理学療法ジャーナル 51巻9号 (2017年9月)

特集 ACL損傷と動作

EOI(essences of the issue)
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 膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)は小さな靱帯であるにもかかわらず,その損傷はスポーツ外傷のなかでも非常に頻度の高いものであり,長い間術式を含めスポーツ整形外科の話題の中心となってきた.以前と比較して術式はある程度落ち着いており,理学療法の一般化も進んだと思われる.しかしながら,受傷機転や予防を含めてまだ課題が多く,なかでも理学療法士に関連する話題としては膝関節が,複雑な動作のなかでどのような影響を受けているのかについて世界的にも論議がある.動作と絡めたうえでのACL損傷について,さらに考えを深めていただきたい.

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はじめに

 スポーツにおける膝関節靱帯損傷の約半数は膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷とされ1),米国では年間10万件以上発生しているとも言われている2).近年では,再建術やリハビリテーションの進歩により,受傷前と同じスポーツレベルへ復帰できるようになってきている.しかし,依然としてスポーツ復帰までの時間は長く,社会的・経済的損失も大きい.

 ACL損傷はスポーツ種目により異なるが,非接触損傷が多く,受傷時の肢位や動作が特徴的であることが指摘されている.そこで本稿では「動作」を切り口に,再建術後のリハビリテーションやその再発予防について述べてみたい.

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移植腱の選択

 現在膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)再建の移植腱には主に膝屈筋腱(semitendinosus and gracilis tendons:STG)か膝蓋骨付き膝蓋腱(bone tendon bone:BTB)が用いられている.手術後の安定性については優劣がつくほどではないことから,施設により慣れたどちらかの方法が行われているのが現状であろう.しかし競技によっては,適切な移植腱の選択が不可欠である.

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発生率

 本邦における膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷の発生率は日本スポーツ振興センター(Japan Sport Council:JSC)の災害共済給付データによる報告がある1).中学校1年生から高等学校3年生の運動部活動におけるACL受傷件数は年間約3,000件であり,受傷率は1,000人あたり男性0.48件,女性1.36件で,女性は男性より2.8倍発生頻度が高く,男女ともに高校2年生での発生率が高かった(図1)1).競技別では,男性はラグビーと柔道,女性はバスケットボールと柔道で特に発生率が高かった1,2)(図2)1)

 他国では練習や試合10万回(100,000 Athletes exposure:AE)あたりの発生率としての報告が多い.米国の高校生を対象とした報告では,男性2.6件/100,000AE,女性8.9件/100,000AEで,女性は男性より3.4倍発生頻度が高かった3).種目別では,女子サッカー,男子フットボール,男子サッカー,女子バスケットボールの順に発生率が高かった3).つまり,各国共通して女性の発生率が男性より高く,競技別にはコンタクトスポーツ(柔道,ラグビー,フットボール)と,女性においては球技(バスケットボール,サッカーなど)の発生率が高いと言える.

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はじめに

 膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷は,スポーツ活動において発生しやすく,特にアスリートにとっては選手生命を脅かすことにもなりかねない,スポーツ外傷のなかでも重篤な疾患の一つである.その受傷機転は,選手同士の接触に加え,ジャンプ着地や急な方向転換など非接触場面でも多く発生することが知られている.

 ACL損傷のメカニズムについて,Kogaら1)は受傷場面をビデオ解析し,ジャンプ着地やストップ動作において接地後40ms以内に生じる膝関節の急激な外反と内旋がACL受傷と関係していると報告した.また,Bordenら2)は,ACL損傷時の足関節と股関節の運動に着目し,ACL損傷者は受傷時の足部・足関節の肢位・運動に問題があったことを指摘した.そのなかで,ACL損傷者は初期接地時に後足部か足底全体で接地し,足関節の角度変化がほとんどなかったのに対し,非損傷者は初期接地時に足関節を底屈し,足関節の角度変化が大きかったと述べている.

