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書評 —坂井建雄●著—「標準解剖学」
町田 志樹
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1臨床福祉専門学校・理学療法学
pp.822
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200982
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医学の専門教育は人体の構造を学ぶ解剖学から始まる.その事実に異論を唱える者はいないだろう.当然,理学療法士の養成課程でも同様であり,現職者であれば誰もが一度はその習得に苦心した経験があるはずである.特に近年,学生からは「各部位の名称を覚えることができない」,「運動器の位置関係を理解できない」という声をよく耳にする.また,理学療法士の養成課程で用いる解剖学書は養成校ごとに異なっており,スタンダードとして用いられている一冊は定まっていない印象を受ける.
このたび,医学書院より『標準解剖学』が発刊された.本書の著者は順天堂大学大学院教授の坂井建雄先生である.この事実こそが,本書の第一の特徴と言えるだろう.坂井先生は日本の解剖学教育・研究の第一人者であり,これまで数多の解剖学書の執筆に携わっている.その執筆の領域は医療従事者やその学生を対象とした専門書のみならず,一般向け・子供向けの書籍など,極めて多岐にわたっている.本書にはその知見が存分に生かされ,解剖学の初学者から現職者までが学ぶことのできる一冊に仕上がっている.
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