日本母子看護学会誌 11巻2号 (2018年2月)

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目的

 現在、開業助産師の絶対的数が減少し、病院やクリニックなどでの出産が多数を占めている状況は、開業助産師のもつ強みが広く認知されていないからだと考えられる。その背景にあるものはなにか。結論からいえば、出産における「自然」が後景化したこと、また出産習俗が失われていったという2点の理由が、上記の現象の背景にあるのではないかと考え、文献を通して明らかにする。

対象と方法

 文献検討である。藤田真一の「お産革命」を筆者は助産師の役割の後退の転換点と考え、「お産革命」と言うべき現象を言及している書籍、論文などを抽出し、その言説を概観した。

結果

 開業助産師の周縁化は、出産における「自然」が後景化したこと、また出産習俗が失われていったという2点が影響していたが、それだけではなく、「自然出産の文化的進化」「出産の多義性」「痛みを回避するという医療サービス」など当事者の意識や身体の変化、助産師自身の意識の変容が価値観の変化を生み出し、影響し合っていた。

考察

 「お産革命」で語られた出産に関する自然回帰は、医療化され出産で人間関係が稀薄な状態や出産する母親の意識に対する警鐘であったといえるが、開業助産師は産む性に寄り添い、母親が主体性を促していく活動を続けていた。また「母親になる」ための通過儀礼としての出産習俗が失われたことは、重要性が認識されなかったことと、医学的根拠が乏しいという理由で出産現場に積極的に導入されていないが、開業助産師はこの役割を担ってきたのではないかと考えられた。

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目的

 青年期の親性準備性の概念分析を行い、概念に関する文献や資料に集積された知見を統合し、定義する。その上で青年期の親性準備性を高めるための方策と課題を考察する。

方法

 Walker&Avant(2005)の概念分析法を用いた。データ収集には医学中央雑誌他のデータベースを使用し、検索用語は「親性準備性」とした。計15件を分析対象とした。

結果

 「青年期の親性準備性」の概念分析を行った結果、次のことがいえる。

1.「青年期の親性準備性」は、「子どもの特性・成長発達を知る、乳幼児への好意感情の高まり、妊娠・出産・育児への関心や肯定的認識、性役割を受容することで、発達段階上から、近い将来に親になろうとしている年齢段階、すなわち青年期から本人またはパートナーが妊娠するまでの期間において、段階的に形成される親としての役割を果たすための資質」と定義する。親としての役割を果たすための資質だけでなく、親とならない場合であっても、次世代の再生産と育成(誕生と健やかな発達)を支援する社会の一員として備えていくべき資質も含まれている。

2.「親性準備性」の一面を明記する属性として1)親としての資質の形成過程、2)育児行動のための心理、行動、身体的準備状態、3)親行動の獲得、準備性、4)親となるための予期的社会化、5)子育て支援する社会の一員としての役割を果たす、の5カテゴリーが抽出された。

3.先行要件として1)子どもに関するもの、2)子育てに関するもの、3)親になることに関するもの、4)親子関係に関するもの、5)セクシュアリティー・ジェンダーに関するもの(自分の性の受容)、6)安定した性役割観と性役割の受容、7)子どもとの接触体験に関するもの、の7カテゴリーが抽出された。

4.「青年期の親性準備性」を得た結果、短期的には、1)子どもの理解を深めることができる、2)乳幼児への興味・関心・好意感情を高めることができる、3)妊娠・出産・育児を肯定的に認識できる、長期的には、4)将来親の役割を果たす、5)生涯発達的な視野から子育てを支援する社会の一員としての役割を果たす。

結論

 「青年期の親性準備性」の定義は、親性準備性を高めるための支援の構築に有用であるが、高める方法、評価指標の検討が課題である。青年期の発達課題である「親性」育成を援助する上で、「親性準備性」は重要な概念であり、今後、看護、教育、地域活動に応用して検証していく必要がある。

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目的

 母乳育児を長期間行うことは母子双方にとって良好な体験となり、精神行動学的に良い効果をもたらすことが報告されている。近年、わが国では保育所に通所しながら授乳する機会が急増しており、母乳育児継続には保育所における母乳育児支援の重要性が高まってきている。しかし、そのための保育士のニーズや支援方法、関連要因について明らかにした研究はなかった。そこで本研究では保育士による母乳育児支援の現状、保育士による母乳育児支援の意識と行動の差に及ぼす関連要因を明らかにすること、および保育士による母乳育児支援の課題とニーズを検討することを目的とした。

