに基づく感染予防・管理を、「叡智」と「ユーモア」、「和」の技法で実践し、わが国の普遍的な感染予防・管理のモデルを示した。2011年、日本の感染症臨床教育に際だった功績者に贈られる「IDATENBEST TERCHER'S AWARD」を受賞。

阿部正和先生はかく語りき 橋本 信也
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晩年のご病状について

 阿部正和先生がご逝去されて、早くも2年余りの歳月が流れた。先生は晩年の数年間はご病気がちであった。2009年3月、体調不良を訴えられ慈恵医大病院に入院されて肺炎を併発され、一時はかなり重症となったが、幸いにも回復された。この時期、誤嚥を繰り返されたので胃瘻が造設され、翌年5月、総合川崎臨港病院に転院された。嚥下訓練を受けられ、驚くことに食事を経口的に摂取できるようになり、全身状態も改善された。同年11月には川崎臨港病院を退院できるほどになり、病院近くにある有料老人施設「ライフコミューン川崎」に入所された。

 先生は明るいこの施設をお気に入りのご様子で、お見舞いに伺うと広い個室でいつも車椅子に背筋を伸ばして座っておられ、悠々と読書をされたり、手紙の返事を書いたり、テレビでお好きな巨人戦を観戦されたりしていた。その頃に日野原重明先生(p.1344)が、2度目のお見舞いに来てくださった(2011年12月23日、写真1)。1度目は阿部先生が慈恵医大入院中の病状が重い時であった(2009年9月)。日野原先生にお会いになった後の阿部先生は、いつも元気を取り戻されたようだった。

田坂佳千先生はかく語りき 中西 重清
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田坂先生プロフィール

 田坂佳千先生(1957-2007)は、1957年2月に開業医の3代目(祖父は小児科医・父は内科医)として広島市中心街で誕生。志のある開業医を目指し、1975年に川崎医科大学入学。学生時代はスキーをこよなく愛し、病理学教室(真鍋俊明教授)で研鑽。1981年、大学卒業後は同大の総合診療部(以下、総診)を基軸に各科をローテーションするが、町医者のイメージとはほど遠いプライマリ・ケアの現状に違和感を感じる。大学総診はデパートの8階にオープンした「コンビニ」の様相であり、街角で24時間気軽に受診できる開業医とは異なった。

 そこで、ミネソタ大学を中心に、米国・カナダの10研修施設で家庭医療を見学する。学内ではなく、学外のクリニック診療が学生に人気があり、学生時代から外来教育に力点が置かれていることに衝撃を受けた。

シニアカリスマ医師はかく語りき

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ティアニー先生のプロフィール

 ローレンス・ティアニー先生(Dr. Lawrence M. Tierney, Jr)は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内科学教授として、医学生・レジデントへの教育、臨床に、今も多忙な日々を送っていらっしゃいます。NIH(National Institues of Health)のclinical center grand roundsには、contemporary clinical medicine great teachersとして、2回招聘されています(2007・2011年)1, 2)

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スワルツ先生のプロフィール

 マーク・H・スワルツ(Mark H. Swartz)先生は世界的に有名な臨床教育者であり、日本語を始め15か国語で訳されている『Textbook of Physical Diagnosis ; History and Examination』1)の著書に代表される、身体診察教育のスペシャリストである。米国医師国家試験USMLEのClinical Skills Assessment(CSA)、USMLE Step 2CSの作成に関わられたことがきっかけで、USMLE Step 2CS対策の集中トレーニングコース「C3NY」のpresidentをされている。本拠地はNew Yorkである。

 筆者(志水)は、2009年にC3NYコースを受講したことがきっかけでスワルツ先生と出会い、その教育姿勢や数々のクリニカルパールに感動し、事あるごとに何かあると、今でもスワルツ先生に相談をしている。『診断戦略』2)(医学書院)内で、病歴で重要な「4C」の説明にもスワルツ先生は登場している。

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僕の“マスターヨーダ”:ライト先生プロフィール

 ライト先生を思い浮かべる時、体は大きいのだが、映画「スターウォーズ」のジェダイの騎士たちの師匠“マスターヨーダ”がしっくりくる。

 先生は1942年生まれのコロラド出身。ジョンズホプキンス大学を卒業し、現在まで400近い論文をpublishし、10数回も「米国トップDr.」に選出されている。何より単著の『Pleural Diseases』は第6版となり(p.1393)1)、世界中で多くの医師に愛読されている。胸水を滲出性と漏出性に鑑別する“Lightの基準“を1972年に提唱したが2)、これは先生がレジデントの頃だったというから驚きだ。業績は凄すぎて語り尽くせないが、医学だけではないのである。ライト先生はアメリカンフットボールで州代表でもあったそうで、培った脚力も相当なものであったと思われる。そのため体が大きく、“マスターヨーダ”というよりは”コロラドの熊”と表現しても良いかもしれない(ちなみに筆者の娘は、ライト先生のことを「トランプ大統領に似ている」と言っていた、笑)。

