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目的
新生児および乳児のスキンケアに関して、養育者に対する看護職の指導について既存の研究を整理し、効果的な指導のあり方を考察する。
対象と方法
『医学中央雑誌』Web版を用い、「新生児」or「乳児」、「スキンケア」or「清潔」、「養育者」or「家族」をキーワードとし、2003年から2017年の15年間に発表された看護文献(原著論文、抄録あり、会議録除く)を検索した。その結果、37件が該当した。うち、タイトルおよび抄録から新生児および乳児のスキンケアや清潔に関する養育者への指導と、行った指導に対する養育者の反応と指導による児への効果について述べられた文献9件を分析対象とした。
結果
新生児および乳児のスキンケアに関する研究件数は、年々増加していた。研究対象は、母親が半数を占めており、皮膚トラブルを抱えた児をもつ養育者に対しての研究が多かった。養育者に対して実施されたスキンケアの指導の内容として、洗浄、保湿、皮膚トラブルに応じた処置があった。具体的なケア方法を説明するとともに、何度も体験習得してもらうことや、スキンケアへ両親に参加してもらうことが実施されていた。指導に対する養育者の反応としては、母親のスキンケアに関する意識で「手技に対する自信」が有意に増加したものや、前向きにスキンケアを見直せたもの、手技を獲得したが退院前に母親から不安の声が聞かれたものなどがあった。養育者が指導を受けたことによって、新生児の皮膚トラブルが半減したものや、皮膚が良好な状態を維持したものなどがあった。
結論
以上の結果より、スキンケアとして、洗浄、保湿、皮膚トラブルに応じた処置が重要であり、養育者に適切な指導が実施できるよう、看護職にスキンケアについての最新の情報が周知されることが必要である。児の皮膚トラブルが生じた後に、養育者への指導を開始するのではなく、予防についても視野に入れたスキンケアについての指導を、妊娠期や退院後の新生児訪問でも行うことが必要である。
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