対象と方法

 大阪府下の公私立計24保育所に勤務する常勤保育士に対し、独自に作成した自記式質問紙調査を郵送法で行った。うち有効な回答が得られた217人(有効回収率78.1%)を分析の対象とした。

結果

 大半の保育士は支援したいと思っていたが、実際に支援している保育士は約半数だった。搾母乳の預かりが一番多く実践されており、保育所での直接授乳や保育所での授乳に関する相談はあまり行われていなかった。母乳育児支援の意識への関連要因は、母親の母乳継続希望、常勤保育士数、母乳育児に関する知識(母乳と虫歯との関係)であった。また行動への関連要因は、保育士の年齢、母親の母乳継続希望、広報(パンフレットなどや口頭)、授乳・離乳支援ガイドであった。支援する問題点や困りごとでは、あると答えた保育士は31.4%だった。しかし、助産師からの情報提供を多くの保育士が望んでいた。

結論

 以上の結果をふまえ、医療現場での工夫や方法を紹介する中から、保育所にあった方法を検討し、連携・協同することが可能と考える。

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目的

 地域で一歳児を育てる母親の育児力を総合的に捉え、母親への的確な育児支援を行うために、一歳児を育てる母親の育児力を測定する尺度の尺度原案を作成することである。

対象と方法

 一歳児を育てる母親の育児力の構成概念を明らかにするために、「乳幼児を育てる母親の育児力」の概念分析と一歳児を育てる母親へのフォーカス・グループ・インタビューから育児力を構成する概念を明らかにし、尺度項目の抽出を行った。その後、専門家による内容妥当性の検討とプレテストによる項目の再検討を行った。

結果

 「乳幼児を育てる母親の育児力」の概念分析の分析対象は、80文献で、育児力を定義しているものはなかった。分析の結果、「乳幼児を育てる育児力の概念は、8つの属性、5つの先行要件、7つの帰結が抽出された。また、一歳児を育てる母親へのフォーカスグループインタビューでは、一歳児を育てる母親の育児力を構成する概念として8項目が明らかとなった。これらの概念分析から一歳児を育てる母親の育児力尺度は、9つの下位尺度と110の尺度項目とした。内容妥当性指数が基準値以下の項目は2項目であった。プレテストの結果、項目数は多いものの質問は答えやすいという感想を得た。回答に要する時間は10分前後であった。

結論

 「母親の育児力とは、母親が自分の健康管理を行いながら、日常生活を整えられるよう、一歳児を捉える力を持ち、子どもと向き合い、子どもを理解し受け入れ、母として成長しようとする力により、夫と協力し必要な支援を受け入れて、工夫して子どもに関わる力」とし、「一歳児を育てる母親の育児力尺度」の原案として、9つの下位尺度からなる110項目を作成した。

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目的

 地域で一歳児を育てる母親の育児力を総合的に捉え、母親への的確な育児支援を行うための「一歳児を育てる母親の育児力尺度」の信頼性と妥当性を検証することである。

方法

 「一歳児を育てる母親の育児力尺度」の尺度原案として完成した9つの下位尺度と110の尺度項目を用いて、一歳児を育てる母親を対象に無記名自記式による調査を実施した。尺度の項目の選択及び決定は、尺度の下位尺度項目毎に、主成分分析後、因子分析を行いI-T相関を求め、項目を取捨選択し、下位尺度毎にクロンバックのα係数及びθ係数を算出して内的一貫性を評価した。

 妥当性の検討は、2つの外部基準を用いて基準関連妥当性の検討を行い、尺度全体の内的整合性、確認的因子分析の検討を行い、構成概念妥当性の検証を行った。

結果

 調査の有効回答数は、267人であった。一歳児を育てる母親の育児力尺度110項目は、尺度項目を精選し71項目となった。「一歳児を育てる母親の育児力尺度」の下位尺度のα係数は、0.961〜0.663であり、θ信頼係数とα係数との差は、0.001〜0.015の範囲であった。「一歳児を育てる母親の育児力尺度」と「育児に対する自己効力感尺度」、「首尾一貫感覚尺度〈SOC-13〉尺度)」の間には比較的強い相関がみられ、基準関連妥当性が確認された。「一歳児を育てる母親の育児力尺度」の尺度全体と9つの下位尺度には、比較的強い正の相関があり、9つの下位尺度は、3つのまとまりになることがわかり、尺度の構成概念妥当性が確認された。