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ポール・ファーマー先生プロフィール

 ポール・ファーマーは1959年、マサチューセッツ州の貧しい家庭6人兄弟の2番めとして誕生した。苦学の後にデューク大学で医療人類学を専攻。この時ハイチを訪問、その貧困、医療問題と戦うことを決意して、ハーバード医学校に進学した。ハーバード医学校で医学博士、人類学博士の両学位を取得し、ハーバード大学の医学と医療人類学の教授となる。ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で感染症医として診療する一方、ジム・ヨン・キム(元ダートマス大学学長の公衆衛生専門家。現世界銀行総裁)らとともに国際医療NGOの、パートナーズ・イン・ヘルス(PIH)を設立。ハイチ人の妻であるディディ・ベルトランドと3人の子どもとともに、ルワンダ、ハイチ、レソト、マラウィ、メキシコ、ロシア、ペルー、リベリア、シエラレオネなどで、医療・公衆衛生活動を展開。多剤耐性結核治療に関する論文を『New England Journal of Medicine』に発表するなど、研究業績も卓越している。

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 ロバート・B・テイラー先生と私とは、直接には何の関わりもない。実は、お会いしたことすらない。米国で私がホスピタリストとして従事し始めた頃、彼の著作にたまたま巡り会い、それ以降、勝手に私が崇拝しているだけの間柄である。ただ、それが高じて彼の著作の1つを日本語訳し、紹介させていただくという機会を得た。2016年のことだ。

 今回の原稿依頼を受け、改めて、私が監修をしたそのテイラー先生の著書『医の知の羅針盤—良医であるためのヒント』1)(p.1399)を開いてみた。今回、原稿依頼のあった「3つのパール」を選ぶために、本のなかに付箋を貼っていったのだが、あっという間に付箋の山になってしまった。どれにしようか散々迷った挙句、まさに厳選した「テイラー先生のパール」3つを、本稿にて紹介する。なお、興味のある方はぜひ、『医の知の羅針盤』1)を手に取り、読んでみてほしい。まさに、「医師にとってのパール」の宝庫である。ただし、ここでいう「パール」は、単なる「クリニカル・パール」ではない。大仰に言えば、「医師としての人生のためのパール」といったものである。

 まずはその、テイラー先生のプロフィールから紹介したい。

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宮城征四郎先生プロフィール

 宮城先生は1964年に新潟大学医学部を卒業し、1969年京都大学大学院医学研究科博士課程単位取得後中退、その後、同大学より医学博士号取得。京都大学の胸部疾患研究所で、後に京都大学教授となる泉孝英先生と出会い、永年医療経済・医学教育などについていろいろ意見交換をされてきています。1969年にWHOフェローとして1年間デンマークのコペンハーゲン大学に留学(人工呼吸管理学)、また、米国にも臨床留学され、コロラド大学のThomas Petty教授に師事して慢性呼吸不全を深く学び、帰国後、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対する在宅酸素療法の導入と保険収載の先駆けとなりました。Petty先生の教えは、宮城先生の骨格になっています。1972年より沖縄県立中部病院呼吸器内科に勤務され、1996〜2003年3月まで同院院長を務められ、2003年より臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター所長、2017年4月より同名誉センター長です。

 宮城先生はとても明るくユーモアがあり、太陽の如き存在で、沖縄においては「呼吸器内科教育のパイオニア」、わが国での「慢性呼吸不全の先駆者」と言えるカリスマ医師です。

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本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

Editorial

カリスマ医師との遭遇 徳田 安春
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 子どもの頃、テレビや映画、漫画に登場するヒーローやヒロインに憧れた経験は、ほとんどの人が持っている。その後私たちは成長するにつれて、架空の人物ではなく、実在人物の伝記や書物に接したり、すばらしい人物(カリスマ)に実際に遭遇することで、その人に憧れることになる。カリスマとの出会いは、私たちの人生に大きな影響を及ぼす。私たちの人生の目的、生き方、人間関係のあり方までをも決定する、と言っても過言ではない。

