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抄録
【目的】本研究は、我が国における「育児期の母親の健康」の概念を明らかにし、母親の健康状態のアセスメントならびに健康支援への示唆を得ることを目的とした。
【方法】文献検討とした。文献データベース(医学中央雑誌 web版 ver.5)から「母親 and 育児 and 健康」をキーワードとして検索し、過去5年間(2016-2020)の原著論文から選定基準を満たした32件を分析対象とした。分析はRodgersの概念分析の手法を援用し、同様の概念分析を用いた先行研究を参考に、内容の共通性や類似性を比較しながらカテゴリー化を行い、カテゴリー間の関係を図式化し、定義付けを行った。
【結果】概念分析の結果、【身体と精神の状態】、【母親の主体的自己管理】、【母親を取り巻く社会的環境と支援】、【母親役割および社会的役割に伴い生じる育児中の母親への影響】の4つの属性、【生活習慣】、【母親の現状認識】、【母親の個人的特性】、【サポートとなる周囲の存在】、【子どもがもつ特性】、【多重役割から感じる負担感】、【母親を取り巻く環境】の7つの先行要件、【身体と精神の状態の維持・向上または増悪】、【育児への捉え方の変化】、【母親としての成長】、【母親および家族の良好な生活の獲得】、【母親の地域社会とのつながり】、【子どもがいる生活への適応】の6つの帰結が抽出された。
【結論】「育児期の母親の健康」の概念を、「育児や仕事の日々の中で、母親自身の生活習慣や多重役割から感じる負担感、周囲や環境の影響を受けながら育児期の母親の身体と精神の状態は形成され、母親自身の健康管理と周囲の存在や支援、母親が担う役割から受ける影響により身体と精神の状態のバランスを保ち、母親として成長し、母親および家族の良好な生活の獲得を目指す過程」と定義した。
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