結論

 「一歳児を育てる母親の育児力尺度」は、9つの下位尺度からなる71項目の一次元構造の尺度であり、尺度の信頼性と妥当性が確認された。

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 本研究は家庭で実施される初経教育の実態を明らかにすることが目的である。具体的には母親が初経教育を実施するにあたり何を参考にしたのか、困難と感じたところの解決方法を明らかにする。特に、家庭での初経教育に本・インターネットや学校からの説明やお知らせがどれくらい活用されているのかに着目した。

対象と方法

 研究デザインは自記式の質問紙の郵送による調査研究であり、研究対象はN市の6つの小学校の4.5.6年生の女児をもつ母親300名とした。N市の教育委員会を通して、6つの小学校の校長へ研究の主旨を説明し同意が得られた後に、調査依頼者用の調査依頼文書、質問紙と返信封筒を手渡し、担任から女児のみに配布して母親に渡すよう説明を依頼した。記入済みの質問紙は対象者に直接投函してもらった。分析では、各調査項目の単純集計を行なった後、定性的データはFisher's exact test、定量的データはMann-WhitneyのU検定を用いて既に初経教育を実施した母親(実施群)とまだ実施していない母親(未実施群)の比較を行った。統計学的有意水準は5%とした。本研究は日本赤十字秋田看護大学研究倫理審査委員会の承認(承認番号25-226)を得て行なった。

結果

 分析対象者は118名であり、実施群は43名、未実施群は75名であった。家庭での初経教育内容で最も多いのは「手当ての方法」(89.3%)であった。母親が初経教育を実施するにあたり最も参考にした・することは「自分の体験」(65.8%)であり、次いで「母親同士、自分の母親、姉妹との情報交換」(46.8%)であった。また、母親が初経教育を実施するにあたり困難と感じた・感じるところで最も多いのは「初経教育内容の選定」(43.8%)であった。困難と感じた・感じるところの解決方法で最も多いのは「母親同士で話し合ったり、自分の母親、姉妹に相談」(56.7%)であり、次いで「本・インターネットで調べた」(27.9%)、「学校からのお知らせを参考にした」(18.2%)の順であった。困難と感じた・感じるところの解決方法の群別比較では、未実施群の方が「母親同士で話し合ったり、自分の母親、姉妹に相談」を選ぶ割合が高かった(p<0.05)。

結論

1.母親は「自分の体験」をもとに初経教育に取り組んでいた。

2.母親が初経教育を行う際に困難を感じた場合の解決方法は身近な人への相談が多く、「本・インターネット」「学校からのお知らせ」ともに活用されているとは言えない。

3.学校と母親との連携は図れているとはみなせない。

4.学校を通じた保護者の知識向上のための支援を行うなど、サポート体制の多様化を図っていくことが望ましい。

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 本研究は、母乳育児支援クラスにおいて手作りした授乳人形を用い、直接授乳の反復練習を試みた妊婦のフロー状態の変化を明らかにする。

対象と方法

 対象者は、妊娠後期に2回(1回目:妊娠33-34週、2回目:妊娠34-35週)開催した母乳育児支援クラスに参加できた初産婦1名、経産婦1名の2名とした。対象者がそのクラスの中で手作り授乳人形を使用して直接授乳の練習を繰り返した結果、フロー状態がどのように変化したか数量的に捉えるために「フロー状態得点尺度」を使用した。使用した尺度は浅川らによる「フロー状態得点(全25項目、5件法)」尺度の許可を得て一部改変し使用し、浅川らの先行研究で明らかにされている5つの下位因子【学びへの積極性】、【思考・行動の柔軟性】、【新たなものへの開放性】、【生きがい感】、【将来への志向性】のそれぞれの合計得点および平均得点、変化率を算出して分析した。

