整形・災害外科 66巻1号 (2023年1月発行)

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特集　TKAの成績向上のためのバイオメカニクス

扉冨田　哲也 66巻1号 , 2023年1月 , pp.8-8

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人工膝関節全置換術（total knee arthroplasty；TKA）は膝関節機能再建手術として，最も一般的な術式の一つです。その名の通り，人工物で関節構造を置き換える手術であり，優れた膝関節機能再建を可能にするためには，その機能（バイオメカニクス）を理解することは重要と考えます。

TKAのバイオメカニクス総論中村　伸一郎 66巻1号 , 2023年1月 , pp.9-15

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要旨：人工膝関節全置換術（TKA）におけるバイオメカニクスの研究は古くはcadaverを用いて行われ，インプラントの耐久性を上げるために行われていた。運動機能の改善のための詳細な研究が徐々に盛んになり，X線透視像を用いたインプラントの動態解析やポイントクラスター法での解析がなされてきた。またコンピュータの処理速度の向上により，シミュレーションでの解析も可能となっている。TKAのバイオメカニクスの研究はこれまで多くのエンジニアとの共同研究で行われてきた。臨床上の問題点や疑問についてバイオメカニクスの研究で原因などを明らかにし，それを臨床にフィードバックすることで，今後の手術手技，インプラントの改良につながり，良好で安定した長期成績を得ることができると考える。今後もエンジニアとのコラボレーションで，新たな研究が行われることが望まれる。

TKA術後軟部組織バランスおよびキネマティクスが臨床成績に及ぼす影響水内　秀城 , 川原　慎也 , 石橋　正二郎 , 中島　康晴 , Darryl　D D’Lima 66巻1号 , 2023年1月 , pp.17-24

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要旨：TKA術後における軟部組織バランスやキネマティクスが臨床成績に与える影響を，内外反ストレスX線やin vivo動態解析（階段昇り動作）を用いて検討した。内反型変形性膝関節症78膝（67患者）を対象とし，後十字靱帯切離型インプラントを用いてmechanical alignmentを目標にmeasured resection techniqueにて手術を行い，術前および術後1年時に2011 Knee Society Score（KSS）を用いて評価した。Valgus laxityはKSS symptomsとsatisfactionに有意な相関を認め，キネマティックパターンでも，medial pivotタイプはnon medial pivotタイプに比べて，activities scoreとsatisfaction scoreは良好であり，TKA術後における内側支持機構の重要性を改めて確認することができた。

Augmented realityを応用したTKA 塚田　幸行 , 小川　博之 , 黒坂　健二 , 齊藤　昌愛 , 西野　正洋 , 平澤　直之 66巻1号 , 2023年1月 , pp.25-29

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要旨：Augmented reality（AR）は，現実世界にコンピュータで作成した情報を加える映像技術である。われわれは，スマートフォンのカメラを利用したARを人工膝関節全置換術（TKA）・人工膝関節単顆置換術（UKA）用のナビゲーションに応用した。ARナビゲーションは，大腿骨遠位部・脛骨近位部の骨切り角度をリアルタイムで知るのみでなく，大腿骨および脛骨の機能軸や大腿骨頭中心の位置を術野に投影して見ることを可能にする。TKA症例における目標設置角と術後下肢全長X線で測定した設置角との差の絶対値は，脛骨近位部で1.3°±1.1°，大腿骨遠位部で1.1°±1.0°であり，大腿骨側では髄内ロッドを使用した骨切りの誤差（2.2°±1.6°）と比較して有意に高い精度が得られた（95％信頼区間0.5°～1.8°，p＜0.001）。

両十字靱帯温存型TKAの術後動態河野　賢一 , 乾　洋 , 山崎　隆治 , 武冨　修治 , 田中　栄 , 冨田　哲也 66巻1号 , 2023年1月 , pp.31-37

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要旨：近年，人工膝関節全置換術においても両十字靱帯を温存することの重要性が再認識され，新世代の両十字靱帯温存型TKAが行われるようになってきている。臨床成績の向上に加え，術後キネマティクスに関しても，総合的にみると健常膝に類似した動きを示している。一方で，回旋運動や前後移動において健常膝と完全に同等なキネマティクスを示すまでには至っていないという課題もみられているのが現状ということもでき，今後手術手技，インプラントデザイン，解析手法などの改良による，さらなる発展が期待される。

6自由度関節力学試験ロボットシステムを用いたTKAバイオメカニクス解析岡田　葉平 , 寺本　篤史 , 鍋城　尚伍 , 高木　鉄矢 , 柴田　康楽 , 藤江　裕道 66巻1号 , 2023年1月 , pp.39-45

