特集 栄養は精神に直結しているのです
—[解説]—栄養学的アプローチと精神科看護
高原 健一
1
1訪問看護ステーション膳
pp.429-441
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200521
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1 栄養と精神が関連しているって、考えたこと、ありますか?
栄養の知識は、看護として強力なツールになる
私は現在、埼玉県の川越市を中心に、“栄養学的アプローチ”を主軸にした精神科訪問看護ステーションを立ち上げて、その所長をしています。主治医と連携を取りながら、栄養に関する専門的な知識を用い、症状や血液検査データを指標に、利用者に食事やサプリメントなどのアドバイスをすることを特徴にした訪問看護ステーションです。
“栄養学的アプローチ”と聞いて、もしかしたらあまりピンとこない人が多いのではないかと思います。私も数年前まではピンときていませんでしたが、分子栄養学という学問があることを知って勉強していくうちに、「栄養のことを抜きにして精神看護は語れない」とさえ思うようになりました。分子栄養学はまだ聞き慣れない言葉かもしれませんが、我々が看護学校で学んだ生理学をもっと深くしたものだと思ってください。要するに人の身体の仕組みについて知る学問になります。
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