結果

 経産婦のフロー状態得点の総和については、1回目は125点満点中94点(平均得点3.8点)、2回目は97点(平均得点3.9点)と3点(平均得点0.1点)増加した。初産婦のフロー状態得点の総和については、1回目は125点満点中93点(平均得点3.7点)、2回目(妊娠35週)は97点(平均得点3.9点)と4点(平均得点0.2点)増加した。初産婦と経産婦のフロー状態得点の5つの下位因子の中で、増加した共通因子は【学びへの積極性】と【新たなものへの開放性】の2つであった。【学びへの積極性】は、経産婦の1回目の合計得点は40点満点中30点(平均得点3.8点)であり、2回目の合計得点は40点満点中31点(平均得点3.9点)で変化率は2.5%の増加だった。初産婦の1回目の合計得点は40点満点中26点(平均得点3.3点)であり、2回目の合計得点は40点満点中29点(平均得点3.6点)で変化率は7.5%の増加であった。【新たなものへの開放性】は、経産婦の1回目の合計得点は25点満点中20点(平均得点4.0点)であり、2回目の合計得点は25点満点中22点(平均得点4.4点)で変化率は8.0%の増加であった。初産婦の1回目から2回目にかけての合計得点は25点満点中22点(平均得点4.4点)であり、2回目(妊娠34週)の合計得点は25点満点中23点(平均得点4.6点)で変化率は4.0%の増加であった。

結論

 対象妊婦2名のフロー状態得点は、母乳育児支援クラスにおいて、手作りした授乳人形を使った直接授乳技術獲得の練習によって1回目から2回目にかけて増加したことが明らかになった。さらに、対象妊婦のフロー状態得点の5つの下位因子の中で、1回目より2回目に増加した共通因子は【学びへの積極性】と【新たなものへの開放性】で2つであった。

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 本研究の目的は、NICUの看護職による母乳育児支援の実態調査を行い、問題点と課題を明らかにすることである。

対象と方法

 研究対象施設は、首都圏近郊の総合周産期施設の9施設とし、研究対象者は、NICUの女性看護職194名である。対象者に対して自記式質問紙調査を行った。調査項目は、属性、NICUに入院した新生児のための母乳育児支援の実施状況、自由記述等、計45項目で構成した。調査期間は、2015年9月〜10月である。分析は、基本統計量の算出、Mann-WhitneyのU検定によって行った。本研究は、東京医療保健大学ヒトに関する研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:院27-17)。

結果

 調査票の配布数は、194部、回収数は84部(回収率40.3%)であった。そのうち有効回答が得られた75部(有効回収率89.3%)を分析対象とした。ガイドラインの推奨の要点となる上位10項目の到達状況を5件法で尋ねた結果、「4.直接授乳の方法に関する基本的な情報を提供し、実行できるよう支援する」(3.6±0.8)は、全10項目の平均値より低かった。さらに、直接授乳の際の具体的支援の中で、「直接授乳を終えるときの留意点の説明」は、「十分できる」・「できる」と回答したものは、66.7%と低かった。

 また、上位項目では、「7.新生児の状態に合わせ、母乳育児の過程を個別的に説明し、情報を提供する」(3.4)も平均値より低かった。この上位項目の中の下位項目では、「22)心疾患をもつ新生児の場合に対し、母乳育児の過程を個別的に説明し、情報を提供する」(3.1)と「23)唇裂口蓋裂をもつ新生児の場合に対し、母乳育児の過程を個別的に説明し、情報を提供する」(3.1)が平均値より低かった。母乳育児支援の対策に関して「何もしていない」と回答した看護職は33.3%であったが、経験年数別の差はなかった。さらに、母乳育児支援に関する悩みについては、類似別にカテゴリー化するほどの記載がなかった。

結論

 ガイドラインが作成されてから5年経過するが、NICUに入院している児への母乳育児支援は、いまだ十分到達できていないことが明らかになった。

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 両親学級に参加した夫を対象に面接調査を行い、両親学級参加前、参加時、参加直後の体験や出産後の思いとニーズを明らかにすることを目的とした。

対象と方法

 両親学級に参加した夫2名を対象に半構造的インタビューを実施した。インタビューでは両親学級での体験や思い、出産後の体験について尋ねた。対象者の了解を得てインタビューの内容をICレコーダーに録音し、録音されたものを逐語録に起こしてデータとした。データを繰り返し読み、意味内容の類似するものを集めてコーディング、カテゴリ化し、質的な内容分析を行った。

結果

 インタビューの内容を両親学級参加前、参加時と参加直後、出産後と時系列に沿って分析した結果、55のサブカテゴリから【妊娠・出産に対するイメージの無さ】、【男性としては居心地が悪い空間】、【父親としての当事者意識が得られない】、【育児をしてみての両親学級での技術指導の満足感】など18のカテゴリが抽出された。