 ACL再建術後にスポーツ復帰をめざす場合,難度の高い課題動作において,脛骨の前方引き出しや膝関節の過度な回旋ストレスが生じるような身体機能を有していると,再受傷につながることになる.臨床場面では,再建靱帯のリモデリング過程や術後の経過期間ならびに関節機能に応じて,段階的に動作評価を行い,スポーツ復帰に向けた準備を図ることが求められる.そこで,本稿では筆者らが行っているACL再建術後症例に対する動作評価について述べる.

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はじめに

 膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)再建術を希望するアスリートだけでなくスポーツ愛好家も,以前と同様のレベルでスポーツ活動を行いたい,もっとうまくなりたいと望んでいることだろう.スポーツパフォーマンスの向上を伴ったスポーツ復帰は,再受傷を十分に考慮することが非常に重要と考える.

 筆者は,スポーツパフォーマンスの向上を目的とした理学療法の戦略を大きく2つの要素から考えている.1つは,体力要素の詳細な評価とトレーニングにより弱点を強化することである.もう1つは,徹底したアライメントコントロールである.アライメントコントロールには動作イメージと,その動作を行うための関節可動域を有していること,さらに関節をコントロールするための最低限の筋力が必要になる.言い換えればいかに筋力で関節をコントロールし,目的に合った動作を行うかが非常に重要となる.本稿では,エネルギー効率から考えた姿勢への不適切な適応を単関節の動きから考え,筋活動を高めたスクワット動作について提示し,その問題点に対するアプローチについて述べる.

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はじめに

 スポーツ現場では日々の練習や試合においてさまざまな傷害が発生する.傷害からの回復過程では器質的な回復に加え,傷害により生じた運動機能障害を改善していかなければならない.身体動作には身体各部位の運動機能が集約されており,身体動作から運動機能の評価ないしは運動療法の効果判定を行うことが可能である.特にスポーツ現場における傷害対応ではフィールド上での実践的な運動負荷に対する運動機能の評価が重要となる.

 このようなことから筆者は,動作からの視覚的な評価を中心にスポーツ傷害に対するアプローチを行ってきた.そのなかでも本稿では膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)損傷に着眼し,自身の観点から動作とACL損傷との因果関係を推察するととともに,動作分析に基づいたフィールド上での機能評価,対応について概説していく.

連載 超音波で見る運動器と運動療法Q&A・第9回

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Question

 71歳男性,会社員.数週間前より下腿後部に痛みと腫脹を自覚,背伸びをすると痛みあり.徐々に疼痛が増悪し歩行困難となり受診.

 さてこの病態は?

とびら

いろり 酒井 尚子
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 いにしえから暖かさを分かち合い語らいの場である囲炉裏.茶碗に湯が注がれるだけでも心が温かくなり,鍋や料理が振る舞われれば明日の活力となる.自然に輪ができ語らい,そこに居場所ができる.居場所ができることで,不安は消え,安堵とともに楽しみや夢が生まれる.私にそんな居場所があるのか,彼にはあったのか,この先に描くことができるのか,日々問い続ける.

 私は回復期病棟に携わりながら,地域のなかでの居場所づくりである“たまり場活動”に理学療法士として参加している.介護予防活動が盛んになり日本理学療法士協会認定研修を機に,理学療法士として入院以前の予防の大切さを学ぶことができた.そこからこれまで受け身で行ってきた予防活動に対し,専門職としてのかかわり方を考える院内チームづくりへ発展させた.

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 第52回日本理学療法士協会全国学術研修大会(以下,本大会)は,「進歩する理学療法」をテーマに2017年10月20日(金)・21日(土)の2日間にわたり石川県立音楽堂とホテル金沢を会場(図1)として開催されます.本大会が石川県で開催されるのは初めてであり,活気のある大会となるよう石川県理学療法士会の会員が一丸となって鋭意準備を進めています.社会で活躍する理学療法士が学ぶ場として,会員の皆様には全国各地から多数ご参加いただけますよう,何卒よろしくお願いいたします.

