特集 クリニカル・パールPremium!—憧れのカリスマ医師はかく語りき
伝説のカリスマ医師はかく語りき
阿部正和先生はかく語りき
橋本 信也
1
1慈恵医大 元第3内科
pp.1376-1378
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201744
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
晩年のご病状について
阿部正和先生がご逝去されて、早くも2年余りの歳月が流れた。先生は晩年の数年間はご病気がちであった。2009年3月、体調不良を訴えられ慈恵医大病院に入院されて肺炎を併発され、一時はかなり重症となったが、幸いにも回復された。この時期、誤嚥を繰り返されたので胃瘻が造設され、翌年5月、総合川崎臨港病院に転院された。嚥下訓練を受けられ、驚くことに食事を経口的に摂取できるようになり、全身状態も改善された。同年11月には川崎臨港病院を退院できるほどになり、病院近くにある有料老人施設「ライフコミューン川崎」に入所された。
先生は明るいこの施設をお気に入りのご様子で、お見舞いに伺うと広い個室でいつも車椅子に背筋を伸ばして座っておられ、悠々と読書をされたり、手紙の返事を書いたり、テレビでお好きな巨人戦を観戦されたりしていた。その頃に日野原重明先生(p.1344)が、2度目のお見舞いに来てくださった(2011年12月23日、写真1)。1度目は阿部先生が慈恵医大入院中の病状が重い時であった(2009年9月)。日野原先生にお会いになった後の阿部先生は、いつも元気を取り戻されたようだった。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.