考察・結論

 夫は妊娠・出産に対する現実味が乏しく、両親学級参加後においても子どもが産まれる実感がわきづらいため、父親になること(であること)の実感が得られるような情緒面の支援の必要性が示された。また、両親学級は男性にとって居心地が悪いことが挙げられ、男性が参加しやすい両親学級の雰囲気や男性同士の交流の機会を設ける必要があると考えられた。育児・育児技術のイメージの獲得に関しては、実際に育児技術を行う演習を通した指導へのニーズが示された。実際に育児をしてみて生じたニーズとして、子どもの成長過程に合わせたより具体的かつ継続的な育児の知識と技術の指導へのニーズが示された。

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目的

 新生児および乳児のスキンケアに関して、養育者に対する看護職の指導について既存の研究を整理し、効果的な指導のあり方を考察する。

対象と方法

 『医学中央雑誌』Web版を用い、「新生児」or「乳児」、「スキンケア」or「清潔」、「養育者」or「家族」をキーワードとし、2003年から2017年の15年間に発表された看護文献(原著論文、抄録あり、会議録除く)を検索した。その結果、37件が該当した。うち、タイトルおよび抄録から新生児および乳児のスキンケアや清潔に関する養育者への指導と、行った指導に対する養育者の反応と指導による児への効果について述べられた文献9件を分析対象とした。

結果

 新生児および乳児のスキンケアに関する研究件数は、年々増加していた。研究対象は、母親が半数を占めており、皮膚トラブルを抱えた児をもつ養育者に対しての研究が多かった。養育者に対して実施されたスキンケアの指導の内容として、洗浄、保湿、皮膚トラブルに応じた処置があった。具体的なケア方法を説明するとともに、何度も体験習得してもらうことや、スキンケアへ両親に参加してもらうことが実施されていた。指導に対する養育者の反応としては、母親のスキンケアに関する意識で「手技に対する自信」が有意に増加したものや、前向きにスキンケアを見直せたもの、手技を獲得したが退院前に母親から不安の声が聞かれたものなどがあった。養育者が指導を受けたことによって、新生児の皮膚トラブルが半減したものや、皮膚が良好な状態を維持したものなどがあった。

結論

 以上の結果より、スキンケアとして、洗浄、保湿、皮膚トラブルに応じた処置が重要であり、養育者に適切な指導が実施できるよう、看護職にスキンケアについての最新の情報が周知されることが必要である。児の皮膚トラブルが生じた後に、養育者への指導を開始するのではなく、予防についても視野に入れたスキンケアについての指導を、妊娠期や退院後の新生児訪問でも行うことが必要である。

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目的

 助産外来の質の向上のためには、診察・保健指導を実施する助産師の実践能力を適切に評価し、実践能力を向上させるための助産外来担当者と管理者との相互評価方法が必要である。その方法として、助産外来用ルーブリックを開発した。本報告では、その開発過程について述べる。

対象と方法

 理論と実践の往還を、重視しながら進めた。具体的には、ルーブリックの構造の明確化を図り、助産外来での参加観察および助産師、妊婦を対象としたインタビューから、技能習熟段階の記述を行った。それらをもとに、ルーブリックの要素を検討した。次に助産師へのフォーカスグループインタビューと、助産外来実施後に自己の実践に関するリフレクションを行い、それらを参考にルーブリックの各項目の文言の検討を行った。

結果

 助産外来用ルーブリックは、参加観察およびインタビューから導き出した4つの助産行為に、それぞれの評価規準を抽出し、評価の観点を「思考・判断」「知識・技術」「関心・意欲・態度」とした。そして3段階の評価基準を決定し作成した。作成した助産外来用ルーブリックを用い、臨床現場での運用可能性を探った。その結果、助産外来用ルーブリックを用いてリフレクションを実施することで、臨床現場での活用が図られることが明らかになった。

結論

 ルーブリックの開発には、実践家との協力が不可欠であり、常に協働で評価内容のブラッシュアップを行っていく必要がある。臨床現場での運用に向けては、評価表を用いたリフレクションを実施すること、また管理者のリフレクション能力の向上も必要であることが示唆された。

基本情報

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日本母子看護学会誌
11巻2号 (2018年2月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1882-2495 日本母子看護学会

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