初めての学会発表

不安から活力へ 尾崎 圭一
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 2017年5月12〜14日に千葉県(幕張メッセ,他)で第52回日本理学療法学術大会が開催されました.同会場では歌手のライブも同時に開催されていましたが,その熱気を上回るほどの熱意を学会では感じることができました.学会初日にポスター発表をさせていただいたので,その経緯と学会での様子を報告します(図).

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 私が理学療法士を志したきっかけは,高校時代に入院したことでした.そしてそれからいつの間にか14年という月日が流れました.

 入職当初からさまざまな分野の研修会に参加しながら,週末は波乗りに本格的に取り組んでおり,波乗りと仕事とハードな生活を送っていました.

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

Subjective visual vertical 西村 由香
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■用語の定義・概念

 Subjective visual vertical(SVV)は,前庭機能および重力の認知方向を示す指標の一つであり,空間認知,姿勢障害の評価にも用いられる.自覚的視性垂直位と訳されることが多い.暗室もしくは視覚的手がかりをなくした環境下で,前額面上を回転する光る棒などの視標を垂直位に決定し,重力線からのずれをみることで観察できる.他の耳石器機能の検査と比較して,テント上病変の前庭機能・重力認知を検査できる反面,検査上,あらゆる認知過程,結果の表出過程を含む.

 SVV検査の結果は,対象者が決定した位置の重力線からのずれを誤差角度と偏位方向で表す.対象者からみて,時計回り(+)・反時計回り(−)の誤差偏位方向の記録が慣例的ではあるが,右・左の表記や,一側性病変の場合には病巣側に対して同側・反対側と示すことも多い.複数回の平均値が±2°あるいは±2.5°を超える場合に異常と判定することが多い.

1ページ講座 障がい者スポーツ

車いすテニス 蛯江 共生
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 車いすテニスは1970年代中ごろに米国で始まった.パイオニアの1人であるブラッド・パークスは事故により車いすユーザーとなり,リハビリテーション中に車いすでのテニスを知る.自身でも始めたところ,車いすテニスはレクリエーション活動を通じて治療になると同時に,非常に楽しいスポーツであることに気づき普及を始めた.その数年後には全米規模の大会が開催された.

 現在,車いすテニスはレクリエーションからプロスポーツにまで発展している.世界では1998年,国際車いすテニス連盟(International Wheelchair Tennis Federation:IWTF)が国際テニス連盟(International Tennis Federation:ITF)に統合され,ITF車いすテニス委員会の諮問機関として国際車いすテニス協会(International Wheelchair Tennis Association:IWTA)が発足した.日本では1983年に普及が始まり,1991年に現在の日本車いすテニス協会(Japan Wheelchair Tennis Association:JWTA)が設立された.JWTAはアジア地区担当としてITF,IWTAと連携し,普及などの国際活動への協力や,国内では全国大会の調整,ランキングの管理,普及活動,技術強化,国際大会への選手団派遣などを行っている.2014年には男女のシングルス世界ランキング1位を日本人選手が獲得したほか,近年日本は各クラスともに世界の強豪国の一角を成している.

入門講座 「はじめて」への準備(臨床研究編)・3

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はじめに

 “臨床研究”と聞くと身構えてしまう人が少なくないのではないだろうか.「臨床家であるから研究はしなくてもよい」,あるいは「研究ばかりやっていると臨床がおろそかになる」,「臨床が忙しくて研究ができない」など,研究と臨床があたかも相反するものや干渉し合うものと捉える声がよく聞かれるが,はたしてそうであろうか.

