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抄録
【目的】中学生に実施した性教育が、生徒に求められている「生きる力」を育む性教育として有用であるかを評価することを本研究の目的とした。
【対象と方法】都内の同区内のA中学校2年生199名とB中学校2年生70名を対象に性教育を助産学の教員と助産学生で実施した。性教育の授業終了後に無記名自記式質問紙調査を実施した。質問項目は、性教育の授業への参加態度、印象に残った授業容、授業の内容に関する理解など7項目とした。研究参加への自由意思、成績や学校での活動に不利益は一切生じないことを保証した(関西国際大学研究倫理委員会の承認受付番号:R5-27)。
【結果】分析対象者を201名(有効回答率:74.7%)とした。生徒が印象に残った内容は、「いのちのバトン」53.4%(101名)、「思春期のこころ」45.5%(86名)、「3つの出会い」39.2%(74名)であった。男女の2群間に「男子のからだの変化」p<.001)、「女子のからだの変化」(p<.001)および「出産と中絶」(p=.007)において有意な差が認められた。「男子のからだの変化」「男子の性に関する悩み」「女子のからだの変化」「女子の性に関する悩み」「ライフプランを考える」の5つの全ての項目において、8割以上の生徒が“よくわかった”“どちらかといえば分かった”と回答した。性教育の授業は、今後の生活に「大変役立つ」53.7%(108名)、「まあ役立つ」36.3%(73名)と回答した。
【結論】実施した性教育により、正しい医学的知識の獲得、からだの変化の理解および心身の健康を保持増進するために生活行動を考える機会となった。生徒に求められている「生きる力」を育む性教育として有用であることが示唆された。
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