精神看護 21巻5号 (2018年9月)

特集 栄養は精神に直結しているのです

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精神症状は薬を使って治すもの、というのがこれまでの常識でした。

薬を否定するわけではありませんが、薬はあくまで対症療法。

食事や生活環境により体質改善をした上に加えてこそ、薬は効果を現すのです。

さらに、皆さんが持っている「栄養」の常識も疑う必要があるかもしれません。

脳内神経伝達物質の元になるのはタンパク質ですが、現代の食事はタンパク質が不足し、代わりに糖質(炭水化物)が多すぎる傾向があります。

それだけでなく、問題は腸なのです。腸管へのダメージで必要な栄養素を吸収できていないことが、私たちの心身に悪影響を与えている可能性があります。

この特集は、患者さんを含め、私たち全員の心身の安定を目指す方法の1つに、「栄養への着目」があるのでは、という提案です。

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1 栄養と精神が関連しているって、考えたこと、ありますか?

栄養の知識は、看護として強力なツールになる

 私は現在、埼玉県の川越市を中心に、“栄養学的アプローチ”を主軸にした精神科訪問看護ステーションを立ち上げて、その所長をしています。主治医と連携を取りながら、栄養に関する専門的な知識を用い、症状や血液検査データを指標に、利用者に食事やサプリメントなどのアドバイスをすることを特徴にした訪問看護ステーションです。

 “栄養学的アプローチ”と聞いて、もしかしたらあまりピンとこない人が多いのではないかと思います。私も数年前まではピンときていませんでしたが、分子栄養学という学問があることを知って勉強していくうちに、「栄養のことを抜きにして精神看護は語れない」とさえ思うようになりました。分子栄養学はまだ聞き慣れない言葉かもしれませんが、我々が看護学校で学んだ生理学をもっと深くしたものだと思ってください。要するに人の身体の仕組みについて知る学問になります。

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病院にかかったいきさつ。全く眠れない日々

 病院にかかったいきさつは、14年前(2004年)、次男出産後に不眠になったことでした。次男は夜泣きがひどく、ずっと睡眠不足で寝られない状態が続いて、ひどい時は30分おきに起こされて、昼間も寝なくて。その年の9月から、次男が寝ても自分が寝られないような状態になってしまい、「なんか、おかしいなぁ」と。翌1月に仕事に復帰したのですが、仕事をやって育児もやって、疲れてるのに眠れない。「これはおかしい」と病院にかかったというのが最初のいきさつです。

 病院で処方されたのはデパスでした。動悸や落ち着かなくそわそわしたりした時に頓服として飲んだりしていたのですが、2〜3週間した頃に突然パニックになったんです。

レポート

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【イントロダクション】

これをなぜ紹介するか

 『精神看護』2018年5月号の身体拘束に関する記事を読んだという私の友人からメールが届きました。彼女はある精神科病院に入院したことがあり、メールには隔離室で拘束された経験が綴られていました。

 彼女は私に患者体験をいろいろと話してくれます。そこにはいつもユーモアがにじんでいて、私はくすっと笑ってしまうこともたびたびなのですが、彼女自身は自分の話にユーモアがあるなんて思ったことはないと言います。いつも真剣に考えているのは確かです。

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第3作目、作っちゃいました

 2018年6月1日に発売した『超・幻聴妄想かるた』は、わたしたちハーモニーにとって3作目の「幻聴妄想かるた」になります。

 2009年に作業所の自主制作品として発表した第1作『幻聴妄想かるた』は、2011年に医学書院から刊行していただき、多くの人の目に触れることとなりました。

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患者さんに自殺の危険性を感じる時、どのように対応していますか? 保護室に入ってもらう? 私物制限をする? 巡回の頻度を増やす? けれども死を決意した人は靴紐1本でもそれを成し遂げますし、多くの自殺は巡回の合間に決行されています。そうした対応だけでは自殺は防げないのです。八事病院さんでは、過去の苦い経験から、「自殺予防対策フローチャート」を作成しました。それからというもの、自殺例は1例も出ていないとのこと。ぜひその全容を教えてもらいましょう。

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 夫に体調不良を訴えると、決まって肩すかしを食らう。私としては「大丈夫?」とか「熱あるの?」とか、月並みな言葉でいいので気遣いがほしい。頭がだるくなってきたし、喉の調子も怪しい。この「風邪」と宣告されつつある我が身に、せめてもの共感を示してほしいのだ。

 だがこういう場面で、夫は絶対に共感を示さない。同調してしまうのである。彼もまた、風邪にかかってしまうのだ。そして彼自身の体のことを心配し始める。首を回して関節の腫れを確かめたり、額に手を当てて熱を確認したり……。そして決まっていうのだ、「俺も」と。

連載 これが長谷川病院のセルフケア看護モデルをベースにした看護だ・1【新連載】

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長谷川病院のセルフケア看護モデルを知りたいという声にお応えして

 「長谷川病院でセルフケア看護モデルがどのように根付いているのかを知りたい」「参考にして自分の施設の看護を考えていきたい」という声を時々いただきます。

 長谷川病院では1984年に患者さんへの個別的アプローチと、看護者のアイデンティティ形成を目的にセルフケア看護モデルを導入しました。導入にあたり、パトリシア・R・アンダーウッド(P. R. Underwood)先生はじめ大学関係者の方々にお世話になったと伺っています。その後も多くの先輩看護師によって臨床で活用の検討がされ続けてきました。導入から約35年、現在も長谷川病院の看護師はセルフケア看護モデルをもとに看護を行っています。

