こんなときオスラー|超訳『平静の心』・22
医師としてどう生きるか?—「生き方」の章より
平島 修
1
1徳洲会奄美ブロック総合診療研修センター
pp.1448-1452
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201768
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CASE
医師になり10年目を迎えた消化器内科医Aは、この10年間を振り返った。
内視鏡を手に、たくさんの消化管出血や、がんを発見し、治療を行ってきた。院内でも消化器内科医として、これからの活躍が期待され、皆から一目置かれている。しかしAは、内視鏡検査および治療、ERCP、肝生検などの検査が一人前にできるようになったものの、毎日数十件というこれらの検査を、自分は30年というこれからの残りの医師人生においても続けていけるか、不安を抱いていた。
そんなある日、ローテート中の2年目の研修医Bから、次年度以降の進路について相談を受けた。
研修医B「この1年で、いくつかの診療科をローテートしましたが、自分が何科に進むべきか、わかりません。医学生の頃は、初期研修医としていろいろな診療科を回れば、自然と自分の進路が見えてくると思っていましたが、実際に研修医になってみると、日々の業務と勉強に追われ、考えるゆとりもありません。」
研修医Bの純粋な相談に、自分の進路にも悩んでいたAは、たじろいだ。
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