 歴史的にみても,研究なくして臨床医学の発展はなく,リハビリテーション領域も然りである.「医療の現場にいる臨床家は,エビデンスの消費者であると同時に生産者でなくてはならない」とも言われる1).世界理学療法連盟(World Confederation for Physical Therapy:WCPT)の教育ガイドラインにも“研究”の項目があるように,理学療法士において研究の理解・実践はもはや必須項目であろう.とは言え,いくら研究法を机上で勉強しても,あるいは論文を読み漁っても臨床研究の実際や本質を理解するのは困難であり,臨床研究を理解するうえで何より重要なことは実践による経験知であると思われる.本稿では,普段の臨床での問題意識から,単一事例での仮説検証手続きを経て,やがてそれを一般化させるという一連の臨床研究プロセスを具体的に紹介したい.

講座 ニューロモジュレーション・1【新連載】

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はじめに

 中枢神経疾患の機能回復には適切な可塑性を誘導することが重要であり,さまざまなリハビリテーション手法が報告されている1).さらに最近では頭皮上から刺激を行い大脳皮質の興奮性を人工的に変化させ,脳可塑性を引き起こし機能回復に結びつけるニューロモジュレーションがリハビリテーション分野において注目を集めている2).本稿では代表的なニューロモジュレーションである反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranialmagnetic stimulation:rTMS)および経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS)を概説し,脳卒中,パーキンソン病,うつ病,慢性疼痛に対する治療法およびメカニズムを紹介する.

臨床実習サブノート 歩行のみかた・6

被殻出血および視床出血 増田 知子
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はじめに

 理学療法士を志す皆さんが,脳出血の症状としてまず思い浮かべるのは運動麻痺でしょう.脳卒中,すなわち脳出血,くも膜下出血,脳動静脈奇形に伴う頭蓋内出血,脳梗塞などを発症した場合,いずれも運動麻痺を生じる可能性があります.運動麻痺が歩行に与える影響は非常に大きく,それゆえに脳卒中者の歩行=いわゆる「片麻痺歩行」として,典型的・画一的に解釈される危険性があります.

 脳ではそれぞれの役割を持つ神経回路が適切に機能することによって,システムとして協調的に働いています.脳卒中者の歩行評価には,対象者の歩行という運動を物理的に的確に捉え,現象に画像所見やその他の臨床所見を合わせて,脳のシステムと関連づけて理解することが必要となります.

 本稿では,脳卒中のなかでも臨床において遭遇する頻度の高い被殻出血および視床出血の患者の歩行のみかたについて提案したいと思います.

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要旨 【目的】糖尿病患者のうち,糖尿病性末梢神経障害(diabetic peripheral neuropathy:DPN)合併患者はDPN非合併患者よりも死亡率や重症合併症率が高く,その要因の一つに身体活動量の低下が挙げられる.また,DPN合併患者は歩行動揺性が大きいことが報告されている.本研究ではDPN合併患者の歩行動揺性が身体活動量に与える影響を明らかにすることを目的に検討を行った.【方法】対象はDPN合併患者88名とした.測定項目は身体活動量,運動耐容能,精神機能,歩行動揺性とし,各項目について相関分析ならびにパス解析を用いて関係性の検討を行った.【結果】運動耐容能と精神機能は直接身体活動量へ影響を与えていた.歩行動揺性は身体活動量へ直接与える影響が認められなかった.しかし,歩行動揺性は運動耐容能を介して,身体活動量へ間接的に影響を与えていることが認められた.【結論】DPN合併患者の身体活動量低下の要因として,歩行動揺性が運動耐容能を介して間接的に影響を与えている可能性が示唆された.