連載 MSEを「穴埋め式看護記録」で練習してみよう・1【新連載】

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あなたがこのケースの担当者だったら、と考えながら読んでください

 今回のケースは、双極性障害における抑うつ状態にある50歳代の男性患者さんです。患者さんとの会話から、あなたならどのような情報を得て、アセスメントをし、どのように看護記録に記載するでしょう。考えながら読み進めてください。

連載 訪問看護で出会う“横綱”級ケースにくじけないための技と型、教えます・8

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 今回は、当事者の希望やその人らしさ、支援の目的が明らかになるような新規面接にするためのポイントを解説します。以前の連載で述べたことと同じ部分もあるかと思いますが、復習だと思って読んでみてください。

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医療観察病棟にて

 花巻病院の医療観察法病棟では心神喪失等の状態で他害行為を行った方々が、再び同様の他害行為をすることなく社会復帰ができるよう治療を行っています。その目的を達成するために、心理教育、SST、作業療法、権利擁護講座、集団認知行動療法などさまざまな心理社会的治療プログラムが多職種によって行われています。また法務省保護観察所に配置され医療観察法処遇をコーディネートする社会復帰調整官とも連携して治療を進めています。

 当病棟では集団での当事者研究を週に1回、1時間ほどの時間で行っています。参加される対象者(医療観察法においては治療を受ける患者さんは対象者と呼ばれます)は3名から4名ほどです。そしてスタッフが2名から4名ほど参加しています。1人あるいは何人かがホワイトボードも使いながら、自分の研究テーマの発表を行ったり、時には「みんなに聞いてみたいこと」などもテーマにして実施しています。

連載 イイネ!その業務改善・10

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金一封も励みにしつつ、優勝めざして争います

 2012年から石井病院(以下、当院)では、当時の看護部長の発案で、年に一度、看護部主催の「グッジョブ大会」という業務改善発表会を実施しています。各病棟から1つずつ、新たな業務改善を発表してもらうことで、創意工夫が生まれることを目的にしているのですが、それだけではなく、この発表を通して“各病棟スタッフが楽しく仕事ができる”ことを目指しています。優勝した病棟には看護部長より金一封が贈られることも、業務改善を行うスタッフのモチベーションとなっています。

 審査員は看護部長のほか、事務部、在宅部、診療部、外来看護師から各1名の、計5名からなります。採点基準は[効果][アイデア][業務の効率化][プレゼンテーションのわかりやすさ][伝え方のアイデア]の5項目です。審査員は1項目につき10点(5項目で50点満点)を持ちます。伝わるプレゼンテーションであったかどうかも評価基準となっているので、各病棟は高得点を得ることを目指し、工夫をこらしながら争う形になります。

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 突然ですが、こんな質問を受けました。

 「武井先生は個人オフィスを開業されたものと思っていましたが、最近、また別の大学でお仕事をされていると聞きました。どういう心境の変化なのでしょうか?」。そこで今回はその質問にお答えしながら、あらためて大学院について考えたことをお伝えしたいと思います。

連載 福祉を下に見てはいけません。地域に出て見えてきたこと・3【最終回】

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 『精神看護』読者の皆様、三度目のこんにちは! 僕は大阪府吹田市の精神科医です。今回が連載最後の完結、未来編となります。1回目「過去編」、2回目「現在編」を通して、福祉と医療の関係について投稿させていただいてきたわけですが、3回目「未来編」ではACTのことから話してみたいと思います。

 過去編においては、福祉と医療が明確な違いを持たない牧歌的共存にあった長い時代から、現代福祉は反医療、反構造として分化したという下りを説明したつもりです。次の現在編では、さらに福祉と医療の構造の違いを明確にしつつも、現時点においてはほぼ真逆に違うはずの福祉と医療が良くない形でごちゃごちゃになってきている点を指摘したいと思って書きました。

連載 栄養精神医学・4

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 今回は、鉄欠乏が子どもの精神症状に与える影響について見ていきたいと思います。

 貧血にまで至っていなくても鉄欠乏状態であるために精神症状がみられることがあります。これから妊娠、出産予定の方やすでにお子さんをお持ちの方には、特に、鉄欠乏の影響を理解していただきたいです。

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■精神科認定看護師になるためには

 精神科認定看護師の資格を取るためには、精神科認定看護師教育課程を受講し、認定試験に合格する必要があります。日本精神科看護協会(日精看)さんでは、次年度に開講する教育課程の受講生を、下記のとおり募集しています。

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1人が基本の訪問看護で

 精神科に特化した訪問看護に従事するようになり10年が経ちました。訪問看護の前は精神科単科の病院で3年間ほど、病棟看護師として働いていました。病棟勤務時代は精神状態の急性増悪や、脳梗塞といった身体疾患による急変、窒息事故などがあったものの、すぐに他の看護師や医師が駆けつけてくれたので、私はチームの一員として看護に当たることがほとんどでした。

 訪問看護に従事している今は、精神科ならではの自傷、自殺、事故、急変時に1人で対応しなければならないので、「1人でも冷静に、かつ正しい対応ができるように、もっと知識を深めなければ!」と奮起しながら日々を送っています。

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次号予告・編集後記

基本情報

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精神看護
21巻5号 (2018年9月)
電子版ISSN:1347-8370 印刷版ISSN:1343-2761 医学書院

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