 そう捉えると、医師である私たちにとって、歴史にその名を残したカリスマ医師と遭遇する機会を持つことは、とても重要であるはずだ。すなわち、カリスマ医師たちは、私たち医師の永遠のロールモデルとなる。偉大な伝説のカリスマ医師、また今も多くの人々に愛され活躍されるシニア的存在のカリスマ医師。

What's your diagnosis?[190]

苦悩も苦労もあった症例 高岸 勝繁
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病歴

患者:39歳、女性。

主訴:左前腕・左大腿部の疼痛、右側頭部痛。

現病歴:来院1年前、顎に子どもがぶつかってきたのを契機に、下顎の疼痛が出現。歯科口腔外科を受診し、下顎骨髄炎と診断された。掻爬術が行われ、改善を認めた。この際、感染症や悪性腫瘍は認められず、特発性の下顎骨髄炎と診断された。

 半年前より運動後の左前腕・左大腿部痛と、慢性的な右側頭部の頭痛を自覚。近医で頭部CTを評価されたが、「異常なし」と判断された。その後も疼痛は持続していたが、日常生活を妨げるほどのものではなく、経過観察していた。今回感冒症状があり、受診した際に、上記症状を相談された。

 頭痛は10段階で3〜4程度の持続痛。寛解増悪因子なし。上下肢痛は運動後に6/10程度の鈍い痛みがあった。悪心・嘔吐、視覚症状、発熱、体重減少などは認められず。

嗜好歴:喫煙歴・飲酒歴なし。

既往歴:1年前に下顎骨髄炎。

内服:ロキソニン®頓用。

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今月の処方箋

Aクリニックより

•アルファロール®0.5μg

 1回1カプセル1日1回 朝食後

•アスパラ®-CA(Lアスパラギン酸カルシウム)200mg

 1回2錠 1日1回 朝食後

•タケプロン®(ランソプラゾールOD錠)15mg

 1回1錠1日1回 朝食後

•プロブレス®(カンデサルタン錠)4mg

 1回1錠1日1回 朝食後

•フェブリク®(フェブキソスタット)10mg

 1回1錠 1日1回 朝食後

•マーズレン®S配合顆粒(アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン)

 1回0.67g 1日3回 毎食後

•アルロイド®G(アルギン酸ナトリウム)内用液5%

 1回20mL 1日3回 毎食後

•デパス®(エチゾラム)0.5mg

 1回1錠1日1回 眠前

•レンドルミン®D(ブロチゾラム)0.25mg

 1回1錠1日1回 眠前

B整形外科より

•ボノテオ®(ミノドロン酸)50mg

 1回1錠4週1回 起床時

当院整形外科より

•フェロミア®(クエン酸第一鉄ナトリウム)50mg

 1回1錠 1日2回 朝夕食後

•セレコックス®(セレコキシブ)100mg

 1回1錠 1日2回 朝夕食後

サプリメント

•リポビタンD 毎日

みるトレ Special・22

今回は「みないトレ」だに! 佐田 竜一
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患者:72歳、女性。主訴:ショックバイタル、意識障害。

生活歴・既往歴:高血圧でアムロジピン5mg内服中。

薬剤歴:サプリメント・漢方・健康食品含めてなし。職業歴:医師。

現病歴:もともとのADLは完全自立で、農作業が趣味。晩夏(8月末)のある日、急な39℃の発熱と頭痛・鼻水が出現した。翌日に立ちくらみで倒れそうになったため、救急外来を受診した。

身体所見:血圧70/47mmHg、脈拍数110回/分・整、体温39.0℃、呼吸数28回/分、SpO2 93%(室内気)、GCS(Glasgow Coma Scale)E4V5M6。

頭頸部・胸腹部に明らかな異常なし。明らかな関節腫脹・疼痛なし。

検査所見:血液検査;WBC 14,400/μL、Hb 10.8g/dL、Plt 9×104/μL、TP 6.1g/dL、Alb 3.4g/dL、AST 106IU/L、ALT 64IU/L、ALP 452U/mL、T-Bil 2.3g/dL、BUN 28mg/dL、Cr 1.2mg/dL、Na 130mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L、CRP 12.5mg/dL、乳酸4.2mmol/L。

尿検査;異常なし。

初期対応:qSOFA2点/SOFA4点で「敗血症」と診断され、輸液を急速に1.5L施行したが平均動脈圧が65mmHgを超えず、乳酸も3.9mmol/Lであったことから「敗血症性ショック」と診断、ICUに入室した。しかし、入室前の造影CTで総胆管拡張を認めた(それ以外に、胸部〜腹部骨盤部にかけては明らかな所見なし)ことから、「胆石性胆管炎」によるショックと診断され、バンコマイシンとメロペネムを使用され、ノルアドレナリンが0.2γ併用されたが平均動脈圧は60mmHg台前半を推移した。翌朝、総合内科に熱源検索目的で紹介された。