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要旨 エコー画像にて,棘上筋から棘下筋上部線維の範囲に慢性型の石灰沈着を発症した症例に対する理学療法を経験した.理学所見では,肩甲胸郭関節の機能低下および臼蓋上腕関節後上方から後下方組織の伸張性低下を認めた.石灰沈着自体が疼痛の発生要因ではなく,肩甲胸郭関節の機能低下に加え臼蓋上腕関節後下方支持組織の伸張性低下により生じる上腕骨頭の前上方偏位によって,石灰沈着部と烏口肩峰靱帯の接触圧上昇が生じていると考え,肩甲胸郭関節の機能改善ならびに棘上筋および棘下筋上部線維の伸張性獲得を目的に運動療法を実施した.加療3か月後には,肩甲胸郭関節の機能は改善され臼蓋上腕関節の内旋可動域は拡大し,動作時痛は消失した.エコー画像では,石灰沈着が縮小し,カラードップラ法では石灰沈着内に血流増生像を認め,初期に存在した烏口肩峰靱帯周囲の血流増生像は消失していた.肩関節複合体の機能改善に伴い棘上筋および棘下筋上部線維内の循環動態が好転したことで石灰沈着の吸収を促したと考えた.

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次号予告

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 医学の専門教育は人体の構造を学ぶ解剖学から始まる.その事実に異論を唱える者はいないだろう.当然,理学療法士の養成課程でも同様であり,現職者であれば誰もが一度はその習得に苦心した経験があるはずである.特に近年,学生からは「各部位の名称を覚えることができない」,「運動器の位置関係を理解できない」という声をよく耳にする.また,理学療法士の養成課程で用いる解剖学書は養成校ごとに異なっており,スタンダードとして用いられている一冊は定まっていない印象を受ける.

 このたび,医学書院より『標準解剖学』が発刊された.本書の著者は順天堂大学大学院教授の坂井建雄先生である.この事実こそが,本書の第一の特徴と言えるだろう.坂井先生は日本の解剖学教育・研究の第一人者であり,これまで数多の解剖学書の執筆に携わっている.その執筆の領域は医療従事者やその学生を対象とした専門書のみならず,一般向け・子供向けの書籍など,極めて多岐にわたっている.本書にはその知見が存分に生かされ,解剖学の初学者から現職者までが学ぶことのできる一冊に仕上がっている.

文献抄録

編集後記 福井 勉
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 膝前十字靱帯損傷の臨床や研究は20年以上前から常にスポーツ医学のトピックであり続けたと言って過言ではないだろう.手術方法のみならず,再建靱帯の特性,術後の理学療法,復帰基準,予防プログラムなどが次々に論議されてきた.徐々に手術方法もその後の理学療法も落ち着いてきたかにみえる.しかしながら,この小さな靱帯が運動中にどのような挙動を示すのか,あるいはパフォーマンスにどのように影響しているのかについての解明はまだまだ長い道のりである.そこで本号では動作に焦点をあてた特集を企画した.エディトリアルで川島敏生先生には理学療法の変遷を中心に背景を踏まえ,お書きいただいた.手術方法と動作の重要性,理学療法士との連携については内山英司先生にまとめていただいた.競技特性や受傷好発動作については高橋佐江子先生に疫学調査の結果をご執筆いただいた.また特に評価に重点を置いた面からは,医療機関内での評価課題を森口晃一先生にご提供いただき,また吉田昌平先生にはパフォーマンスの関係をご教示いただいた.計測機器のないグラウンドで長い間動作分析を地道に続けてこられた安藤貴之先生からは大変ユニークな動作分析方法をご教示いただいた.

 先生方からの原稿をいただきあらためてその洗練された考え方に触れ,しばし時間の過ぎるのを忘れてしまった.前十字靱帯損傷が生じるのは練習中や試合中である.そして手術後には理学療法を含めてさまざまなトレーニングをしなくてはならない.選手は試合に勝っても,負けてもやはりトレーニングをする.理学療法士も自らの技術を高めるためには,自らのトレーニングが必須であり,その一つはこのような特集記事からの知見を得ることである.いかに実践に結びつけるかについて自分との対話も必要になろう.このあたりはアスリートが立てる明確な目標から私たちも学ぶことが多くあるように思う.われわれも当然のことながらトレーニングが必要なのだ.

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基本情報

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理学療法ジャーナル
51巻9号 (2017年9月)
電子版ISSN:1882-1359 印刷版ISSN:0915-0552 医学書院

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