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要旨：6自由度関節力学試験ロボットシステムと未固定凍結遺体を用いて両十字靱帯温存型人工膝関節全置換術の生体力学的解析を行った。6自由度それぞれに力制御または位置制御を行うことでリアルタイムに膝関節運動をコントロールし，同一献体・同一座標系でintact膝と人工膝関節，さらに手術手技による変化を検討した。両十字靱帯温存型人工膝関節の屈曲・伸展時のキネマティクスは正常膝と異なる部分があった。前・後方laxityは0°～90°の範囲内で正常膝と同等であり，後顆厚により変化した。前十字靱帯のin situ forceは正常膝より上昇し，脛骨後傾角により変化した。一方で両十字靱帯代償型人工膝関節は，前十字靱帯の機能を完全には代償できていなかった。これらの結果から，両十字靱帯温存型人工膝関節全置換術の術式改良を目指している。

ナビゲーションシステムを用いたTKA術中キネマティクス解析和田　佳三 66巻1号 , 2023年1月 , pp.47-52

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要旨：人工膝関節全置換術（TKA）の術後患者満足度低下の原因として，術後に健常膝関節のキネマティクスが再現されていないことが一因であると仮説を立て，ナビゲーションシステムを用いた術中キネマティクス解析についての研究を行った。術中キネマティクス解析は高い再現性をもち，術後解析との関連性も検証された。未固定遺体の健常膝を用いた術中キネマティクス研究結果からは，TKAにおける健常膝関節のキネマティクスの再現には軟部組織バランスと関節面形状が重要な因子となることが示唆された。また臨床例に対する解析では，健常膝関節に特徴的なキネマティクスが再現された症例で術後成績が良好となる傾向が示唆された。今後手術支援ロボットなどを用いた新たな評価手法を用いて，目標とすべきキネマティクスの解明やキネマティクスに影響を与える因子などについて，さらなる研究が必要である。

キネマティックアライメントのバイオメカニクス金田　和也 , 二木　康夫 , 名倉　武雄 66巻1号 , 2023年1月 , pp.53-57

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要旨：人工膝関節全置換術（TKA）の術後患者満足度改善のためにアライメントへの考え方はメカニカルアライメント（MA）からキネマティックアライメント（KA）へ，さらに人類はロボット支援やナビゲーションの技術を手に入れ術中に適宜アライメントやバランスを調整する時代へと進化している。KA-TKAはバイオメカニクスの観点からコンピュータシミュレーション，術中評価，歩行解析，2D-3Dマッチングを用いて解析され，MA-TKAより健常に近い動態を示すことが報告されている。臨床成績においても各種スコアについて有意に優れているという報告が多数あり，合併症や再置換率についてもMA-TKAと有意差はないと報告されている。今後，ロボティックやナビゲーション技術を含めた近代のアライメントTKAにおいて多方面からの解析および長期成績の報告に期待がかかる。

臨床成績向上のためのコンピュータシミュレーション渡邉　睦 , 栗山　新一 66巻1号 , 2023年1月 , pp.59-66

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要旨：人工膝関節全置換術（TKA）は良好な術後除痛効果や長期成績を得られているが，患者満足度は十分とはいえない。これには膝関節のバイオメカニクスの変化が関連している可能性があり，現在まで生体や屍体膝の動態解析が行われてきた。近年，筋骨格コンピュータシミュレータを用い，同一個体の一定環境化で，設置角度変化などの影響を定量化できるようになった。われわれは，このシミュレータによりインプラント設置や軟部組織の変化と術後臨床成績の関連についてバイオメカニクスの観点から検証を行ってきた。これらの解析研究から得られた知見を反映した手術手技は，ロボットアーム支援手術により正確に再現可能となりつつあり，さらなる臨床成績の改善が期待される。

解剖学的関節面形状を有するTKA術後動態石橋　輝哉 , 冨田　哲也 , 山崎　隆治 , 藤戸　稔高 , 玉城　雅史 , 岡田　誠司 66巻1号 , 2023年1月 , pp.67-74

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要旨：解剖学的関節面形状を模倣した機種を用いた人工膝関節全置換術術後の膝関節動態を2D/3D registration techniqueを用いて解析した。本邦で使用可能なFINE（帝人ナカシマメディカル社）とJOURNEY^◇ Ⅱ（Smith & Nephew社）で各々，後十字靱帯温存型CRと後十字靱帯代償型PS/両十字靱帯代償型BCSの荷重下深屈曲動作を解析対象とした。すべての機種で屈曲とともに外旋を示したが，回旋量は10°未満であった。JOURNEY^◇ Ⅱ CRは中間屈曲以降に大腿骨が内側優位に前方移動を示し，FINE CR/PSおよびJOURNEY^◇ Ⅱ BCSは中間屈曲までは外側優位の後方移動を，深屈曲領域では両側後方へ移動した。術後動態のパターンとしては，正常膝関節に近いが，アライメントなどの手術手技による影響もあり，インプラントデザインと手術手技についてのさらなる検討が必要と考えられた。