国試にたずねよ・22

スマートに行こうぜ! 山中 克郎
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 北海道の中央に位置する「富良野」を訪ねた。テレビドラマ『北の国から』(1981〜2002)の舞台となったことで、富良野の人気は高まり人口は少し増えたが、その後は「人口減少」が続いている。最近は、海外(東南アジアやオーストラリア)から、夏のラベンダー畑や牧歌的な眺めの丘、冬の一面に広がる雪景色とパウダースノーに憧れて訪れる観光客が急増している。2016年には、7万人以上の外国人が富良野に宿泊した。

 日本経済は、バブル期(1986〜1991)をピークに衰退している。対照的に、アジア新興国では富裕層が著しく拡大している。世界の人々の多様な考え方を理解しながら、仲よく暮らすことが大切だ。日本には、世界に誇る健康保険制度、夜でも安心して歩ける安全、人々の優しさとおもてなしの精神、時間に正確な交通網、安くておいしい料理がある。日本の伝統的文化を大切にしながら、税金は多少高くなっても社会保障が充実し、生きがいのある「北欧型」の生活をめざすのがよいのではないかと思う。

I LOVE Urinalysis|シンプルだけどディープな尿検査の世界・19

涙にも鼻水にも尿試験紙を 上田 剛士
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Case

患者:8歳、男児。

現病歴:体育で使うライン引きに用いるラインパウダーが眼に入ったため、来院した。すでに水道水では洗浄されているが、眼は充血している。

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・22

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CASE

患者:44歳、女性。

主訴:腹痛。

現病歴:受診1週間前から下腹部痛が出現した。腹痛は徐々に増悪しており、いきむと増強する。食事の度に痛みがあるが、下痢、嘔吐、黒色便、鮮血便は認めなかった。近医クリニックを受診し、腹部超音波検査で腹水の貯留を認めたため、紹介受診となった。

既往歴:高血圧、不眠症。C型肝炎キャリア(輸血歴なし、タトゥーによるものと考えられる)。子宮頸部高度異形成で、2年前に円錐切除術を受け、その病理結果で、肉芽腫性病変の指摘があった。婦人科でのフォローアップなし。

内服歴:アムロジピン5mg 1錠 分1、ウルソデオキシコール酸100mg 3錠 分3、トラゾドン25mg 1錠 分1、フルニトラゼパム1mg 1錠 分1、レボメプロマジン25mg 1錠 分1、スボレキサント20mg 1錠 分1。

生活歴:スナックに勤務。飲酒;泡盛水割り10杯以上/日。喫煙;1箱/日、24 pack years。S県出身、宮古島市に移住後9年。離婚後、母子家庭。最終月経;2週間前、不順なし。1年以内の性交渉歴なし。

来院時身体所見:

●概観:身長158cm、体重79kg、BMI 31。

●バイタルサイン:体温37.2℃、血圧114/67mmHg、脈拍数86回/分、呼吸数18回/分、SpO2 94%(室内気)。

●頭頸部:眼瞼結膜の黄疸や蒼白なし、有意なリンパ節腫脹なし、甲状腺腫大なし。

●肺野:肺雑音なし。

●心音:整。心雑音なし、過剰心音なし。

●腹部:膨満。下腹部は軽度圧痛あり、反跳痛なし。鼠径リンパ節腫大なし。

●四肢:下腿浮腫なし。左上腕にタトゥーあり。

入院時検査所見:

血算:WBC 5,800/μL(Neut 63%)、RBC 486×104/μL、Hb 12.3g/dL、Ht 37.6%、Plt 28.6×104/μL。

生化学:TP 7.4g/dL、Alb 3.3g/dL、Na 138mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 110mEq/L、Ca 8.3mg/dL、BUN 8.7mg/dL、Cr 0.9 mg/dL、AST 23IU/L、ALT 12IU/L、LDH 267IU/L、γ-GTP 10IU/L、T-Bil 0.5mg/dL、AMY 24IU/L(正常16〜51IU/L)、HIV抗体 陰性、HCV抗体 陽性。

