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抄録
【目的】無痛分娩で出産した女性の妊娠・分娩・産褥期における想いを明らかにし、無痛分娩時における助産師の役割を検討する。
【対象と方法】2020年3月上旬〜9月中旬に都内において、初めて無痛分娩で出産をした女性を対象に、半構造的面接調査を行い、質的記述的に分析した。インタビューでは妊娠期から産褥期にかけての想いを自由に語ってもらった。対象者の承諾を得てICレコーダーに録音し作成した逐語録からサブカテゴリー、カテゴリーを抽出し検討した。なお、倫理的配慮として個人は特定されないように配慮し、東京医療保健大学ヒトに関する研究倫理委員会の承認(承認番号:院31-84)を得て行った。
【結果】5名の女性から研究参加の承諾が得られた。妊娠期の想いでは15のサブカテゴリーから【無痛分娩を選択した背景】、【主体性のない出産】、【医療者への期待】の3つのカテゴリーが抽出された。分娩期の想いでは11のサブカテゴリーから【麻酔に関する想い】、【ゆとりのある分娩経験】、【把握しにくい分娩状況】、【満足できた助産ケア】の4つのカテゴリーが抽出された。産褥期の想いでは9のサブカテゴリーから【無痛分娩に対する想像と現実のギャップ】、【自然分娩への興味】、【無痛分娩の魅力】の3つのカテゴリーが抽出された。
【結論】無痛分娩で出産した女性の語りから考える助産師の役割は、妊娠期の語りより、【無痛分娩を選択した背景】を考慮し、妊産婦が主体性を持って分娩に臨めるように、無痛分娩によるリスクや処置内容の情報提供、自然分娩の知識の提供、意思決定の支援である。分娩期の語りより、【麻酔に関する想い】に応えられるよう、麻酔薬の管理、産痛の把握、具体的な分娩進行状態の説明である。産褥期の語りより、【無痛分娩に対する想像と現実のギャップ】に対応した会陰部の創部痛や乳房ケア、痛みのギャップのケアである。
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