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要旨
目的
妊娠期の父親に対してどのような効果を期待した支援が提供あるいは提案されているのかを文献研究により明らかにすること。
対象と方法
日本国内の文献を医中誌webおよびCiNiiを用いて検索し、19件を対象に分析した。支援と、支援の効果として提示されているアウトカムを文献から抽出し、アウトカムをコードとした。類似しているコードはサブカテゴリー、カテゴリーとしてまとめて命名した。それぞれのコードに対応する支援をカテゴリー毎に分類し分析した。
結果
妊娠期の父親への支援の研究は量的研究が最多で、2014年以降はプログラム開発研究や介入研究が確認できた。文献から抽出されたアウトカムは48のコードと13のサブカテゴリー、【夫婦関係を再構築する準備】【父親としての役割を担う準備】【育児や家事を担う準備】【出産の準備】の4つのカテゴリーに分類された。なかでも、【父親としての役割を担う準備】は、最も多くのサブカテゴリーを内包していた。【父親としての役割を担う準備】にはサブカテゴリー<父親の情緒の安定>が位置付けられた。近年、父親の周産期のメンタルヘルスに関心が寄せられており、父親支援のアウトカムとして今後注目すべき点といえる。妊娠期の父親への支援として抽出された62の支援からは、「父親のニーズに合わせた」「父親の状況に合わせた」「父親の不安に合わせた」支援の必要性が示された。
結論
妊娠期の父親への支援のアウトカムは【夫婦関係を再構築する準備】【父親としての役割を担う準備】【育児や家事を担う準備】【出産の準備】の4つにカテゴリー化できた。父親のニーズに添った知識や技術を含む支援の提供、多忙な父親であっても支援が受けられるような支援方法の開発、妻とのコミュニケーションの促進とピアサポートを意識した継続的な父親への支援の構築が今後必要である。
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