凝固:APTT 29.5秒、PT 77%、PT-INR 1.21。

尿検査:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、白血球(3+)。

胸部CT/腹部造影CT:図1〜3。

ジェネラリスト漢方Basics|東西2つの視点でアプローチ・10

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 本連載で取り上げてきた「気・血・水」も、今回の血の異常でいったん区切りとなる。繰り返しになるが、「気・血・水」などの漢方概念は、病態を考えるうえでの仮想理論モデルである。また、「気・血・水」は単独でとらえず、それぞれの関連を考えると、治療効果を引き出しやすくなる。患者の示す訴えや所見から病態を推理し、漢方薬の生薬の働きを意識して処方できれば、あなたも漢方医の仲間入りです。

こんなときオスラー|超訳『平静の心』・22

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CASE

 医師になり10年目を迎えた消化器内科医Aは、この10年間を振り返った。

 内視鏡を手に、たくさんの消化管出血や、がんを発見し、治療を行ってきた。院内でも消化器内科医として、これからの活躍が期待され、皆から一目置かれている。しかしAは、内視鏡検査および治療、ERCP、肝生検などの検査が一人前にできるようになったものの、毎日数十件というこれらの検査を、自分は30年というこれからの残りの医師人生においても続けていけるか、不安を抱いていた。

 そんなある日、ローテート中の2年目の研修医Bから、次年度以降の進路について相談を受けた。

研修医B「この1年で、いくつかの診療科をローテートしましたが、自分が何科に進むべきか、わかりません。医学生の頃は、初期研修医としていろいろな診療科を回れば、自然と自分の進路が見えてくると思っていましたが、実際に研修医になってみると、日々の業務と勉強に追われ、考えるゆとりもありません。」

 研修医Bの純粋な相談に、自分の進路にも悩んでいたAは、たじろいだ。

投稿 GM Clinical Pictures

発熱・右膝関節炎で来院 佐野 良仁
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CASE

患者:88歳、女性。日常のADLは車椅子トランスファー腋窩介助レベルで、車椅子生活者。

既往歴:認知症、脳幹部脳梗塞、第12胸椎圧迫骨折・右大腿骨頸部骨折の手術、骨粗鬆症の既往があり、投薬加療している。

現病歴:2日前の夜から右膝の痛みが出現し、アセトアミノフェン200mgを頓用した。転倒歴は不明。1日前に37.9℃の発熱あり、受診当日も37.2℃の発熱のため来院した。

身体所見:血圧112/84mmHg、脈拍数88回/分・整、体温34.4℃。咽頭痛や鼻汁、咳嗽などの気道症状はなし。右膝は関節液貯留して膨隆しており、軽度熱感あり。明らかな打撲痕なし。

検査所見:両膝関節X線は、左右とも伸展制限があり、変形性関節症による変化以外には詳細な評価は困難。膝関節穿刺にて、33mLの膿性関節液が採取された(図1)。

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 近年、欧米を中心としてPoint-of-Care超音波(以下、POCUS)という概念が広がってきている。日本でもPOCUSをテーマにしたハンズオン・セミナーや書籍や雑誌を目にする機会が増えている。POCUSとは、診療現場でリアルタイムに必要な情報を得ることに的を絞って施行される超音波検査である。これまで救急や集中治療などの分野で用いられることが多かったが、最近プライマリ・ケア領域にも急速な広がりを見せており、2016年には米国家庭医療学会(AAFP)も、POCUSに関する研修カリキュラムガイドラインを作成している1)

 一方、今年度から新専門医制度が開始された日本の総合診療分野においても、整備基準の研修カリキュラムの項には「経験すべき診察・検査等」として、超音波検査(腹部、表在、心臓、下肢静脈)という記載がある2)。やはり、これからの総合診療医に超音波検査技術が求められることが窺えるが、国内のカリキュラムには、具体的な到達目標や活用方法についての記載が見当たらない。

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 レプトスピラ症、メリオイドーシスなど感染症医が喜びそうな診断名も散見されるが、本書は決して感染症オタクのための本ではない。

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 膠原病診療に携わるプライマリ・ケア医のなかで、萩野(荻野ではない)昇先生こと“Dr.ハギー”をご存じない方はもぐりだろう。レクチャーのわかりやすさ、スマートさには定評があり、全国で引っ張りだこである。そんなDr.ハギーが単著を出すとなれば、読まない手はない。本書は、ちまたではすでに「ロジリウ」なんて素敵な略称もつき、アイドルグループ顔負けの人気ぶりだという。

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『総合診療』編集方針
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 1991年に創刊した弊誌は、2015年に『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。その後も高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされています。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、2017年にリニューアルをいたしました。本誌は、今後も下記の「編集方針」のもと、既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。

2018年1月  『総合診療』編集委員会

目次

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基本情報

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総合診療
28巻10号 (2018年10月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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