Personal View

人工知能への期待髙尾　正樹 66巻1号 , 2023年1月 , pp.1-1

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人工知能（artificial intelligence；AI）が世の中で騒がれ始めてから久しい。2006年にトロント大学のジェフリー・ヒントン教授が多数の層のニューラルネットワークを学習する方法を発表し，2012年の画像認識の国際コンテスト，ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge（ILSVRC）で，深層ニューラルネットを用いた手法で圧勝した。それから現在の第三次AIブームとなり，もう10年の歳月が経っているが，その勢いは衰える気配がない。当初は，過去の2回のブームと同様に一時的なトレンドとみる懐疑的な見方や，仕事が奪われるのではないかといった不安視する声が多かったが，既に第4次産業革命として社会に大きな変革をもたらしている。昨今の自動翻訳機能や，顔認証機能，音声認識機能の優秀さを実感している人も多いだろう。

整形外科手術　名人のknow-how

舟状骨骨折偽関節に対する鏡視下手術坪川　直人 66巻1号 , 2023年1月 , pp.2-7

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Filanら^1）は受傷後6週以上経過した舟状骨骨折症例を偽関節と定義している。D1：変形のないfibrous union，D2：変形の少ないpseudarthrosis，D3：変形の強いsclerotic pseudarthrosis，D4：近位骨片の分節化を認めるavascular necrosisに分類している。D1，D2の偽関節では，囊腫状の変化のみであれば骨移植を行わなくても強固な内固定を行うだけで骨癒合が得られるとの報告もある^2）。偽関節部を展開・掻爬し腸骨移植を行う手術方法が一般的である。舟状骨近位部骨折例や血行不良例では橈骨や第2中手骨からの血管柄付き骨移植が適応とされている^3）が，血管柄付き骨移植も手関節への侵襲は小さいとはいえない。このため，手関節への侵襲を軽減し確実な骨癒合，骨癒合期間の短縮を目的に，2007年より鏡視下腸骨移植^4）を考案し行っている。偽関節部の血行を障害せず，術後疼痛も少ない最小侵襲手術である。その適応，手術方法を紹介する。

スポーツ医学つれづれ草

よき人の物語するは武藤　芳照 66巻1号 , 2023年1月 , pp.75-75

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ある中年女性が右変形性膝関節症で関西の某病院の整形外科外来を訪れ，担当医から診察後，X線写真を前にして，説明を受けた。「年だから仕方ないネ！」と。あまりのぞんざいな対応に腹を立てた件の女性。「先生，左のヒザも同じ年なんですが」と切り返す。すると，その医師は澄ました顔で，「きっと右脚から先に生まれたのでしょう……」と。よくできたたとえ話だが，医師のムンテラ（mund therapie，医師からの説明）の難しさと大切さをうまく伝えている。

新しい医療技術

選択的後根切断術金城　健 66巻1号 , 2023年1月 , pp.77-83

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要旨：選択的後根切断術（SDR）は脊髄反射弓の求心路（脊髄後根）を遮断することで痙縮の緩和を得ることができ，主に立位・歩行可能な痙性対麻痺に対して下肢機能を改善することを目的に行われる外科的治療である。術中誘発筋電図と下肢筋群の触診で異常な神経を選択して後根の一部を切離することで，痙縮軽減を得ることができる^1）。長期的に痙縮軽減効果が得られる点が利点であるが，切断量が多い場合は合併症が多くなるため注意が必要である。

机上の想いのままに

変人の勧めと老化の効用西野　仁樹 66巻1号 , 2023年1月 , pp.84-84

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Facebookの昔のプロファイル写真をみていると，われながら変な人だったなと改めて思う。

臨床

プレカット法を用いたPS型TKAにおけるバーチャルギャップと術中キネマティクス評価濱岡　航大 , 池田　康利 , 岡田　葉平 , 塩泡　孝介 , 寺本　篤史 , 山下　敏彦 66巻1号 , 2023年1月 , pp.85-90

