TKAのバイオメカニクス総論

Development of biomechanics for total knee arthroplasty

要旨：人工膝関節全置換術（TKA）におけるバイオメカニクスの研究は古くはcadaverを用いて行われ，インプラントの耐久性を上げるために行われていた。運動機能の改善のための詳細な研究が徐々に盛んになり，X線透視像を用いたインプラントの動態解析やポイントクラスター法での解析がなされてきた。またコンピュータの処理速度の向上により，シミュレーションでの解析も可能となっている。TKAのバイオメカニクスの研究はこれまで多くのエンジニアとの共同研究で行われてきた。臨床上の問題点や疑問についてバイオメカニクスの研究で原因などを明らかにし，それを臨床にフィードバックすることで，今後の手術手技，インプラントの改良につながり，良好で安定した長期成績を得ることができると考える。今後もエンジニアとのコラボレーションで，新たな研究が行われることが望まれる。