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要旨：人工膝関節全置換術（TKA）におけるプレカット法は大腿骨後顆を先に一部骨切りすることで理想的な屈曲・伸展バランスの獲得を目指す手法である。プレカット法によって良好なバランスとmedial pivot pattern（MP）が得られると仮定し，posterior stabilized（PS）型TKAにおけるバーチャルギャップと術中キネマティクスをナビゲーションシステムによって評価した。対象はプレカット法でTKAを施行した32膝とした。機種はATTUNE^TM PS RP型（DePuy Synthes社）を使用した。バーチャルギャップとキネマティクスの評価項目としてMPおよび大腿骨内外側顆部の前後運動を計測した。インプラント設置後のバーチャルギャップは内外側ともに全可動域で均一な値を認めた。インプラント設置後にMPとなったものは合計16膝であった。大腿骨顆部の前後運動は中間屈曲位で内外側ともに軽度前方へ変位し，深屈曲位で外側が有意に後方へ変位した。プレカット法によって良好なバランスを獲得できたが，MPの獲得は半数であった。

肋骨骨折の検討若杉　正嗣 , 藤井　俊英 66巻1号 , 2023年1月 , pp.91-95

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要旨：外傷による側胸部痛では肋骨骨折を疑い，整形外科を初診することが多い。単純X線像で肋骨骨折を認めた62例に対して，受傷機転・骨折レベル・CT撮影および胸部合併症の有無を調査した。受傷機転は転倒が多く，中下位の肋骨骨折がほとんどであった。CTは16例で撮影され，そのうち6例で胸部合併症を認めた。骨折が複数本に及ぶ場合には胸部合併症のリスクが高まる。単純X線像での骨折診断の検出率は高くないため，超音波での確認や胸部損傷が疑わしければCTでの精査も必要と考える。

Femoral Neck Systemの整復保持に関する経時的評価 -―外反整復とtelescoping量の関連― 藤田　敦也 , 川田　紘己 , 黒住　尭巨 , 岡田　芳樹 , 林　隆宏 , 生田　陽彦 66巻1号 , 2023年1月 , pp.97-100

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要旨：大腿骨頚部骨折に対するFemoral Neck System（FNS）の整復保持に関する経時的評価を検討した。対象はFNSを使用し，3カ月以上経過観察できた24例で，経時的評価として術前・術直後・術後2週・術後3カ月のGarden Alignment Index（GAI），Posterior Tilt（PT），術後3カ月のtelescoping量，また術後合併症として偽関節と再手術の有無を調査した。GAIとPTともに，術前と術直後には有意差があったが，術直後以降は有意差はなかった。術後合併症として，偽関節，再手術はなかった。FNSは優れた回旋・角度安定性により整復位保持が可能であった。大きなtelescoping量を認めた症例は，術前と術直後のGAIの変化量が大きかった。過度な外反整復は，過度なtelescopingに関連する可能性があり注意が必要である。

症例

K-MAX KTプレートSを用いた人工股関節再置換術後に生じた腸腰筋血腫の2例石原（伏谷）　由基 , 加畑　多文 , 楫野　良知 , 井上　大輔 , 上岡　顕 , 土屋　弘行 66巻1号 , 2023年1月 , pp.101-105

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要旨：腸腰筋血腫は人工股関節全置換術（THA）後に発症するまれな合併症である。出血性素因を認め，術後2年以内に発症することが多いとされる。今回，K-MAX KTプレートSを用いたTHA再置換後，2年以上経過して発症した腸腰筋血腫を2例経験した。いずれも既往歴，内服歴に明らかな出血性素因は認めなかった。1例は血腫除去術を施行したが，術中所見より，K-MAX KTプレートSの形状による影響が疑われた症例であった。もう1例は保存療法で軽快した。

化膿性関節炎の鑑別を要した小児恥骨骨髄炎の1例山元　雅典 , 池田　天史 , 宮﨑　眞一 , 土田　徹 , 川添　泰弘 , 武藤　和彦 66巻1号 , 2023年1月 , pp.107-110

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要旨：化膿性関節炎の鑑別を要した小児恥骨骨髄炎の1例を経験した。症例は9歳男児，2週間前からの右股関節痛，発熱を主訴に当院救急外来を受診した。初診時，右股関節には可動時痛が著明にあり，自動運動困難であったことから化膿性股関節炎の可能性が示唆された。血液検査，画像検査より恥骨骨髄炎と診断し，速やかな抗菌薬加療により症状が改善し，再燃なく良好な経過が得られた。今後も骨端早期閉鎖，成長障害の懸念はあり注意深くフォローアップが必要と考えられた。

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目次 66巻1号 , 2023年1月

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読者アンケート 66巻1号 , 2023年1月 , pp.38-38

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バックナンバー特集一覧 66巻1号 , 2023年1月 , pp.76-76

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次号予定目次 66巻1号 , 2023年1月 , pp.95-95

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投稿規定 66巻1号 , 2023年1月 , pp.111-111

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編集後記 66巻1号 , 2023年1月 , pp.112-112

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基本情報

整形・災害外科
66巻1号
(2023年1月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0387-4095 金原出版

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